この世界の片隅に

本当は先々週に鑑賞した『君の名は。』『きんいろモザイク』について書こうと思っていたのだけど、今日観た『この世界の片隅に』が凄まじ過ぎてあらゆる記憶が吹っ飛んでしまった。間違いなくおれが人生で観た映画のベスト3に入る。

内容について話そうと思えばいくらでも話せるし、やろうと思えば政治的なキナ臭い話題に持ち込めるのだけど、この映画に関してはそういったあらゆることが野暮に感じられてしまう。おれが下手なことを長々と書くより1回観た方が早い。

 

戦争を扱った作品ではあるのだけど、核は恐らくそこじゃない。人間の生き方とか有り様とか、もっと根源的なテーマがあって、戦争がそれを浮き彫りにしている、という形だ。しかしとにかく「戦時下における人々の暮らし」を丁寧に、切実に、淡々と、美化も説教臭さもなく描いているのでどうしても気持ちがそっちに持っていかれてしまう。事実、原作者も監督も空襲警報の日時や港に停泊している戦艦の種類などよく調べたなと感心してしまうレベルで事細かな描写をしている。

 

加えてこれは1億回くらい言いたいんですが、北條すずを演じている能年玲奈ことのんの演技がそれはもう素晴らしいわけで(エンドロールを見て「のん」に改名して正解でしょ…と見事に納得してしまった)、のんが今後声優の仕事してたら全部チェックしようと思ってしまいました。近年ほとんど見られない「『演技』を感じさせない100%自然体の演技」を恐らく素でやっている、紛れもない天性の役者です。『あまちゃん』見てなかったけど見ます。

 

のんの素晴らしい演技によって北條すずの生き生きとした姿が余す事なくスクリーンの向こうの我々に伝わってきて、単純な自分は「北條すずさんが生きているんだからおれも文句を言わず労働しよう…」と思ってしまうのであります。どなたかが「この映画を見た後は北條すずさんが自分の心の中でアドバイスをくれるようになった」という趣旨の絵を描いていて (なんだそれは…)と思ったものですが、いざ自分も映画を観てみると、上映終了後から今に至るまで北條すずさんが完全に心の中に入り込んでおり、家で飯を作るとき、脳内で北條すずさんが調理手順を読み上げてくれます。これで毎日の家事が苦ではなくなりました。北條すずさんと味噌汁を作りたいだけの人生だった…人生とは……

 

それはともかく、観る前と観た後で人生観とか価値観が揺り動かされる作品というのはほんの少数ながら確かに存在していて、『この世界の片隅に』は間違いなくそんな作品だ。生きている場所がどこであれ、地球規模で見ればそれは世界の片隅であるわけだが、自分が今生きている片隅はどれだけ恵まれた環境なのかと考えを巡らせるだけで、もう昨日の自分とは違うのである。おれが悩んでいた現実の諸問題やそれに付随する怒り嘆きも、北條すずが生きていた現実に比べれば簡単に解決できるものなのかもしれない。簡単な言葉で表現することが憚られる作品ではあるが、今いくつもの悩みを抱えていたり精神を磨耗していたり死にたいと思ってロープを探しているような人は少なくともこの映画を観たほうがよい。「勇気」とか「気力」とかそういうマイナスイオン並みに存在しているのか怪しいものが確かに得られます。ただしパンフレットはほとんどの劇場で売り切れているのでもう得られません。原作もサントラも絵コンテ集もガイドブックもユリイカも全部買ったのにパンフレットが手に入らないのつらすぎる…助けてくれ北條すずさん……

 

この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック

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「この世界の片隅に」公式アートブック

「この世界の片隅に」公式アートブック

 
この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集

この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集

 
劇場アニメ「この世界の片隅に」オリジナルサウンドトラック

劇場アニメ「この世界の片隅に」オリジナルサウンドトラック

 

 

 

 

2016年上半期ベストトラック

8月になる前にやっておきたかったけどできませんでした。前年に比べて今年は聴いている量が圧倒的に少ないのだけど、今年は量より質を追求した結果、去年より良い曲との出会いが増えたような気がしないでもない。が、やっぱり色々なものを聴かないと「おれが聴いていないだけで1位よりすげえ音楽が眠っているのでは...」という不安に襲われるので、ここはもう労働日数を減らしてもらうしかない。祝日を増やすとか焼け石に水だし、そもそも週5日労働したことで蓄積した疲労がたった2日の休みで回復するわけがないので、やはり週3日労働からの4日休みが理想的だ。革命を起こすしかない。

