2015年夏期アニメ総括

今年の夏は思ったより暑くなかったような気がする。気がするが、休日の朝から昼まで近所で老人たちが碌な防音設備も整えずにカラオケやってて(カラオケボックスではなく自宅にあるカラオケマッシーンを使用しているっぽい)、殺意と眠気に襲われながら布団の中で呻く羽目になっていた。死にたい。
で、WORKINGの最終回はいつ放送されるのだろうと待っていたら「12月末放送決定!!!!!」とか言われたので仕方なく現段階で纏めることにした。なんで年末なんだ。おれは年末何も考えずぐうたらしていたいのに。そういえば「ぐうたら」の語源って「愚(ぐ)+弛(たる)」らしいですね。どうでもいい。
というわけでいつものあれです。年々感想が雑になってきているあたりは勘弁して下さい。一応これでも忙しいのです。



いつもの


評価方法

・評価ポイントは「ストーリー」「キャラクター」「演出」「作画」「音楽(OP・ED含む)」の5つ。各10点満点
・総合評価(ランク)は「SSS」「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」「F」「Z」とする(各説明は以下参照)

「SSS」~生涯愛せる、墓場まで持って行きたい作品
「SS」~アニメの金字塔レベルの作品
「S」~何度観ても面白いと思える名作
「A」~傑作
「B」~秀作
「C」~良作
「D」~凡作
「E」~駄作
「F」~超駄作
「Z」~黒歴史

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2015年秋期アニメ初回雑感

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今年の夏に『マッドマックス』を鑑賞して以降(もうすぐマッドマックスBDが発売されるのが待ち遠しくて仕方ない、生まれて初めて洋画BDを購入する)、約8年ぶりに洋画熱が再燃しTwitterで勧められたものを次から次へと観るという生活になってきて、そのためまともにアニメを見る暇がないという状況になっている。そのうえ追い打ちをかけるように、9月にはデレステ(アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ)がリリースされた。音ゲーを全くやったことのないおれのような人間でもはまってしまう中毒性がそこにはあった。そもそも「同じ曲を何度も演奏して譜面を覚える」というのはおれが6歳のころからずっとやってきたエレクトーンの練習方法だ。したがってイベントでひたすら同じ曲をプレイさせられるのもおれにとっては苦ではなかった。むしろ懐かしささえ憶えた。MASTERランクの曲も10回程度プレイすればフルコンできるくらいにはおれも音ゲーマーとして成長した(尚LEGNEとあんずのうたは除外するものとする)。ただ、もう少しハイペースでプレイできる曲のレパートリーを増やさないと、そのうち作業ゲーっぽく感じてしまうのだろうなとも思う。



以下雑感。1話のみの感想です。

ルパン三世」新シリーズ

ストーリー、キャラクタ、作画、演出、音楽、これら全てが1話目の時点でもはや完璧に近いのでおれはもう涙ぼろぼろ流しながら視聴を繰り返しています。BGMは懐かしいの多いし、アクションシーンのいくつかは映画を意識したオマージュっぽいものがあるし、現時点でBlu-ray1巻を予約したことも微塵も後悔していない。しかしなんでこれをゴールデンタイムに放送しないんだ…


ランス・アンド・マスクス

今年から事前情報を一切仕入れずアニメ視聴に臨んでいるので、開始3分まではこれが何のアニメなのか全く分からず(キャラデザが少し『ひだまりスケッチ』あたりを髣髴とさせることが気になったが)、「脚本子安秀明ならまあ変なことにはならないだろうな」くらいの気持ちで見ていたら、オープニング後に主人公がしっかりとモノローグで説明してくれたので概要は把握できた。なんて親切なアニメなんだ。老人のおれは涙で視界が霞んで画面が見えないぜ。しかし話が進むにつれて、これがファンタジーとか関係ないコメディ成分強めのラブコメだと分かったのでだいぶ視聴が楽になった。三森すずこは明らかにシャロを憑依させているし、馬は『ワルキューレ ロマンツェ』のおかげでギャグ要員のイメージが強いし、小澤亜李は完璧な仕事をしていた。見続けない理由がない。


追記
2話を見た結果このアニメで一番可愛いのは馬だと分かった。馬はよい。


ヤング ブラック・ジャック

今期のなぜゴールデンタイムで放送しないんだ枠その2。いや、確かにヤングブラックジャックは見た目残念ながらちょっと気持ち悪いのだけど、内容自体は原作からそこまで逸脱してはいないし(政治的な臭さは多分にあるのだけど)、キャラデザも月曜夜7時に放送していた頃の『ブラック・ジャック』を意識していて、これもまたおれの懐かしさポイントを的確に突いてくる。ただどうにも演出とキャラクタのやり取りに僅かな不快感があって、今後このへんを払拭できるかで視聴継続か否かが決まってくる。ちなみに一番面白かったのはヤングブラックジャックがいきなり先輩研修医の前で半裸になったシーンだった。


ハッカドール THE・あにめ~しょん

\ファンタジスタッドー/


影鰐-KAGEWANI-

闇芝居っぽい。そういえば闇芝居の続編はまだなのか。おれは闇芝居を見たいんだ。


ヘヴィーオブジェクト

まさか説明(それも主人公のナレーション)だけで冒頭5分も消費するとは思わなかった。原作者の鎌池和馬といえば初期の禁書目録はクソほど読みづらくて「これなら『ドグラマグラ』読んだほうがマシじゃねえか!」と憤って結局途中で読むのを放棄してしまった。そもそもおれは10巻以上続くライトノベルを読むのが苦手なのだ。小説は各巻同士に繋がりがあっても構わないが、基本的には1巻完結であってほしい。だから綾辻行人館シリーズとかは好きでずっと読んでいたりする。

