PSYCHO-PASS #20 「正義の在処」

  • 洞察力・推理力が卓越している狡噛はともかく、朱はどうやってシビュラシステムの正体を知るのだろう、やっぱり槇島からなのかなーと思ってたら普通にシビュラシステムそのものに内容全部バラされててえっそんなんでいいのって思ったけど残りの尺を考えたらこれしかないよな。
  • シビュラシステムの必要性の有無を朱に問うことによって結果的に朱は視聴者に最も近いキャラクタであるという立ち位置を失ってしまった。朱は結局シビュラシステムの真相を知ってもなおその必要性にノーとは答えられず、やはり管理社会の体制側に組み込まれた人間であるということをここで改めて再確認させられる。
  • 何もかもが運任せ、あるいは自力で未来を手繰り寄せるというシステム構築以前の社会と全ての未来が定められているシステム構築以後の社会の対比が今回でようやく表立ってなされた。この対比に加えて善と悪の対比も行われるわけだが、善と悪のそれは人によって価値観が違うという絶対的な答えを導き出せない問題提起である。
  • 後半の朱を狡噛と重ね合わせる描写や言動はやや過剰な気がする。短期間でここまで朱が成長したのは言うまでもなくシビュラシステムに触発されたことが大きい。狡噛がいないという状況下だからこそ逆説的に自身が狡噛の役割を担おうとしているようにも見える。それはシビュラの「今の捜査一課の体制は崩れてきている」という発言を受けたこと、狡噛に追い付こうとするために朱が意識的に行っていることであり、無意識なものならば看過できたところが意識的な行動ゆえに目に付くんだろう。