Another 1話

はい来た。掴みも本編も完璧。久々に本格ホラーミステリーアニメが観れそうだ。アバンの語り(内容説明)からもうセンスとホラー漂う演出、アリプロのOPへの繋ぎも上手いしもう開始3分で満足してしまったんだが、もちろんこの後の本編も面白い。小道具や建物の細部に至るまでの描写の質感のリアルさが、今までのP.A.WORKSのそれとは若干趣が変わってて(今までのPAは「淡さ」を重視して軟質的イメージなんだが、この作品では「冷たさ」を随所に感じる硬質的イメージ)、新鮮さとともに兼ねてからの実力を感じさせる。

Aパートでお見舞いにきたキャラたちの声の冷たさを含んだ平坦さで、今後の展開への恐怖心を煽り、エスカレーターで唐突に鳴と出会うもそこでのアクションは特になくAパートを終える。ここまでの溜めがBパートに持ち越されるのはお預けを喰らったようで中々ニクいなーと思ったのも束の間、その後の教室の異様な空気に呑まれてしまう。しかし自己紹介後にキャラクタが普通に話し掛けてきてその落差に若干肩透かしを喰らった感。しかしそこでも視聴者に赤沢の休みに不穏な空気を察知させ、同時にクラス内での奇妙な連帯感を見せる。

人形のカットを差し挟む意図は今のところわからないんだけど、ただ単にホラー的演出なんだろうか。それとも地下二階に鳴が持って行った人形に関係してるのだろうか。

美咲鳴の名前を出した時点からの空気の転換がゾクゾクさせる切り替え方で、鳴が繰り返した「そのうちわかってくるから」がキーポイントとなる。「そのうち」はどのくらいの長さかを悟られず、かつ今後の闇を明示する単語としては絶妙な選択だよな。このアニメは言葉選びも上手い。

まあ最初に言ったとおりこの手の作品の掴みとしては完璧(世界観提示、状況説明、今後の展開への恐怖感、主要キャラクタの紹介)だったんで今期の1話目の中ではトップクラス。