冒頭5分で大事な説明終わり!よっしゃ!!!と思っていたらそこからずっと主人公もヒロインも説明口調でうげげげげげーっと泡吹いて倒れたのでこのアニメは健康に良くない。健康に良いアニメを見たいんだよおれは。


ノラガミ ARAGOTO

3回に1度は「ノラガミ ARIGATO」に見えてしまうので普通にシーズン2とかでよかった気がする。2期と言いながら内容は1期からそのまんま直結しているので遅めの分割2クール目みたいな印象なんだけど、1期放送前からずっと原作読んでいたので難なく2期へ突入できた。しかし陸巴ってこんなに早めに黒幕バレしたかなと思って原作改めて読んだら普通に早い段階で黒幕っぽさ醸し出していた。グッバイおれの記憶力。


金田一少年の事件簿R

頼むから作画もうちょっと頑張ってくれ…


学戦都市アスタリスク

脈々と受け継がれてきたMF文庫J原作アニメの息吹をわずか1話目にして感じられる。開始3分でいきなりサービスシーンに突入してしまうような欲望にのみ忠実に従う態度や、ノルマやチュートリアルかのように唐突に戦闘を行うことによりこちら側が抱く倦怠感。ああこれだ、これがMF文庫J原作アニメだよ、この「量は無駄に多いくせにさほど美味くもないラーメンを食っている」ような感覚にさせてくれるB級中のB級アニメ。食い過ぎると胃もたれしてしまうので心に余裕があるときに視聴していく所存です。


追記
2話もハーレム系ラブコメ作品のテンプレートをひたすら忠実になぞっていて素晴らしい。まさか2015年にもなってこんなアニメに出会えるとは思わなかった。


落第騎士の英雄譚

まさか1クールに2つも開始3分以内にヒロインの下着が露わになるアニメを見ることになろうとは思わなかった。ちなみにもうひとつは言うまでもなく『学戦都市アスタリスク』である。監督が大沼心なのでもうちょっと抽象的な表現で誤魔化してくるのかなと思ったらストレート中のストレートだった。というかこれ1話段階だとアスタリスクとほとんど大差ない。アスタリスクはファンタジーに、こちらはコメディに寄っているくらいしか違いはない。あと「英雄譚」を「キャバルリィ」とは読みたくねえ。


しかし最近は主人公がそこそこ強い地点からスタートする場合が多いので、主人公が最弱地点からスタートするというのは一周回って新鮮だった。だったのに、主人公とヒロインの模擬戦が始まった瞬間、主人公が相手の技を盗んで「枝葉を辿って理に至れば全てを理解できる、そして超えられる!!」とか言い出したので白目剥いて卒倒した。結局主人公強いんじゃねえか。最強ランクのヒロインに勝ってるし「ランクとは云々…評価項目に存在しない…だから黒金を評価できるシステムは存在しない…」とか言い訳しているし。何なんだこの世界は。何かが間違っているぞ。


終物語

食い入るように見続け、気付いたら1時間近くが経っていた。そこでようやく、これはそういう作品なのだと思い出した。アニメーションでありながら文字を多用する表現、この世のものとは思えない空間。異形の世界の中でただ二人の人間が話し合うだけ。そんなアニメが成立してしまうことそれ自体がもう異常なのだけど、そんな離れ業を易々とやってのけるのが西尾維新でありシャフトであるわけだ。まあ個人的には水橋かおりがほぼずっと喋っているという事実だけで最高に満たされているので他には何もいらないという具合です。水橋かおり主演のアニメが増えたら人生本気出します。


うたわれるもの 偽りの仮面

おれは12年前に発売された原作どころか9年前に放送されたテレビアニメすら一切視聴していない、つまりうたわれるものに関しての知識をほぼ持たない新参者なので、このアニメを視聴するかどうかも放送前に悩んだのだけど、とりあえず1話だけでも見てみようという結論に至った。結果的に、主人公演じる藤原啓治とヒロイン演じる種田梨沙のおかげで何とか最後まで視聴できたというところ。面白いとか面白くないとか、まだそれを判断できる段階に至っていない。3〜4話あたりまで見て視聴方針を決めようと思う。


追記
3話段階でめちゃくちゃ面白いです…


進撃!巨人中学校

どう考えても30分の枠で見るアニメじゃねえ…と思ってたら15分くらいで本編が終わっていきなり実写編が始まったので脳味噌が爆発した。DVDの特典とかでやってくれ。


ハイキュー!! セカンドシーズン

なぜ深夜帯に移動したのだという不満を除けば文句なし。何より潔子さんの出番が増えてよく喋っているのが最高と言う他なくおいおいと泣いている。


追記
2期1〜3話だけで1期全話の倍くらい潔子さんが喋っており感動に打ち震えている。
時は来た。それだけだ。


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ

まさかのガンダム×長井龍雪×岡田麿里 という組み合わせ。ガンダムシリーズに何の思い入れもないおれに視聴させる決め手としては充分だった。岡田麿里自体はさほど好きでもないのだが(映画『心が叫びたがってるんだ。』でだいぶ評価上がったが)、岡田麿里という怨念が脚本執筆の原動力となっているような人間がガンダムという巨大コンテンツの中でどのように存在感を発揮するのか、という点には非常に興味があった。ちなみに長井龍雪は普通に好きな監督です。登場人物を死よりも辛い絶望の底に落とすことも厭わない岡田麿里と、少年少女の心の機微をリアルに映し出す長井龍雪。おれが愛してやまない『ガンダムビルドファイターズ』シリーズとは明らかに真逆の世界観で突き進むことは1話を見れば自明だろう。いきなり主要キャラと思われた1人が容赦なく死んだし。


