とある科学の超電磁砲S #6 「あたし…みんなのこと見えてるから」

  • 作画がところどころ不安定だったものの、福田コンテによく見られるタイミング崩し(美琴の最大攻撃が一方通行にいなされたシーンや御坂妹と布束との会話が顕著)とか一方通行と美琴との能力戦における演出とか良かったのであんま気にならないな。
  • 基本的に原作に忠実なのが長井作品のひとつのポリシーみたいなものなのでそこに言及するのは今更なんだが、彼が関わっている作品はだいたい画面における色使いが鮮やかでそこには言外の感情が込められているように思える。御坂妹が施設から出て初めて見た外の世界は紫がかった夕焼け空の色を受けて鈍く輝いており、色の意味から察するに御坂妹の感情(?)を反映しているっぽい。紫は実践的な理想主義を表す反面、それが堕落すれば非現実的な理想主義へと転化するのもそれらしい。
  • 過去回想の紫色の空は美琴と布束が会話している早朝の曇り空との対比にもなっていて、そこから更に黒子たち4人と行動している際の青空に繋がっている。今回はとにかく色と空を意識させる描写が多く、これはコンテや演出ではなく監督の方向性が大きい気がする。長井龍雪は物語のベクトルやキャラクタの個性を色に託しているみたいなのは周知の事実だけど、彼が空というファクターをキャラクタの心情描写や物語の雰囲気作りに用いることが多いというのはあんまり知られてないのかな。