読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2012年邦楽ベスト

音楽

こっちは邦楽。邦楽は選出が比較的楽だった。上位5位までがもう完全に不動だったので、あとはもう流れるように20位までスパっと決められました。邦楽で残念だったのはアジカン10-FEETバックホーンといったいわゆるロキノン勢が震災を意識し過ぎて空回りしていたこと。七尾旅人はあんま好きじゃないんだけどそれでも彼のほうが上手かったかな。ちなみに震災を一番うまく作品に昇華できていたのがくるり。まあ個人的にメッセージ性の強い作品は苦手なので選外なんだけど(でも名盤だった)。


上位3つの椅子にはいつものアーティストが集合しており完全に例年通りという感じなんですが、邦楽界隈においてこの3組がずば抜けて素晴らしい作品を毎回提供してくれるので仕方ないですね。1位と2位は正直かなり悩んだけど振り返ってみればこの順番で間違ってないなという感じです。


20.Dirty Old Men『doors』

メンバーチェンジにより物凄く骨太になった。今までは幻想的なスローテンポの曲の完成度は高かったものの、アップテンポな曲になるとあんまり長所を発揮できていなかったんだけど、今回の「doors」や「スターチス」ではいかんなく持ち味を出しつくせている。特に「スターチス」は名曲で、物語を意識した歌詞を書く高津戸がこんなストレートなラブソングを書いてきたということに半ば感動している。


19.Nothing's Carved In Stone『Silver Sun』

メジャーデビューしたことが影響しているのか、各曲にキレが出てきた。今まではテクニックが先行してて良くも悪くもクセや引っ掛かりのないアルバムだったんだけど、今回は「メロディ」も重視してきていて1つ1つの曲に味が出てきた。オープナー「Spirit Inspiration」は現時点での彼らの最高作。


18.スフィア『Third Planet』

とにかくオープナーの「Planet Freedom」が素晴らしい。間違いなく今後スフィアの代表曲になるポテンシャルがあって、今までは「Moon Signal」が一番好きだったんだけどこれが一番好きになった。食わず嫌いしてる人もいると思うんだけどこの曲だけでも聴いてもらいたい。普通のポップソングとして非常にレベルが高く、この曲に引っ張られるように他の収録曲も流れるように聴ける。アニソンではなくJ-POPとして完成度の高いアルバム。


17.OGRE YOU ASSHOLE『100年後』

OGRE YOU ASSHOLEはもう「これ洋楽だよ」と知らない人に勧めても疑われないくらいの音作り。前作『homely』の延長上にある100年後を想定して作られたような虚無感のある独特な曲達が並んでいて、サビらしいサビは相変わらず無いものの何故か惹き込まれてしまう魅力がある。ゆらゆら帝国に通じるようなセンスを感じる良作。


16.Asriel『XANADU

やっと本気出してきたという感じで個人的には超名盤『Unveil』に次ぐアルバムだと思っている。アルバムとしての統一感はあるものの、1曲1曲が似た方角を向いているのでヘビロテに耐えうる力があるかどうかという点を考慮してこの位置になった。


15.奥華子『good-bye』

奥華子はもう名曲しか作れないという大御所並みの雰囲気を醸し出している。村下孝蔵亡き今、J-POPの未来はもう奥華子の手に握られていると言っていいと思っていて、アルバムリード曲の「シンデレラ」なんかはまさにJ-POPの良い所が沢山詰まった名曲に仕上がっている。ただアルバム全体としてはややパンチが足りないという印象。


14.キリンジ『SUPER VIEW』

正直ど頭3曲が死ぬほど良い曲でここを延々リピートしていたいという欲求がある。しかし全体通してみても今までのキリンジのおいしいところ全部集めましたという感じで、初めてキリンジに触れる人にも勧められる間口の広いアルバムになっている。

13.the ARROWSDEADMAN GOES』

the ARROWSの新作は素晴らしかった。3年半のブランクも納得できる。アルバムに一貫した物語があるので、ポエトリーディングのような楽曲もすんなりと聴ける。ラストの「ゼロ」はアルバム通して聴くともう感動がすごい。何よりこんなアルバムがほとんど完全に自主制作だというのがすごい。人間の可能性は無限大である。


12.清竜人『MUSIC』

清竜人は人格変わったんじゃねえのというくらい変わってしまい、今までの音楽はもはや原型を留めていない。精神異常を疑うレベルなんだけど、正直言っておれはこの突然変異がツボに入ってしまった。ミュージカルのような世界の曲に堀江由衣を投入するあたり完全に狙っている。