ガンダムについての基礎知識などほとんどないおれのような人間でもすんなり受け入れられるように「ガンダム」と最低限の要素だけ残して、あとはまっさらの状態から作り上げたという感じ。少年少女たちの視点と大人たちの視点を同時に有するあたり、長井龍雪が目指しているものが何なのか伝わってくる。設定もガンダムシリーズにしてはすっきりしていて分かりやすく見通しが良い。もしかしたら自分の一番好きなガンダムシリーズになる可能性もあるだけに慎重に視聴を重ねます。


温泉幼精ハコネちゃん

アニメの聖地巡礼とか一切関係なく普通に箱根に行きてえ。


小森さんは断れない!

タイトルを見てエロいことを想像する人間とヒューマンドラマを想像する人間と精神破壊系アニメを想像する人間の3タイプに分かれるのは逃れようのない運命なのだ。


コメット・ルシファー

開始わずか3分半で心折れそうになったけどfhanaのOP曲が流れてきたのでよっしゃ見るぞ!!!!!という気持ちに切り替えられた。fhanaに圧倒的感謝。事前情報を一切仕入れていないのだけど、OP映像を見た限りではキャプテンアース+ナディア+ブレイクブレイドエウレカセブン(どっちかというとAO)+ラピュタ、という感じだったのだけど、いざ本編に突入するとそのどれにも属さない何とも不思議なアニメだということが分かってきた。面白いとか面白くないとか、分かりやすいとか難しいとかそういう基準とも違う。とにかく不思議。如何とも形容し難い。上記の中で一番近いのが意外にも『ラピュタ』なのかもしれない。現段階では評価のしようがないし物語のほとんどを把握できていないので、これも3話くらいまで見続けてから諸々判断します。しかし作画は異常に良い。まさか本当にジブリを意識しているのだろうか。


コンクリート・レボルティオ~超人幻想~

今期は変化球が多過ぎるせいで戸惑っている。例年秋といえばオリジナルアニメやラノベ原作、エロゲ原作のラブコメなんかが中心になっている気がするんだけど、今期はそれら全部がいまいちグッと来ないのが残念でならない。結果的に『ゆるゆり』『ごちうさ』あたりの続編や『終物語』『櫻子さんの足元〜』、王道の『ルパン三世』や『ヤングブラックジャック』あたりが本命になりそう。
あとおれは脚本家としての會川昇はそんな好きではないので、水島精二×會川昇 と言われても全く心動かされない。それよりむしろ脚本に辻真先参加という事実のほうがテンション上がる。


しかし時系列がめちゃくちゃで分かりづらい、つまり構成が死ぬほど下手くそだと思うんだけど、會川昇はこれがベストだと思っているのだろうか。何かこう「みんなが分かりづらいとか分かんないとか言ってるものを分かるおれは格好いい」みたいな価値観って未だに残っているのかと思うとげんなりする。分かりづらいものには分かりづらいんだよクソがと言えばいいのだ。ノーと言えない日本人はもう止めにしよう。


追記
2話がめちゃくちゃ面白かったので見直した。これ話によっては大化けするタイプのアニメだ。


ワンパンマン

作画!!!!!!!!!!!!


スタミュ

『Dance with Devils』『おそ松さん』は余裕でいけたんだけどこれは無理だった。ごめんなさい。


てーきゅう 第6期

このままだと10期まで続いてしまう…


おそ松さん

今期一番の衝撃だった。完全に出オチに近いネタなのにそれを20分以上も引き摺る馬力の強さが凄い。加えて唯一の女性メインキャラ、遠藤綾演じるトト子がツッコミをやりながらボケもできるスペックの高いキャラクタで、Aパートは彼女のおかげで出オチ回避できたと言っても過言ではないだろう。Bパートは元ネタのおそ松くんのネタを中心に、メタっぽいネタと他作品のパロディを組み合わせて無理矢理ギャグアニメとして成立させており、高松信司より良い意味でタチの悪い藤田陽一の力が遺憾なく発揮されていた。


ただはっきり言ってやっぱり出オチなので、2話以降どうやって話を転がしていくかによって評価が決まるだろう。まあしかし遠藤綾がメイン級で出てくるアニメというだけでおれが視聴を続けない理由はないので結局最後まで見続けることだろう。



ゆるゆり さん☆ハイ!

