BEST TRACKS OF 2017
2017年は自分史上最悪の年であった。やることなすこと全てが上手くいかないのはもちろん、家族の病気の発覚や親族の手術ミス、付き合いの長い人や尊敬する人たちや恋人との別れ、仕事での上層部との度重なる衝突と軋轢…書いていても楽しいことが一切思い出せない、そんな日々の繰り返しだった(後厄だからか?)
早く2017年終わってくれ…という気持ちを抱いて挑んだ年末は23時に睡魔に襲われ、目が覚めたら朝の10時だった。おれの2017年はおれが認識しないうちに終わっていた。
そんな2017年はあまり音楽が聴けなかった。現実世界が本気でつらすぎると本も音楽も楽しめないということがよく分かった1年だった。死にたい死にたいと譫言のように毎日呟いていたら、職場でも無意識に呟いていたらしく、同僚に本気で心配される一面もあったが、仕事もおれの精神を蝕んでいる要因の1つなので、とにかく不労所得で生活したいという気持ちを述べて有給を小刻みに取って日々早帰りなどしていた。
以上のような精神状況の中で選んだ2017年ベストです。まずは曲から。
続きを読むBest Albums Of 2016
ようやく2016年を締める時が来た。今年は評論家がこぞって大豊作収穫祭だと息巻いているが、個人的にはそんな感じではなかった。少なくとも年間1位クラスの作品が15枚近く現れた怪物の時代こと2009年には遠く及ばない。が、年々、労働で擦り減らした肉体と精神にスーッと聴いてくる耳当たりの良い音楽にハマっていくようになり、ああこれが歳を重ねるということなのだと実感している。
しかしこの歳になって新たなジャンル、すなわちヒップホップの分野を開拓できたのは大きかった。おれは歌詞をほとんど聴かない派だったのだけど、日本語ヒップホップを聴くようになって圧倒的に歌詞を意識することが多くなった。ちなみに海外の曲の歌詞は基本的に音の一種として処理しているのでおれは未だに海外のヒップホップを好きになれない(Nasだけは超好き)。
それでも日本語ヒップホップと他の曲とではまだ自分の中での聴き方が違うので、今回はヒップホップだけ別枠で順位をつける(国内ヒップホップ、海外、国内の3つに分ける)ことにした。東京生まれヒップホップ育ちのB-BOYになりたいだけの人生だった。
続きを読むBest Tracks Of 2016
やっていきます。
遅くなりました。いつものあれです。我々は考える葦なので常に考えていきましょう。
しかし年べスを考えながら音楽を聴いていると全く楽しくないのでいつも無心を保っているのだけど、そうすると今度は年末の作業がクソだるいので、結局その日によって変動するようなふにゃふにゃのリストと相成りました。
2016年
金と引き換えに健康を捨てた1年でした。体重10キロ近く減って本気で周囲に心配されるという感じでしたが正月で取り戻したいと思います。
年間ベストアルバムやベストトラックをやる力が残っていなかったので来年の1月中にやろうと思います。アニメはちょっと見れない時期に差し掛かってしまったんだけど、来年から徐々に見ていこうという感じです。
おれが覚えている限りでは2004年夏〜秋、2009年冬〜春あたりもアニメ見れなかった時期で、大体アニメを見れない時期というのは精神よりも肉体の負荷がでかい時だったりする。今年の夏〜秋も例外ではなかった。いや実際アニメ見てたのは今年の5月くらいまでだったか。
ではおれは今年何によって命を繋いでいたかというと、まあ言うまでもなくヒップホップ(フリースタイルバトル)とハリウッドザコシショウである。人生で一番ヒップホップの音源を購入して聴きまくった。ついにヒップホップの扉が開いてしまったのである。あと口迫歌合戦最高でした。ハリウッドザコシショウは言わずもがな。そんな感じです。
今年もいろいろありましたが、来年もよろしくお願いします。
この世界の片隅に
本当は先々週に鑑賞した『君の名は。』『きんいろモザイク』について書こうと思っていたのだけど、今日観た『この世界の片隅に』が凄まじ過ぎてあらゆる記憶が吹っ飛んでしまった。間違いなくおれが人生で観た映画のベスト3に入る。
内容について話そうと思えばいくらでも話せるし、やろうと思えば政治的なキナ臭い話題に持ち込めるのだけど、この映画に関してはそういったあらゆることが野暮に感じられてしまう。おれが下手なことを長々と書くより1回観た方が早い。
