人類は衰退しました 1話

絵本のような作画と突き抜けるOPのロックナンバーのミスマッチ感を味わいつつ、童謡とはまた違った西洋的ファンタジーを感じさせる世界の中に毒を混ぜたようなストーリーに心を持っていかれる。世界観提示と今後の展望、キャラ設定や魅力・アクセントとなるワンポイントといった第一話に必要とされる要素をほぼ全部揃えていて素直に面白いと言える内容だった。ちなみにワンポイントとは言うまでもなく「妖精」の存在。特に説明もないまま「妖精」が妖精としてそのまま受け入れられてる世界観はこの作画だからこそ説得力がある。


あとこういうファンタジー的世界の作品で「食事」に重点を置いてるものって最近あんまり見なかったので、ここら辺は架空の世界の現実性をしっかり補強してるという意味で安心感のある構成。田中ロミオらしい、幻想の中にある地に足ついた現実感というか。


基本的に中原麻衣演じる「わたし」が語り部となって進んでいくのだけど、この「わたし」が純粋な女の子、というわけではなく女性主人公には珍しい毒を持った(シニカルな)現実主義的キャラクタなのがこのファンタジー世界においては皮肉めいてて面白い。


最後にパンが裂けて血が飛び散る演出はこの世界の枠内の出来事であるためか全くグロくなかった。これは監督である岸とか脚本の上江洲あたりのセンスも絡んでる気がするな。