4年前にはまさかこのアニメがこんな長期コンテンツになろうとは夢にも思わなかった。ともあれ『ゆるゆり』シリーズは相変わらず面白いし、イロモノが多い今期のラインナップの中だと殊更輝いて見える。このアニメが清涼剤になる状況ってわりと危険だと思うけどどうなんだ。『ゆるゆり』っておれの中ではあまり「日常系」のイメージがないし、かといって「百合」というイメージもない。おれの中の百合作品のイメージは『雨の塔』『青い花』あたりで形成されているので、こういう何の煩悶も浮き彫りにならない作品はどうも百合を標榜しているように思えないのだ。


まあそれはともかく『ゆるゆり』自体は好きな作品なので長続きしてほしいし、赤座あかりには幸せになってほしいと思うわけです。


緋弾のアリアAA

まさか今頃になって『緋弾のアリア』という作品が舞い戻ってくるとは思わなかった。でもおれはなんだかんだで4年前の本家本元であるところの『緋弾のアリア』も好きなので、それなりにこのアニメにも期待していたのだけど、いざ視聴してみるとその期待を上回るものが出てきてしまった。嬉しい誤算とはまさにこのことである。中の上くらいだったらいいなと思っていたアニメが上の中くらいだった時のこの興奮。これがあるからおれは未だにアニメ視聴を止められないのだ。


俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件

アニメ化するにあたって「拉致」の部分が「ゲッツ」に差し替えられたという悲しすぎるスタートを切っているアニメ。しかし「ゲッツ」を用いることでダンディ坂野とコラボしたりしていて、何だかんだ宣伝効果は多少なりともあったのかな、と思って視聴に臨んだらOP映像の時点で「このアニメを真面目に見ないでください」と言わんばかりのパロディが敷き詰められており、ならばこちらも肩の力を抜いて見ますね、と早々に視聴態度を決定できたのは良かった。


なんか『彼女がフラグを折られたら』『れでぃ×ばと!』あたりと同じ臭いを感じて懐かしさに浸ってしまった。現段階ではお嬢様学校というより「常識知らずの箱入り娘たちの集い」にしか見えないのがアレだけど、こういう勢いだけで乗り切ろうとするアニメは嫌いではないので取り敢えず経過を見守りたい。3ヶ月後「うおおおゲッツさいこおおおおおお」と叫んでいる未来が微塵も見えないのはこの際置いておこう。


Dance with Devils

まさかの今期ダークホース枠。最近の女性向けアニメの中ではかなり面白い部類だろう。しかも主人公が実質真中らあらさんなのでもう見ないわけにはいかない、というわけです。でもあれだな、最近の女性向けアニメって登場人物が急に歌うものがあまりに多すぎないか(しかも大体に於いて曲がダサい)。でもこれって男性向けの(特にラノベ原作)アニメにありがちな「ヒロインがすぐ脱ぐ」みたいなものなのかな。まあでも心の中で (かしこま!!!) と念じているだけで乗り越えられそうなアニメだという気はする。


主人公の子、月曜日じゃなかったら(お守りが手渡されず)図書館で強姦されていたのでは…みたいな野暮な感想が次々湧いて出てくるけど、その粗さとか理不尽さを笑い飛ばして楽しむのがこのアニメの正しい視聴方法なのだろう。ただ、このアニメを女性はどのような態度・方法で視聴しているのか気になる。おれたちが最近のテンプレヒロインを好きになれないように、世の女性たちもこのアニメの男たちにあまり靡かないのか、それとも一周回って好きになっているのか、おれには分からない。


不思議なソメラちゃん

今期最大のダークホース。作者ちょぼらうにょぽみの時点で何となく予想はしていたが、蓋を開けてみるとその予想の遥か斜め上をいくイカれ具合で約3分間一瞬たりとも気が抜けなかった。ちょぼらうにょぽみには世界がどう見えているのだろう。


櫻子さんの足下には死体が埋まっている

旭川で数年暮らした人間としては冒頭5分のロケーションだけで「うわあロータリーだ!」「護国神社だ!(おれは護国神社から歩いて3分のところに住んでいた)」とめちゃくちゃ興奮してしまった。まさか旭川が舞台の物語だったとは。加えて増毛にもよく訪れていたので「もしかしてここはあの場所では…?」と考えを巡らせるのも楽しかった。ここまで物語本筋ではなく完全に懐かしの景観を楽しむだけの視聴態度なのだけど、開始8分くらいから様子が変わってくる。


ミステリでもありながら猟奇性をも多分に孕んでいて、どことなくホラーめいた雰囲気も漂っている。それでいて生物学・法医学の範疇に収まる知識もそれとなく披露される。素晴らしいバランス感覚だ。検視官でもない櫻子さんがいきなり事件現場に赴いて死体を見るという状況は完全に常軌を逸しているが、まあフィクションの範囲内で許されるレベルだ。演出過剰な部分も幾つか見受けられたが、これもまた許されるレベルだった。グロテスクな表現をギリギリのところでオブラートに包んでいたあたりは良かった。


総じて現段階では今期トップ3に名を連ねる出来映え。1話目としての役割をほぼ完璧に果たしている。あと今後も是非旭川の景観を映し出してもらいたい。


対魔導学園35試験小隊

ライトノベル原作アニメの導入が似通ってしまう問題はいつ頃になったら決着がつくのだろうと考えていたら終わってしまった。ヒロインが最初から主人公への好感度マックスじゃないあたりは良いのだけど、如何せんついこの間『空戦魔導師〜』が放送されていたばかりなので、ところどころに既視感を覚えてしまう。ただ、目新しさやグッと惹きつける力はないものの、何だかんだ最後までするりと視聴できたし、今のところ目立った悪い部分も見受けられないので、このままB級アニメとしてやっていけばいいんじゃないでしょうか。


すべてがFになる THE PERFECT INSIDER

またもやおれの愛する小説がアニメ化される運びとなった。まあこの『すべてがFになる』に関しては先にドラマの方を見ていたのでさほどダメージは無かった。いや、ドラマもドラマでよく頑張ったほうだとは思うのだけど、犀川が謎を解き明かす瞬間の演出とかはやっぱりクドかったし、武井咲もそこまで演技が上手くなかった。そうした不満がドラマに残った中でのアニメ化。正直、アニメ化するならこの作品よりも『百年シリーズ』のほうが良かったと思うわけです、間違いなく。派手なアクションも森博嗣らしい仕掛けも、最低限ミステリという骨格を守るための謎解きも、全てが実写ではなくアニメーション向きなので。