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近況

報告するだけの近況がないというか、忙しすぎて余暇を楽しむ時間がほとんどなかった。いや休みはあるんだけど、勤務時の疲れが溜まっているので家でぐうたらして休み終了、という感じのライフスタイルなので厳しい。ただ給料は上がっているので買い物は前職のときより増えた。

 

6月に買ったAH-D600EM。昔4万くらいしたのに今は2万5千円で買えるので買いました。HD25-1 Ⅱとどちらにするかで1時間ほど迷ったものの、HD25-1 Ⅱは低音と側圧が強すぎたのでAH-D60EMに。何気にDENON製品買うの初めてだった。あとパッケージが超豪華。

 

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【国内正規品】ゼンハイザー 密閉型ヘッドホン HD25-1 II

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本を買いまくっています。買うペースが読むペースを上回っているので、必然的に積読が増える。

 

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ななしのアステリズム(1) (ガンガンコミックスONLINE)
 

 

 

私は存在が空気

私は存在が空気

 

 

盲目的な恋と友情

盲目的な恋と友情

 

  

紙の本を買い過ぎたため、CDは控えてiTunesメインで購入しています。

 

そんな中で呂布カルマの作品だけはCDで集めたいと思ったのだけど、今まともに買えるのが最新作しかないというつらさ…『STRONG』とか再販する気がないんだろうか(再販を信じて未だにiTunesで購入するのを躊躇っている)

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The Cool Core

The Cool Core

 

 

Strong

Strong

  • 呂布カルマ
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1500

 

 

最近はほとんどアニメを観ていません。単純にアニメを視聴する体力が尽きてしまった。去年までは駄作も駄作なりの楽しみ方を見つけて視聴していたのだけど、今はそれがつらい。自分の好きなものしか観られなくなった。しかも今期好きな作品がとにかく少ないので余計につらい。もう1クールごとに総括とかできないかもしれない。

 

 

 

甘々と稲妻 Blu-ray BOX

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シン・ゴジラを観た。なるほどこれは絶賛されるわという感じである。極限まで無駄を削ぎ落とした物語の強度たるや、凡百の日本産映画が束になってかかっても太刀打ちできないだろう。単純なシナリオゆえにどこまでも深読みできるし、そのあたりが批評家にもウケている理由かと。あと多くの観客が賞賛していた市川実日子も良かったが、個人的には高橋一生が群を抜いて素晴らしかった。

 

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

 

 

 

 

劇場版名探偵コナン 純黒の悪夢

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やあ、地獄から舞い戻ってきたぞ。


なんといっても赴任先がど田舎中のど田舎なので(基本給の他に「僻地手当」という金が貰えるくらいしか利点がない場所です)、買い物も満足にできないのはもちろん、ネットを開通させるのにも1ヶ月以上かかるということで、再就職してからしばらくは健康で文化的な最低限度の生活を満足に送れていない状況だったのだけど、公務員にクラスチェンジしたおかげで年休を取るのが前職より容易になったので、意気揚々とゴールデンウィークを9連休にすることに成功した。給料も前職より上がっているのでよっしゃ遊び回るぞと張り切ったはいいものの、いざ連休に突入すると両脚が筋肉痛に襲われ序盤3日間は実家の布団に埋もれて過ごすこととなった(その後は多くの社会の歯車たちと同様に真っ当な連休ライフを送っている)。


というわけで(?)今回はゴールデンウィーク中に観た『名探偵コナン 純黒の悪夢』についてのお話です。ゴールデンウィークに映画を観るのは久し振りのことだったのだが、人のあまりの多さに吐き気を堪えるのが大変だったし心が何回も折れかけた。何なんだあの人の多さは。作品を巨大なスクリーンで観られるという映画唯一のメリット、「人が多い」「料金が高い」「音の調整が出来ない」「前後左右の席のやつがうるさいと地獄」というデメリットに完全に負けてるぞ。どうなっているんだ。やはり自宅にホームシアターの設備を導入するしかないのか…