戦争を扱った作品ではあるのだけど、核は恐らくそこじゃない。人間の生き方とか有り様とか、もっと根源的なテーマがあって、戦争がそれを浮き彫りにしている、という形だ。しかしとにかく「戦時下における人々の暮らし」を丁寧に、切実に、淡々と、美化も説教臭さもなく描いているのでどうしても気持ちがそっちに持っていかれてしまう。事実、原作者も監督も空襲警報の日時や港に停泊している戦艦の種類などよく調べたなと感心してしまうレベルで事細かな描写をしている。
加えてこれは1億回くらい言いたいんですが、北條すずを演じている能年玲奈ことのんの演技がそれはもう素晴らしいわけで(エンドロールを見て「のん」に改名して正解でしょ…と見事に納得してしまった)、のんが今後声優の仕事してたら全部チェックしようと思ってしまいました。近年ほとんど見られない「『演技』を感じさせない100%自然体の演技」を恐らく素でやっている、紛れもない天性の役者です。『あまちゃん』見てなかったけど見ます。
のんの素晴らしい演技によって北條すずの生き生きとした姿が余す事なくスクリーンの向こうの我々に伝わってきて、単純な自分は「北條すずさんが生きているんだからおれも文句を言わず労働しよう…」と思ってしまうのであります。どなたかが「この映画を見た後は北條すずさんが自分の心の中でアドバイスをくれるようになった」という趣旨の絵を描いていて (なんだそれは…)と思ったものですが、いざ自分も映画を観てみると、上映終了後から今に至るまで北條すずさんが完全に心の中に入り込んでおり、家で飯を作るとき、脳内で北條すずさんが調理手順を読み上げてくれます。これで毎日の家事が苦ではなくなりました。北條すずさんと味噌汁を作りたいだけの人生だった…人生とは……
それはともかく、観る前と観た後で人生観とか価値観が揺り動かされる作品というのはほんの少数ながら確かに存在していて、『この世界の片隅に』は間違いなくそんな作品だ。生きている場所がどこであれ、地球規模で見ればそれは世界の片隅であるわけだが、自分が今生きている片隅はどれだけ恵まれた環境なのかと考えを巡らせるだけで、もう昨日の自分とは違うのである。おれが悩んでいた現実の諸問題やそれに付随する怒り嘆きも、北條すずが生きていた現実に比べれば簡単に解決できるものなのかもしれない。簡単な言葉で表現することが憚られる作品ではあるが、今いくつもの悩みを抱えていたり精神を磨耗していたり死にたいと思ってロープを探しているような人は少なくともこの映画を観たほうがよい。「勇気」とか「気力」とかそういうマイナスイオン並みに存在しているのか怪しいものが確かに得られます。ただしパンフレットはほとんどの劇場で売り切れているのでもう得られません。原作もサントラも絵コンテ集もガイドブックもユリイカも全部買ったのにパンフレットが手に入らないのつらすぎる…助けてくれ北條すずさん……
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ユリイカ 2016年11月号 特集=こうの史代 ―『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』『ぼおるぺん古事記』から『日の鳥』へ
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2016年上半期ベストトラック
8月になる前にやっておきたかったけどできませんでした。前年に比べて今年は聴いている量が圧倒的に少ないのだけど、今年は量より質を追求した結果、去年より良い曲との出会いが増えたような気がしないでもない。が、やっぱり色々なものを聴かないと「おれが聴いていないだけで1位よりすげえ音楽が眠っているのでは...」という不安に襲われるので、ここはもう労働日数を減らしてもらうしかない。祝日を増やすとか焼け石に水だし、そもそも週5日労働したことで蓄積した疲労がたった2日の休みで回復するわけがないので、やはり週3日労働からの4日休みが理想的だ。革命を起こすしかない。
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