で、およそ何の期待もなく視聴を開始したこのアニメ、ややスローテンポなことや西之園萌絵のキャラデザがやっぱりおかしいということを除けば、意外にも概ね良好だった。原作未読、ドラマ未視聴の人からしたらめちゃくちゃ分かりづらいだろうが、これが森博嗣の生み出す作品なのだと割り切って最後まで見てほしい。


新妹魔王の契約者 BURST

突き抜けたエロはギャグになると証明してくれたダイミダラーや監獄学園に追従するかのようにギャグに振り切れた新妹2期。キャラクタ同士の会話や思考が完全に頭悪いのだけど、おれはスノッブ臭漂わせてるものより、こういう頭悪いもののほうが圧倒的に好きだ。中には頭悪いように見せかけて実はめっちゃ頭良いというものもあるが、これは完全に混じりっ気なしの頭の悪さ。考えうる限り最高の方向に進化してくれたこの2期を今見ないでいつ見るというのだ。


ご注文はうさぎですか??

1話目でもう視聴者の心をぐっと掴んでくる手際の良さ。画面に映るだけで華やかさと和やかな雰囲気を醸し出してみせるチノというキャラクタの圧倒的なパワー。このアニメの第一声はリゼの「チノ、おかえり」だったが、それ以前のわずか1分の間に潜む多量の情報がおれたちの認識を揺さぶってくる。まるで今の今までチノが喋りながら歩いていたかのような、そんなキャラクタたちの生き生きした姿を想起させるには充分すぎる1分。この時点でこのアニメが1期を超えてくることが容易に想像できる。そこから繋がるOP曲も最高オブ最高だった。大久保薫に足を向けて寝られない。

今期のラインナップがあまり良くなくて絶望しかけていた時にこのアニメがやってきて、希望と癒しを与えてくれた(天衝がコンテ演出担当してるED映像を見て新たな性癖に目覚めてしまう人とかいるのではないだろうか)。神棚に飾って毎日拝みたいところだが、このアニメの場合は毎日教会の礼拝に参加したほうがいいのだろうか。ともあれ現在の段階では今期トップクラスだし、余程のことがない限りこの地位は変動しないだろう。問題はこのままのレベルで最後までやられるとおれは間違いなくBDを全巻購入して金が無くなってしまうということだ。助けてくれチノ…


終わりのセラフ 名古屋決戦編

やっぱり「惜しい」という気持ちが芽生えてしまうアニメなんだよなこれ。劇伴担当が澤野弘之でなかったら、キャラデザがもう少しのっぺりとしていなかったら、1話の時のノワールっぷりがもっと前面に出ていてくれたら、そんな「もしも」が積み重なって「惜しい」に直結する。ボタンのかけ違いというやつだ。好きな題材であることは間違いない。1期の導入部分はめちゃくちゃ良かった。あの路線でとにかく救いがねえぞという闇、それでも立ち向かっていくのだという一筋の希望、そのくらいの匙加減が良かった。中盤で『青のエクソシスト』を髣髴とさせる展開にシフトしてからおれのストライクゾーンとの間にズレが生じてきた。うーん。この2期でどうにかダークな作風に戻してくれさえすれば…


ヴァルキリードライヴ マーメイド

主人公の名前が「処女まもり」の時点でもうめちゃくちゃ警戒して視聴に臨んだわけだが、結果的には『魔乳秘剣帖』の頃の金子ひらくが帰ってきたという感じで良かった。しかし設定がこれ『ソウルイーター ノット』とほぼ同じなんだけど大丈夫なのか。まあ大丈夫か。こっちは監督金子ひらくでエロ方面を武器に展開するっぽいし。でもなあ、やっぱりおれは黒田洋介が『ガンダムビルドファイターズ』の方法論(熱量)でシリーズ構成やってほしいし、その半分を金子ひらくのエロへの熱量と衝突させて笑いへと昇華してもらいたいんだよ。今期、特にラノベ原作アニメが頭悪い方向に突き抜けたものが多いから余計にそう願っている。

ちなみにこのアニメで一番良かったのは井口裕香の演技だった。インデックス系統のちょいウザ系よりも、こういう艦これの加賀みたいなクール系統の演技のほうが圧倒的に合っていると、おれは『まよチキ!』の頃から言っているぞ。


追記
2話で敷島魅零が処女まもりより歳下だと分かったので今後全力で視聴します。魅零がまもりより1つ歳下だという設定、非常に素晴らしいしこの設定のおかげで例えシナリオが劣悪な方向に転がっても耐えられそうだ。


あにトレ!EX

これはアニメなのか…それとも体育の教材ビデオなのか…教えてくれアーススター……





各作品の1話を視聴した段階では、正直なところ「こりゃ駄目だ、さすがに1年通して豊作というのは難しいか…」と思っていたのだが、2~3話目から徐々にエンジンがかかってくる作品が多く、ちょうど今年の春アニメのような状態になってきた。


ちなみに現段階で1位はルパン三世、2位は櫻子さん、3位はごちうさ2期という感じです。以下にハイキュー2期、うたわれるもの、Dance with Devils、緋弾のアリアAA、鉄血のオルフェンズと続く。
今年の冬、春、夏が異常に豊作だったせいで今期は小粒揃いに見えがちだが、上位3つだけで元を取れそうなレベルだし、上述したように2〜3話以降右肩上がりを見せてくれる作品もあるので、最終的には「今期も豊作だった」と言えそうな感じがする。