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近況

3月、最高に楽しかったです。小学校の同窓会(ほぼ全員が同じ中学に進学したので中学の同窓会でもあった)や高校の同期会(?)、大学時代の友人たちとの食い倒れツアー、以前雇ってもらっていた塾の飲み会への参加などまあ色々あって、おれの16年間の学生時代、ひいては青春の総括みたいな感じだった。本当に何もかもが楽しくて、28日に小学校の同窓会が終わった時には「おれこのまま死んだら人生最高の幕引きなのでは」と本気で考えていた。

とにかく全部楽しかったけど、一番印象的だったのはやはり27〜28日の小学校の同窓会だろうか。約12年ぶりに再会する友人がいたり、すげえ太っていたやつが痩せて男前になっていたり、大人しかった女の子が結婚して子供を産んでいたり、とにかく色んな人と会えてずっと笑っていた。しかし同級生の半分が結婚済み、さらにその半分がもう子持ちという事実は衝撃だった。「おれ結婚願望ないのよなー」と何気なく言ったら「お前からは孤独死の臭いがする」と謎の忠告を受けたりした。おれもそう思う。

小学校の時のムードメーカーだった女の子は相変わらずムードメーカーで会を盛り上げてくれるし、おれはおれで高校卒業して地元を離れたので1年ごとに定期的に集まっていたらしい皆との溝を埋めようとしていたら積極的に小・中学校時代の話を振ってくれる、昔隣の席に座っていた女の子の優しさに泣いていた(その子が「3年付き合っている彼氏が真夜中にカブトムシを捕まえるのに本気になっている」という話をぶっ込んできた時には居酒屋の床を転げ回る勢いで笑った。すいませんでした)。おれはこの小学校に5年生の頃転校してきたので小学校の思い出は皆ほど厚くはないのだけど、転校してきて3日で文化祭のクラス発表会のための重要な楽器を任されたり(エレクトーン経験者と言ってしまったためと思われる)、転校してきて1ヶ月でクラスメイト全員の家に遊びに行くという偉業を達成したりしていて、思い入れは皆同様に強い。

もちろん全員は集まれなかったけど(ちなみにおれが転校してくる前に学校から転校していった男がとある事件を起こして逮捕されるという痛ましい出来事があったらしいんだけど、そもそも面識がない)、半分近くが集まってくれた。おれの小学校は各学年1クラス24人だけという少数編成ということもあってか皆仲が良かった。喧嘩はあったけど仲直りも異常に早かった。そんなクラスだった。

「来年2月に挙式するから来てね」という有難い誘いを受けたり、この面子で小学校の修学旅行を再現してみようという企画も立ち上がり(全員のスケジュール調整地獄っぽいけど)、同窓会が終わってもまた会おうぜみたいな空気だったのもよかった。その空気にあてられて、元々1次会で帰る予定だったのを変更し2次会のカラオケにも出席。ジャンケンに負けた結果、2次会の最初と最後に歌う役目が見事におれに任された。おれのジャンケンの弱さを全員が覚えていたのが誤算だった。給食のおかずおかわり権を賭けたジャンケンでおれが勝てたことは一度もないのである。しかしこのカラオケ、参加者ほぼ全員がおれより上手く、伸びかけていた鼻っ柱をボキボキにへし折られることとなった。精密採点で96点以上をコンスタントに出す女性をおれは初めて見た。上には上がいる。

カラオケが終わる頃には当然終電もなくなっているので、他に終電を逃した友人2名を誘って昔よく遊んだ友人の実家に泊まらせてもらった(部屋がほぼ昔遊んでいた時のままで懐かしさのあまり泣きそうになった)。みんなバンド経験者で、うち1人は今もプロを目指して頑張っているので、ひたすらに音楽の話をしていた。おれのように広く浅く聴いているやつもいれば狭く深く聴いているやつもいるので、これがとても面白かった。深い音楽談義ができる友人がほとんどいないので、始発の時間までひたすら喋っていた。友人が作った曲とか聴きながら「ここは〇〇の〇〇という曲のフレーズのオマージュ」みたいな言い合いするのが最高に楽しかった。ちなみにおれはFucked Upを激推しした。

