ゆゆ式 第6話 「初雪なべ」

  • まさかここで1話の頃の輝きを取り戻すとは思わなかった。コンテ・演出が衝撃的だったあの1話に比肩するレベル。晴れた日に常時入ってくる謎の光やキャラクタの立ち位置、背景美術に影の使い方、とても日常ものとは思えないくらいアート且つトリッキーな絵作りに脳天を撃ち抜かれた。
  • 部室に差し込む光なんかは特に意味不明なんだけど、この光の強弱が三人の空間の濃度の違いを表してるのかと思ったらそうでもないらしい。放課後三人が帰ろうと廊下を歩いてるシーンの光の使い方とかあまりに特殊すぎて言葉を失うくらいなんだがおかあさん先生が現れても光の濃度が変わらないのであんまり関係ないんだろう。
  • ゆゆ式のネタは面白くない」と言う人未だにいるんだけど、良い加減に分かってもらいたいのは「視聴者が面白いかどうかと思うのは関係ない」ということで、ゆずこや縁のボケやネタふりは基本的に唯を笑わせる為だけにやってることなので、外部の人間に見られる・聞かれることが想定されていない。だから唯が笑った時点でゆずこと縁は満足するし、そこに我々第三者が介在する余地は存在しない。ゆゆ式が素晴らしいのはあらゆる要素がゆゆ式という物語の中で廻り完結していることだ。
  • 何気に食べ物の描写がリアルで美味そうに見えるので自分の中の「食べ物が美味しそうなアニメはだいたい名作」という基準を満たしてしまった。
  • プロップデザインにかおりが噛んでたけど、今回はやっぱりコンテの橘正紀の功績が大きい。同時に今回の話によって「1話で主導権握っていたのはコンテのかおりではなく演出の橘正紀」だということが明らかになった。ただ個人的には橘コンテよりもかおりコンテの方が定石無視してて面白いのでやっぱり1話の布陣でやってほしい。かおりの「画面のインパクト重視」というコンテの切り方は最近の「物語と絵の役割を接続させる」という潮流とは真逆の「物語とは別に絵は絵で意味を持たせる」という役割分離の精神なので単純に画面を見てるだけで面白い。