心が叫びたがってるんだ。

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あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下『あの花』)が深夜アニメとは無縁な層にまでリーチした結果、劇場版も見事に大成功を収め、ついには日曜の夜9時に実写ドラマが放送されるに至った。そして『あの花』スタッフが再び集結し生み出された映画として、オリジナルアニメーション映画としては異常なほど大々的に宣伝された『心が叫びたがってるんだ。』である。明らかに普段アニメを見ないであろう層の人間たちが多く劇場に集まっており、この時点でおれはこんな場所にいていいのか、やっぱり友人を伴って観に来ればよかったなどと後悔しているうちに、場内のランプが消えてスクリーンに映像が映し出された(ちなみに後ろの大学生2人が乃木坂ファンだったらしく映画が始まるまで『心が〜』については一言も触れずひたすら乃木坂の話をしていたのが面白かった)。余談だが有難いことにおれの座席周辺にはポップコーンを貪り喰らうモンスターや、鼾・雑談・咳払い・貧乏揺すりなどの音で攻撃してくるタイプの人間はいなかった。少しのことで気が散ってしまうミスター神経質ことおれとしては非常に有難かった。


上述したように、『心が叫びたがってるんだ。』はあの花のメインスタッフである長井龍雪岡田麿里田中将賀が再び集結して作られたオリジナル長編アニメーション映画だ。それゆえに上映前から人々の期待値はかなり高かった。おれはあの花は1話が最高だと思っているタイプの人間なので、序盤に全神経を集中させて観賞しようと臨んだわけだが、それは正解でもあり不正解でもあった。結果的に、『心が叫びたがってるんだ。』は『あの花』が苦手だったおれのモヤモヤを吹っ飛ばすような傑作だった。その後『マッドマックス』同様に3回も観賞してしまった(レイトショーの観客も明らかに層が違っていた)。


以下9割ネタバレです.

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2015年春期アニメ総括

とある作品が全16話という1クールと2クールの中間のような枠で放送されていた+『マッドマックス』を見て完全に「雑感を書く」という行為そのものが虚しく感じられてしまったために1ヶ月以上遅れることとなった。マッドマックスを自宅で鑑賞するためだけにホームシアターシステム一式買い揃えようかと本当に真剣に検討している。幸いにしてレコードを聴くために数少ない部屋のひとつを防音仕様に改装したので、どうにかしてそこにホームシアターを組み込めないかと考えていたら7月が終わってしまった。2015年、体感的に2014年より早く進んでいる気がする。しかし、おれがつらいつらい言っているうちに勝手に時が過ぎ去ってそれを早いと感じられるならまだ恵まれているほうなのかもしれない。



いつもの


評価方法

・評価ポイントは「ストーリー」「キャラクター」「演出」「作画」「音楽(OP・ED含む)」の5つ。各10点満点
・総合評価(ランク)は「SSS」「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」「F」「Z」とする(各説明は以下参照)

「SSS」~生涯愛せる、墓場まで持って行きたい作品
「SS」~アニメの金字塔レベルの作品
「S」~何度観ても面白いと思える名作
「A」~傑作
「B」~秀作
「C」~良作
「D」~凡作
「E」~駄作
「F」~超駄作
「Z」~黒歴史

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2015年夏期アニメ初回雑感

マッドマックス 怒りのデスロード』を3回鑑賞した結果夏アニメ視聴雑感を真面目に書くのが完全に虚しくなったので超手短に書き殴ります。ご容赦下さい。
1話のみの感想です。後述していますが2~3話で格段に面白くなったアニメが数多く存在しているので以下で述べられている雑感の3分の1はアテになりません。


おくさまが生徒会長

潔くコメディ・タッチのエロ方面に舵を切ったことで逆に訳の分からん清々しさが生まれていた。あとなぜか異常に作画が良い。芸術気取りのアニメやドロドロした人間関係を延々引きずるアニメよりは見ていて楽しいのだけど、約8分という中途半端な尺にするくらいなら3〜5分とか15分とかキリのいい時間に収められなかったのだろうか。あと生徒会長という設定が今のところどうでもよい。


GANGSTA.

ガングレイヴとかブラックラグーンとかあの辺りのハードボイルド系の作品の要素を掻き集めたという感じで真新しさも新鮮さもないが、だからこそ大きくハズしはしないだろういう無難な感じはある。戦闘作画は全然駄目だったけど(自動車を一度バックさせてから前進させたり、銃の弾切れの描写が細かったり、戦闘以外の作画はわりと良い)。あと津田健次郎の聴覚障碍者の演技がめちゃくちゃ上手かったのと梅津のスタイリッシュEDのおかげで視聴継続が確定した。しかしハードボイルド系漫画なら『ルドルフ・ターキー』が今のところ現段階で頭3つくらい抜けた面白さなので原作5巻くらいまで出たらアニメ化してくれませんかね。


ケイオスドラゴン 赤竜戦役

放送開始前からTwitterでやたらハードルを上げるのは無意味だということを教えてくれたアニメ。あと全員の目の色が怖い。見ていて不安になる。


アクエリオンロゴス

不幸なことに今期『To Loveるダークネス』『おくさまは生徒会長』『下ネタという概念〜』という「合体」方面におけるインパクトの強い3作が放送されているせいで印象が薄い。合体という持ち味がここまで死ぬとは思わなかったのでラストの寝取られという要素を突き詰めるしかないだろう。