朝5時半の始発で自宅へ帰っている時の寂しさ虚しさは凄まじかったが、いつかまたこの楽しい会に参加するぞという気持ちを精神的支柱にして今日までなんとか生きてこれた。もちろん中学や高校の同期会や大学の同期会もやるなら出来る限り行きます。インターネッツではわりと「学生時代何も良いことなかった」みたいな暗いオーラを纏った人を多く見かけるけど、おれはもう学生時代が人生の全てだったと言っても過言ではない。逆に今はゲームクリアしてエピローグを延々とやらされているみたいな感覚だ。労働が楽しくないのは自明なので、おれの人生は 楽しさ2:つらさ8 という現状だが、学生時代はこれが 楽しさ8 :つらさ2 だった。というかせっかくこの世に生を受けたのになんでつらさが楽しさを上回る人生を送らなければならないのか分からないし、そこに誰も疑問を呈さない、あるいは疑問を抱いているのに表に出せない社会になっているのか、おれは本気で分からないのだ。

ともあれ、死ぬ理由より遥かに見つけるのが難しい生きる理由をこの3月に得られたので、まあもう少し頑張ります。前職が2年続いたので今回はとりあえず5年を目標に頑張ります。曲がりなりにも公務員なのでそこまでブラックではないと信じたいですね。それでは。

※ご覧の通り3月はほぼずっと遊び回っていたのでろくにアニメを見れていません。なので冬アニメ総括は早くても5月あたりか、そもそもおれの気力が尽きてやらないか、のどちらかになります。まああんなクソ長いものを待っている人など皆無に等しいとは思いますがご了承下さい。それでは。

近況

転職決定しました。4月1日より新天地で社会の歯車になります。


R-1ぐらんぷり

サンドウィッチマンが優勝した時くらい、いやそれ以上の喜びだった。『人志松本の〇〇な話』で初めて見てから約7年、ずっと応援してきたハリウッドザコシショウがついに、その圧倒的なパワーで優勝を果たした。笑い過ぎて泣く、という体験はR-1を視聴していて初めてのことだったし、結果(優勝)が嬉しすぎて泣いたのも初めてだった。今までは「これだけ面白い芸人が売れないなら芸能界なんてクソだ」と思ってたけど、時代がハリウッドザコシショウに追い付いていないだけだった。そして今ようやく時代がハリウッドザコシショウに追い付いたのだ。


さて、M-1キングオブコントも分かりやすいネタが優勝みたいなつまらん流れだった中で、R-1はハリウッドザコシショウ優勝。この意味が分かりますか皆さん。「似てて面白い」というモノマネの時代は終わって、これからは「似てないから面白い」というモノマネの時代がやってくるんですよ。かつてコロッケが一斉を風靡した時のように。これを牽引するのがハリウッドザコシショウなんです。


たぶん、完璧なモノマネを披露する芸人のことを面白いと思う人はハリウッドザコシショウのことを面白いと思えないのだろう。しかし、そんな「モノマネが似てる=面白い」という図式に飽きた、いやそもそも「似ているから何なんだ、本人呼べばいいだろ馬鹿かよ」と思っている人間にとってハリウッドザコシショウは既存の概念やルールをぶち破るお笑い界の救世主なのだ。「モノマネ」って言ってるのに1ミリたりとも似ていない、そもそも何を言っているのかすらわからない、というネタ。こんな異常なものを「芸」として成立させてしまう圧倒的なパワー、スキル、そして天性の才能。ネタもトークスキルも学生レベルの芸人が蔓延する今の時代だからこそ、ハリウッドザコシショウのような本物の芸人が必要だ。


細かな部分の共感による笑いとか稚拙さを逆手に取った笑いとか、そういうのはもういいんですよ。それは中川家出川哲朗といった歴戦の強者がとっくに通ってきた道で、芸歴5年10年程度の芸人がそれをやったところで彼らに敵うわけがないんです。ハリウッドザコシショウの笑いは明らかに新しい。源流は前述したようにコロッケの「デフォルメしすぎたモノマネ」なんだろうけど、その原型すらもはや残っていない。「ヤバいサラリーマン」なんてその典型だ。まずおれたちはそんなサラリーマンを見たことがない。見たことがないのに「ああヤバいな」と思ってしまう。説得力が桁違い。何ひとつリアルさがないのに、おれたちはそれらをリアルなものとして受け取り、納得し、笑わされてしまう。リアルじゃないものをリアルに見せられる、これだけで本来は飯を食っていける素晴らしい才能なのだ。それはお笑いに限らず、フィクションの代表選手である映画やドラマやアニメや小説だってそうだ。


