偽物語 1話

予想を超える出来だった。化物語の長所はそのままに、短所にもなり得る紙芝居的演出を削らず増長させることでますます世界観を広めるのではなく深めにかかっている。これぞ多くの人間が待っていたアニメ化物語シリーズ。1話目にして化物語前半に出てきたキャラクタを過不足なく登場させたうえで妹であり偽物語の主要人物である月火との会話を増やしている。構成としても非の打ち所が無い掴みでやはり今期最高峰作品であったことを染み染みと思い知らされた。

キャラ別OPも化物語のエフェクトを汲みつつ更に異空間的に発展させてて、シンプルながら面白味に尽きない。ガハラさんの曲は化物語の方が第一印象としては良かったんだが。

八九寺は相変わらず庇護欲とはまた違った感情を掻き立てられる蠱惑的キャラクタで素晴らしいですね。それでいて、主要五人の中で恋愛感情などをほとんど介入させずにあららぎさんの話をしっかり聞いてあげる唯一のキャラクタとしての役割もきっちり果たしている(ここでの八九寺の助言は最終回まで効いてくる)。あららぎさんのセクハラに多少なりとも共感の余地を差し挟めることについては言い訳のしようが無いだろう。「かみまみた」はもはや神託。ちなみに「不死の鳥」はもちろん伏線。

帰り道ピアノバージョンは予想外に哀愁漂っててよかったなあ。通常バージョンでもピアノバージョンでも「帰り道」というタイトルがハマってるのはすごい。楽しくもあり、寂しくもある帰り道。