翠星のガルガンティア 02 「始まりの惑星」

  • 全13話という情報が事前に出ていたので「どのくらいその限られた時間内でキャラクタを立たせた上で、シナリオに無理の生じないようにロボの戦闘などを見せられるか」という難題をどう解決するかが重要な部分で、この2話目はその解決の道の指針となる話という位置付けを余儀無くされるわけだが、上手くシナリオの中にキャラ確立の要素を散りばめていて、そういう物語の根幹となる部分をしっかり序盤から固めているあたりはさすが虚淵脚本といったところ。やはり地力が強い。
  • レド(主人公)が地球(ヒロインたち)の言語を理解出来ない、というのはかなり面白い設定だと思った。普通だとそういう「互いの言語が通じない」という煩雑な部分は最初から使わないはずだ。だいたいの創作作品において異世界の人間同士が出会った場合「互いの言語を理解するところから始まる」というところはカットされ、互いの言語が通じる、あるいは共通言語を有しているという設定のもと物語がスタートする。しかしこのアニメでは「互いの言っていることが理解出来ない」というところから始まっていて、それがボーイミーツガールとしてはかなり異色。異色だが非常に現実的ではある。普通はむしろこういう状況に陥るのである。最初から言葉が通じているという昨今の創作作品の状況の方が出来すぎている。
  • 言語も違う異世界の人間を受け入れるためには強力なある種のショックを与えるイベントが必要で、このアニメにおいてはそれが海賊に襲われた地球人の船をレドが救うというイベントだった。物凄くベタな展開だけど今までがむしろ王道から外してくるような展開だっただけにここで直球を放り込むのは理に適っていると言えるだろう。単純なストーリーを演出と美麗な背景美術で魅せていてアニメーションとしての満足度も高い。