あんまりグダグダ言っても仕方ないので、とにかく全人類はハリウッドザコシショウのネタを一度は見るべきだ。そして本物の「芸」を感じろ。


最近の本

『有頂天家族 二代目の帰朝』を読んだ。前作よりパワーダウンしてる感はあるけど、まあ三部作のうちの二作目(つなぎ)なので仕方ない。それよりその翌日に読んだ原田マハの『翔ぶ少女』が良かったのでいよいよ『ロマンシェ』読むしかねえなという気持ちが高まってる(まだ読んでいない)。


しかし何だかんだで森見登美彦作品で一番好きなのは『ペンギン・ハイウェイ』なので、有頂天家族の最終作はこれを超えるものになることを願っている。


最近のアニメ

魔法つかいプリキュアの使う魔法、ほぼ全部物理攻撃だった。


最近の音楽

珍しく2月に傑作が出てこなかった。3月も低調気味。今のところ今年は不作っぽいのだけど春のfhanaに期待するしかない(大名曲「ホシノカケラ」がようやく収録されるとのこと)。あとLACCO TOWERのメジャー2枚目のアルバムとか、ボタニカルハウスから出る菅谷協太の新作とか早見沙織デビュー盤とか(1st,2ndシングルともにカップリング曲のほうが最高という珍現象が起こっているので逆に期待)、あと何と言っても今年ついにアニメタイアップ(『うしおととら』ED)を獲得してようやく陽の目を浴びることとなったLUNKHEADのシングルが一番楽しみですね。ラッコもランクもそのうちアニメタイアップされる、と言っていたおれの主張が正しかったことが2016年になって漸く証明された。


海外も同様にいまいちピンとくるものが出てこない。いや良いのはあるんだけど、去年のナタリー・プラスや一昨年のリアル・エステイトに比べればまだ全然足りない。今後リリースされるもので期待できるのはVampire WeekendとかWeezerの新作か。まあ現状は様子見です。


・・・


それより何より「フリースタイルダンジョン」ですよ。これがもう死ぬほど面白い。正直アニメ見るよりフリースタイルダンジョン見るほうが楽しいです。2016年の今、これを見ないようでは社会でやっていけません。


しかしつい3ヶ月ほど前に「ヒップホップの良さがいまいち分からん」と言っていたおれが今や日本語ラップにどっぷりハマっているの、自分でも笑えてくる。フリースタイルダンジョンに出場したチャレンジャーやモンスターたちの作品を買いまくって聴き漁るという日々を過ごしているのだけど、やっぱ録音物というものはどうしても緊張感とか伝わりにくいし、おれはそもそも即興性の高いラップに惹かれたフシがあるので、まだ完全にはハマれていないという感じだ。録音物の魅力が分かるように日々邁進しています。ちなみに英語の書き取り読み取りは人並み以上に出来る(はず)けど、話す/聞くということがほとんど出来ないので未だに海外のヒップホップ作品は苦手(ただNasの「No Introduction」はめっちゃ名曲)です。


フリースタイルダンジョンはもちろんチャレンジャーとモンスターの熱いフリースタイルバトルがすげえ面白いのだけど、最初は探り探りだったモンスターたちが徐々に打ち解けていく様子とか、ゲストライブとか、般若のしょうもない小芝居とか、モンスターたちの日常紹介VTRなんかも見ていて面白い。とにかくまるごと面白い最高のコンテンツなのです。もう一度言いますがこれを2016年の今見ないようでは社会ではやっていけません。とりあえずDOTAMA VS ACE、焚巻 VS 般若、CHICO CARLITO VS R指定 あたりがベストバウトなので見てみましょう。公式Youtubeアカウントで全話配信されています。





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さて、3月はなぜか楽しい予定が頭からケツまでぎっちり詰まってるのでこれが最後の青春だと思って駆け抜けます。今までありがとうございました。それでは。