乱歩奇譚 Game of Laplace

小林少年がショタキャラの権化みたいになってて複雑な気分である。しかし「人間椅子」やるなら主題歌どっちか人間椅子に担当させてほしかった、筋少が『うしおととら』の主題歌やってるんだから時期的にもベストだろ。


青春×機関銃

精神鍛錬を求められるタイプのアニメ。


城下町のダンデライオン

予想より面白くなかった。作画・脚本・演出があんまり噛み合ってない感じがしたのだけど、回を重ねるごとに改善される類のものなのかどうかで出来が決まってくる。


うしおととら

文句無し。2015年の今やる意味をしっかり提示できている。


ミス・モノクローム -The Animation- 2

堀江由衣9rdアルバム『ワールドエンドの庭』良かったです。


うーさーのその日暮らし 夢幻編

その日暮らししてねえ。


わかばガール

おれはきんいろモザイク2期第13話を視聴しているんだ。邪魔しないでくれ。


GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり

臭いことこの上ないアニメ。これからもっと臭くなるらしいのでマスク着用して視聴します。


Classroom☆Crisis

長崎健司×丸戸史明という化学反応はわりと良好っぽい。両者の持ち味がしっかりと出ていて、互いに潰し合うことなく共存している。これが相乗効果を発揮できるかどうか、という点なんだ問題は。あとこれ高校生でやる意味あるのか。普通に社会人でもいいのでは。


戦姫絶唱シンフォギアGX

相変わらず42.195kmのフルマラソンの序盤1km地点から全力でダッシュするスタンスを崩しておらず最高と言うほかない。明らかにこの1話だけで半分以上の作画リソースを使い果たしており、「将来なんざ知るか、おれは今を全力で生きるんだ」という熱いメッセージが感じられてよい。


下ネタという概念が存在しない退屈な世界

下ネタを含む万物全てを飲み込んでギャグに昇華してみせた傑作漫画『監獄学園』のアニメと同時期に放送されたことが不幸だったと言うほかない。そのうえダイミダラーにあった熱さや魔乳秘剣帖のスタイリッシュさ、新妹魔王のようなコメディっぽさがなく、下ネタをひたすら繰り出すだけ。おれは悲しい。


デュラララ!!×2 転

原作がもうとっくに完結していたことを知らなかった。


Charlotte

長い物語のプロローグとしても、起承転結整った1つの物語としてもしっかり成立している。これが出来ずに死んでいくアニメをおれは何度も何度も見てきた。『Angel Beats!』のような末路を辿らないことだけを切に願う。


WORKING!!!

横綱相撲。ちょっとやそっとのことでは揺るがない圧倒的な強度の高さ。これぞまさしく長期コンテンツと言わんばかりの佇まいだった。


ガッチャマンクラウズ インサイト

この訳の分からん高い熱量の押し付けを好きになれるかどうかで1期同様評価が分かれるだろう。おれはこのくらいの熱量がちょうど良い。ちょうど良いが故に新しい刺激をくれと願っている。


六花の勇者

悪くないが特別良くもない。まさしく導入という感じの1話だった。


ワカコ酒

わずか2分のアニメなのにOPで30秒使うあたりハングリー精神がすごい。これで本編終了後に沢城みゆきが実際に店に出向いて酒を飲んで飯食う映像が流れれば完璧だった。


赤髪の白雪姫

作画が非常に良い。ストーリーとかキャラクタとか頭の片隅に追いやられてしまうくらい作画が良い。この作画の良さだけで見続けられる。あと待ちに待った早見沙織歌手デビューだったのだけど、そのデビューシングルがこんな地味目かつ当人の歌唱力があまり生かされないタイプの曲というのはどうなんだ。高垣彩陽もそうだけど明らかに歌唱力を持て余しているというか作曲家のレベルがシンガーに追い付いていない(ユニゾン田淵の提供曲は素晴らしかった)。この2人にはもっと歌謡曲っぽい楽曲を提供してほしい。何を言いたいかというとまた「踊り子(そらのおとしもの2期8話ED)」のようなカバーやってほしいということです。


To LOVEる-とらぶる-ダークネス 2nd

揺るがない信念と確かな自信を引っさげて帰ってきた。もはや伝統芸能である。ギリギリのエロスを表現させれば右に出るアニメはない。


てーきゅう 第5期

主題歌の良さ。


ミリオンドール

完膚無きまでに現実を叩きつけてくるシビアなアニメ。明らかな低予算ながら凄まじく印象に残った。


実は私は

古き良き少年漫画の純愛・ラブコメものにファンタジー要素を混ぜ合わせた結果、意外にも新鮮なものが生まれてしまったという例。「秘密」というテーマをどこまで突き詰められるか。あとOPが酷すぎて逆に面白い。EDのヒルクライムについてはまだ活動していたのか以外の感想はありません。


のんのんびより りぴーと

画面からマイナスイオン出てるんじゃないのというくらいのヒーリングアニメである。視聴中に1度寝そうになってしまったが、これは決してつまらなかったからというわけではない。とにかく尋常じゃないくらいリラックスして見られるのだ。間違いなく今年1番リラックスできた。下手なマッサージとかアロマとかより体に良さそう。


オーバーロード

SAO、ログホライズンと続くネットゲームもので、設定も「ゲームの世界の中に閉じ込められる」という在り来たりなもの。で、主人公がめっちゃ強いうえに結構な軍勢を率いているという設定は上記2作品を混ぜ合わせた感じ。ややコメディ色が強いのは特徴といえば特徴だが、もっと独自のカラーを打ち出してくれればハネそうな気配はある。


それが声優!