11.喜多村英梨『Re;Story』

キタエリ名義での初のフルアルバムは趣味全開という感じで面白かった。こういう記名性の強いアルバムは好物です。オープナー「Re;Story」はシンフォニック(ゴシック)メタルのフィールドでも充分闘える名曲。ただキタエリ名義の曲の中でも最高峰の完成度を誇る「雪華」が収録されていないのが悲しかった。


10.Ceui『Labyrinthus』

大名曲「センティフォリア」を筆頭に「Last Inferno」「Truth Of My Destiny」などの名曲がアルバムの流れに沿って配置されていて、サンホラ的な雰囲気を感じた。澄んだ声とは裏腹にダークな曲が多いのも印象的。


9.Fear, and Loathing in Las Vegas『All That We Have Now』

Fear以下略は正直期待を遥かに超える出来だった。全曲完成度が高い。「Crossover」で新たな可能性も示せたし、まさしく持てる力を全て出し尽くした渾身のフルアルバム。


8.アシガルユース『妄想YES』

全部が純度の高いポップソングなんだけどあと1〜2曲は欲しかった。全9曲はやっぱり食い足りなさが残る。耳にこびり付くタイプじゃなく、流れるように聴ける曲ばかりなので余計にその曲数の足りなさが目立った。


7.Ao『蒼と群青』

満を持してのファーストフルアルバム(Aoに改名後の)。「罪と罰」「絶対0度」といったキラーチューンの配置場所が上手かった。スローテンポな曲も完成度が高く、3年待った甲斐があったという感じです。


6.Choucho『flyleaf』

既存シングル曲からの収録が多くてシングル全部持ってる人にはつらかったかもしれないけどアルバム専門の人にはもうベスト的な内容で嬉しいボリュームだった。「Authentic symphony」はやはり名曲。


5.LACCO TOWER『心枯論』

今までのキャリアの集大成という感じの隙のないアルバム。このバンドが売れない理由がさっぱりわからない。なにかきっかけさえあれば爆発的に売れると思う。


4.小高芳太朗『眠る前』

LUNKHEADではないところで音を鳴らしている。明確にソロ作品としてリリースする意味が見出だせる、ソロアルバムのお手本のような作品。今のLUNKHEADが鋭利な音を鳴らしているのに対してこのアルバムは非常に柔らかい。「眠る前」と「世界が終わる朝に」はこのアルバムの核になっている名曲たち。


3.水樹奈々『ROCKBOUND NEIGHBORS』

久しぶりの新作も全曲シングルレベルで完成度高かったんだけど、9割がハイテンポな楽曲なのでアルバム通して聴くのがとてつもなくしんどい。半分くらいで胃もたれしてしまう。前作の「夏恋模様」や「アルビレオ」みたいな曲がもっとほしかった。ただそれでもやっぱり完成度は高い。


2.LUNKHEAD『青に染まる白』

全曲代表曲レベルの、非常に密度の濃いアルバムを出してきたんだけどUNCHAINの作品と比べるとわずかにアルバムトータルでの完成度が及ばなかった。それでも名盤には変わりなく、個人的にはもう同率1位くらいの感覚です。「濃藍」から「十六夜の月の道」への流れは鳥肌。一番好きなのは「潮騒」だったりします(ベースが素晴らしい)。


1.UNCHAIN『Eat The Moon』

ライブでアコースティックバージョンの「暁のコドウ」と「愛の未来」を聴いてその素晴らしさを再確認した。原曲からしてもう神掛かり的クオリティで、そんな全曲がバンドの代表曲と言えるレベルの楽曲をアルバムに落としこみひとつの物語(アトラクション)として昇華していてとにかく完成度が尋常じゃない。こんなもの突き出されたらそりゃもう「歴史的名作」以外の答えが出ないわけで。いつどんな精神状態でも聴けるし、アルバム通して聴くのも1曲取り出して聴くことも出来るまさにオールラウンドなアルバム。




というわけで今年はUNCHAINの『Eat The Moon』が1位。前作があまり振るわなかったことを忘れてしまうくらいに圧倒的な完成度を誇る。LUNKHEADの『青に染まる白』も邦楽最高峰の出来を誇る『V0X』に次ぐ完成度で、フルアルバムとしてはLUNKHEAD史上最高の出来で、1位との差は本当に僅かだった。

広告を非表示にする