ゆるゆり♪♪ 1話

再び動くごらく部の面々を見れただけで本来なら満足すべきところなんだろうけど、1話目にしてゆるゆりの悪い癖というか、オリジナルで盛大にずっこけるという所業をやらかしたのでそこについては見逃すわけにはいかない。ゆるゆりに対する愛の鞭である。


とは言えダメだったのはAパートだけで、Bパートは掛け値なしにとても面白く仕上がっていた。Aパートがダメだったのは「これはあかりの夢オチである」と見た人間の誰もが思うであろうネタを延々と続けているところにある。オチのわかっている話を長々とやるにはその過程のネタが相当面白くなければいけない。でなければすぐに飽きてしまう。残念ながらこのAパートは「あかりが皆から好かれている」という「もしもネタ」の枠内から抜け出せなかったためそんな面白くはなかった。凝縮して2,3分のネタにしてれば楽しめたかもしれないんだけど。


で、そんなAパートとはうって変わってBパートは物凄く良い出来だった。ごらく部の活動を下敷きにした上での旅行。ピンポン球が何度もあかりの顔にぶつかったりちなつの髪の毛の中に飲み込まれていくネタは繰り返すことにより笑いの精度が高まっていたし、あかりの空気化も程良い具合(4人並んで風呂入ってるのに明らかに意図してあかりだけを映さないのは吹いた)。劇中劇にあたる『ミラクルん』のネタもブラックユーモアを取り込んでてゆるゆり本編とはまた違った笑いの要素があり、Bパートは全体的に見ても「笑わせる」ことに特化したネタが多かった。ゆるゆりは基本的に百合ネタよりも笑わせるネタの方がレベルが高い。


Bパート後半ではちなつが京子を気遣ったりするような、1期では見られなかったキャラの動きがあって、キャラクタとネタの両方を重視するゆるゆりらしい構成だった。1話目(Bパート)でこの出来なら2話目以降も平常運転でいけそう。