惡の華 第五回

  • 仲村さんが春日くんを尾行してるシーンや春日が佐伯さんに告白を了承されるシーンなどのアニメ寄りのコミカルな演出と、仲村さんが春日に水を浴びせる反復演出を除けば概ね原作の趣旨と内容に沿ったものに仕上がっていたと思う。
  • 今回で改めて「町」という閉鎖的なコミュニティのようなものが前提にあるから成立する話だと気付かされた。都会にいたら春日のような「本を読んで『わかった気になっている』ように考えて斜に構える」人格が形成される可能性は低いし、佐伯さんが古本屋に入った瞬間に「この町にこんなところがあったんだ…」という台詞は出てこない。変わり映えの無い町という狭い環境だからこそ古本屋という場所が特別な意味をもって浮かび上がる。
  • 「あぶないからはいってはいけません」という看板の文字列、「あぶないから」が赤、「はいってはいけません」が青で書かれてるあたり長濱監督の仕込みなのかなーと勘繰ってしまう。赤は女性を示す色で青は男性を示す色、「あぶないから」で仲村さんを指していると思わせるのはもう分かりやすいくらいのミスリードだ。
  • 春日が佐伯さんに告白するシーンは今回一番の山場なんだけど、だからこそここは佐伯さんをミューズに見立てたアニメのような演出にはしない方が良かった。あとその後の反復演出はもう普通にギャグに近くなっている。ここはさすがに意図がわからない。