惡の華 第四回

  • まず一見して凄いと思ったのは佐伯さんの可愛さが原作のそれとは全く別のベクトルで作品に現れているということだ。漫画→実写→アニメという遠回しな方法でキャラクタが映像に現れているのに実際の人間っぽくない、創作上の人間としての個性を保ったままでアニメーションに現れているのでこれは現実なのかアニメなのか一瞬判別がつかなくなる時がある。仲村さんのダークな魅力はまだこれからとして、佐伯さんの表の顔の魅力は今回で充分に表せただろう。校門前で待ち合わせた時の佐伯さんの姿を見た時にこのアニメの方針が間違っていないと確信を持てた。
  • アニメ的だなーと思ったのは春日の顔が火照る描写とか、顔に関する部分くらい。それ以外は今までと同じように実写の原則に基づいた描写が多い。上手と下手を意識したり、トイレの個室など狭い場所におけるカメラワークとか。伊瀬ちゃんの叫びとか現実の人間の叫びを直接想起させる臨場感あって良かった。
  • 春日と佐伯さんが二人でいるところを目撃した仲村さんの笑顔が恐ろしいくらいの迫力を出していた。アニメ絵のまま映像化しても出せなかったであろう鳥肌が立つくらい不気味な人間の笑顔。仲村さんの実写演じてる人相当上手いと思うんだけどロトスコでアニメ絵にする際に多少表情とかいじってるのかな。
  • 春日を演じてる人の演技力も段々上がってきたし(まあ春日に関しては演技してないような演技という非常にハイレベルな能力を求められるのでその点新人起用というのは正しい選択だなと回を重ねるごとに思い知らされる)音響もどんどんレベル上がってきた。キャラの動きの微妙なぎこちなさはリミテッドアニメの手法を取ってるからまあ仕方ない。というかこの絵面でぬるぬる動いたらそれはそれで別の気持ち悪さが生まれる気がする。激しい動きを要する部分は前回の強制脱衣シーンのようにカメラワークを駆使すればいいので大した問題にはならない。