輪るピングドラム 21話

たった一話で全てをひっくり返すなんて汚いよイクニ。親父生きてたーとか冠葉の演技力すげええとか言っちゃったじゃないか。

剣山は既に死んでいて(母親は不明)ピングフォースのトップはサネトシ。したがって16年前にテロを起こした首謀者となる。実行犯はもちろん高倉剣山。そしてそれを阻止したのは予想通り桃香。サネトシは幽霊として蘇り今はKIGAの会のトップになったっぽい。多蕗との一件で、冠葉が両親の居場所を知らない、ってのは嘘でもあったけど本当でもあったんだな。まさか死んでるとは思わなかった。

ペンギン帽子を被ることは冠葉の命を陽鞠に分け与えるということだったんだなー。もう分け与えられなくなった、とプリクリが宣告した後にサネトシの薬で延命していたと。ということはプリクリが欲していたピングドラムには陽毬の命を救う効力があると考えてもよさそうだ。

夏目の親に見捨てられた冠葉が拾ってくれた高倉家の両親を慕うのは当然の帰結で、そこから両親を憎む晶馬との対立という構図が一層鮮明になる。そして先週のりんごすりつぶしは苹果ちゃんではなく、3つのりんごすりつぶし=兄弟崩壊 だった。さすがにそれは予想できなかった…

あとペンギン一号の頬の絆創膏が冠葉と陽鞠の出会いの伏線だったのは普通わからん。芸が細か過ぎる。で、マフラーを返す、という行為がもうMで繋がれていた晶馬と陽鞠の絆をほどくことになってて終わりを暗示させる。1話での部屋と今回での部屋を見比べてみると、部屋の明るさだったり物が無くなってたりと細かな変化が。

冠葉はついに記者(ペンギンの腕時計をしていることから、実際は記者を装ったピングループの一味だったと思われる)を殺してしまった時点でもう皆でハッピーエンドというシナリオは望めなくなった。でもせめて冠葉には死なないでほしい。そのための陽毬だろ、と信じておく。陽毬はおじさんの元へ向かったのに組織の元にいるってことはおじさんも組織の一員だったのか。

最後のCパートで、夏目の親父が死んで火葬されるシーンまではモノトーン調だったのが、陽鞠が冠葉に絆創膏貼ったときに色付いていく演出がとても良かった。これぞアニメーションの真髄。今まで奇を衒った演出ばっかで濃い味付けに慣れてしまった段階でこういう直球のことしてくるとまた味わいも変わってくる。

やっぱキーは苹果が秘めていると思われる桃香の運命改変能力か。晶馬が危機にさらされた時に発動しそう。んで晶馬の危機のトリガーが恐らく冠葉の行動なので、そうなるともう考えうる一番幸せな終わり方としては、苹果ちゃんが覚醒して運命改変でみんな別の世界線へ――ということに。しかしさんざん救済措置を残しておきながらそれを蹴り続けてきた作品なんで誰かが犠牲になるエンドも覚悟しておかないといけないかもしれん。

追記:
「1話で冠葉が言った「晶馬頑張ったな!」って台詞、過去の台風の日に病院で剣山から言われたのをそのまま使ってるんだよ」ってタレコミもらった。そんなんわかるか。