聴いたアルバムのメモは音楽メーターに書いてたんですがなぜかログイン不能になってしまったのでこっちに書いておきます。音楽メーターが復活したら消します。
- Foxygen『We Are the 21st Century Ambassadors of Peace and Magic』
We Are the 21st Century Ambassadors of Peace & Mag
- アーティスト: Foxygen
- 出版社/メーカー: Jagjaguwar
- 発売日: 2013/01/22
- メディア: CD
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久し振りにPitchforkと意見が合いました。というかあっちより評価高い。
サイケロックという触れ込みで宣伝されていたんだけど蓋を開けたらどちらかというとフォーキーでカントリーロックと言われる類の音に近かったです。ギターの音色とかはカントリーっぽいんだけど鍵盤楽器を上手く使ってサイケっぽく仕上げている。#3「On Blue Mountain」あたりが顕著。ただTame Imparaみたいにどっぷりキーボードの音を使ってるわけではなく音の合間合間に挟んでくるような使い方だったり、あるいはギターベースの音の上に薄く重ねたような使い方をしてるので、近頃のドリームポップ勢が気に入ってる人はあんまりハマらないかもしれないけど、マムフォードあたりの音が好きな人ならまあいけるだろうという感じです。
曲進行が面白くて、いわゆる普通のポップスなんかとは違ってまさしく起承転結そのまんま当てはめたという具合で、そうした構成で4〜5分の尺の曲が9つ並んでおり、曲達にも統一感があるのでアルバム通して聴くのがさほど苦にならないというのは個人的にポイント高いです。詰め込みすぎ、または少な過ぎと感じてしまった時にアルバムの価値というものは半減してしまうので。
1stのタイトルが好戦的だったのでだんだんポストロック路線に進むのかなと思ってたら今回の2ndが1年という短いスパンでリリースされ、中身はポップスに通じる親しみやすさを持っていながらタイトルは相変わらずクソ長いという天邪鬼ぶり、けれども音自体はとてもシンプルで生真面目さを感じるんで、この2人組は最終的にガールズっぽくなるのかなーとも思います。クリストファーが脱退して空中分解しそうなガールズの後釜に収まれるかどうか。
- Ra Ra Riot『Beta Love』
- アーティスト: Ra Ra Riot
- 出版社/メーカー: Barsuk
- 発売日: 2013/03/21
- メディア: CD
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前作から約2年半ぶりのリリースとなる今作ですが問題点が多くて結構きつかったです。
まず今作リリースの前にチェリストのアレクサンドラ・ローンが脱退した影響がもろに現れています。前作では抑えるところは抑えて、激しくするところは激しく、音を的確かつ理論的にコントロールして曲を作っていた印象があったんだけども、今回は激しくするとことまで音が絞られている感じがした。良くいえば「風通しが良くなった」とか「こじんまりした」という評価になるんだろうけどこれは「音がスカスカ」という印象のほうが強い。特に前作から聴いている場合はそれを如実に感じるかと思います。
もともと最近の潮流であるインディ・ロックの文法にストリングスを織り込んだバンドで、音の厚みや不穏な空気を漂わせる演奏の中にウェスリー・マイルズの曇りないハイトーンボイスが乗っかる、その落差が癖になるような作品を立て続けに生み出してきたという過去の積み重ねがあったんですが、今作はそんな過去を振り切るかのような陽性ポップスの集合体で、メンバーチェンジにより方向転換を図ったということなんだろうけれど、これはブロック・パーティーとはまた違ったベクトルで方向転換に失敗している結果になっています。ブロック・パーティーは4年というブランクとハードロック的アプローチをかませるほどの下地が整ってなかったことによる失敗だと個人的に考えているんですが、ラ・ラ・ライオットは着地点を予測せずに思いっきり砲丸を投げたら場外に飛んでいった、みたいなイメージです。
まあ今は過渡期だと考えればそこまで酷評するほどではないんですが、デニス・へリングがプロデューサーについていたならもう少し上手くやれたんじゃないかなーという気もします。