まおゆう魔王勇者 1話「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」

  • 狼と香辛料3期かと思ったらおっぱいアニメだった。設定が一応練られてるわりに大枠はよくあるラブコメみたいな体裁をとってるので、一見するとけっこう胃もたれするような内容なんだけど、二回見ると「人間と魔族の争い」が政治やら経済やら色んな部分に波及・影響しているのがわかってくる。まあ視聴者の目を意図的に核心から逸らすために胸揺れを多用してるので、一回目はもう完全に煩悩に身を任せればいいんじゃないでしょうか男子諸君。
  • 小清水演じる魔王が飄々としていて福山演じる勇者が一人で空回りしてるような序盤の熱量の格差から、その天秤が釣り合うラストまでの展開がスムーズなので物語としては飲み込みやすい。ほとんど魔王と勇者の会話劇なんだけど風景がテンポよく切り替わっていくので飽きることもない。ファンタジーの世界だからこそこの風景の切り替えが通用していて、設定はしっかり生かしてるんだなーという印象。
  • 人間側の正義を盲信する勇者を魔王が諭す、というよりは真実を提示してるだけのように感じる。RPGのような空想世界の中に戦争の仕組みみたいな現実的要素を脱臭した上で組み込んでいるため全体的にフィクションとしてのアニメを保っていられる。正直なところかなり良く出来た作品だと思います。
  • 原作というか原点を知らないので比較して言及することはできないんだけど、アニメ単体としては上述のようにかなり良く出来ている。政治経済的な堅苦しさを消すためにラブコメ要素を取り入れるあたりに賢さを感じるし、冗談じゃなく狼と香辛料のようなタイプのアニメに成長していく可能性は充分にある。1話としては起承転結もあって申し分ない出来。