あまり言及したくないタイプのアニメです。こちらからは以上です。


モンスター娘のいる日常

ただのいちゃラブちょいエロコメディみたいな体裁を装っておきながらその裏には異文化交流、人間同士ですら分かり合えないのに人間と人間以外の生物は分かり合えるのか、という深刻なテーマは無かった。無かったけど「次はこう来るだろ」という予想を毎回毎回的中させてくれるシナリオはある意味凄かった。裏を返せば常に期待通りということでもある。あと吉原達矢コンテは本当に一瞬で分かってしまうので素晴らしい。というかおれ前に原作読んでた気がするなそういえば。


洲崎西 THE ANIMATION

おれは声優にトーク力とか求めないしそもそも声優ラジオ自体も聴かないので必然的にこのアニメ自体にも特に思い入れはないのだけど、さすがに中の人間の正体自体は把握しているので「これてさプル方式でやったほうが面白かったのでは…?」という思いが拭えなかった。


ビキニ・ウォリアーズ

短い時間にありとあらゆる角度からのRPGネタを仕込んでいる手際の良さに感心させられた。


空戦魔導士候補生の教官

ワルブレの再来!!!!!
かどうかはさて置き、稲垣監督アニメによくあるナンセンスさ、シュールさ、馬鹿馬鹿しさは今回あまり前面に出ていない代わりに、アニメのテンプレ要素をこれでもかと詰め込んでおりメタ的な面白さはある。説明台詞の多さが笑いに昇華されているのは素晴らしかった。登場人物ほぼ全員が頭おかしいのはワルブレっぽくて良かった。あとEDが最高に良い。la la larksそろそろアルバム出してくれ。


干物妹!うまるちゃん

5分アニメだと思って視聴したら普通に30分あったので脳味噌が爆発した(今年2回目)。ミリオンドールやわかばガールよりもショートアニメの枠に向いているはずなんだが…


がっこうぐらし!

癒し系日常アニメと見せかけておいて最後の最後で地獄に突き落とすという非常にメンタルを抉られるタイプのアニメだった。事前情報を一切仕入れていなかったので完全に不意を突かれてしまった。こういう裏切られ方は久しぶりなのでゾクゾクしている。最大の問題はこのアニメ自体の着地点がどこなのかという点だ。


だんちがい

ショートアニメの王道。


監獄学園

原作既読でも新鮮な面白さを提供してくれるあたり水島努は本当に優れた監督なんだけど、原作の時点でエロとか関係なく非常に面白いので『ウィッチクラフトワークス』あたりとはちょっと見せ方が違う。こっちはほぼ全て原作通りにやりつつ、間を詰めることでスピーディに話を展開させる。めちゃくちゃ話進むのが速いのに全ての要素が余すところなく頭の中に入ってくるあたりに他作品との格の違いを感じられる。とにかく「くだらなさ」を限界まで突き詰めようとするその姿勢がおれはたまらなく好きなのだ。


追記:第3話で文字通り死ぬほど笑わせてもらいました。アニメ見て呼吸困難になったのは本当に久々だった。約25分間ずっと笑っていた気がする。2クール目の作品を除けば余裕で今期トップです。


アイドルマスター シンデレラガールズ 2ndシーズン

もう完全に軌道に乗っているので今更どうこう言う必要もないだろう。何をやっても視聴者を満足させられる次元へと到達してしまったわけだが、今回は本筋より新しく声がつくアイドルのほうが気になって仕方なかった(中でも道明寺歌鈴がとても良かった)。佐久間まゆ佐久間まゆという感じで素晴らしかったですね。
しかしアイドルの物語と同時進行でプロデューサーと上層部との鬩ぎ合いをやるのか、上層部の企みにアイドルが巻き込まれていくのか、そこらへんはわりと気になるな。


GOD EATER

ゴッドイーターシリーズについて何の知識もない状態のうえ、そもそも始まる前から死んでるようなアニメだったので何の期待もなく見たところ (そんな悪くないな…) という気持ちになった。やはり「期待しない」というのは精神衛生上良いらしい。しかし今期は変化球的良作が多いのでその中では埋もれてしまいそうだ。


Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ! ヘルツ!

1期の時より過激になったと同時に作画が異常に良くなってて、もっとも人間のモチベーションを上げるのは純粋な欲望だということを再確認した。しかし1話から水着回ぶち込んでくるあたりに勝者の余裕を感じる。




結論から言うと大豊作です。正確に言うと1話時点で微妙かと思われたアニメたちがこぞって2~3話から格段に面白くなった。青春×機関銃、うまるちゃん、オーバーロード、GATE、六花の勇者、城下町のダンデライオンアクエリオンロゴス。これらがちゃんと面白くなってくれたおかげで今期は「めちゃくちゃつまらない」作品はおろか、「つまらない」と一蹴できるアニメもなくなってしまった。これは異常事態だ。
そのうえ様々なジャンルのアニメが共存している。ラブコメ、バトル・ファンタジー、ハードボイルド、コメディ、ホラー、ミステリー、日常もの、純愛もの、エロス、政治、アイドル、職業もの、TRPG原作もの、ゲーム原作もの、グルメもの。似たようなタイプの作品が存在していないという奇跡的なラインナップなので一週間飽きることがない。冬に続いて素晴らしい豊作ぶりである。やはり2015年は豊作の年らしい。