翠星のガルガンティア 07 「兵士のさだめ」

  • クジライカがレドの星における敵ということはもうこの世界の謎は半分解けたも同然なので、後は2つの世界に対してどう折り合いを付けるかというのが最終回までの課題だろう。チェインバーが述べる「生存戦略の定義が大きく異なる」というのは敵味方の区別をする前に共存の道を模索することであり、クジライカもその例外ではなかった。相手からの明確な攻撃、あるいは攻撃意思が確認されなければこちら側からも攻撃はしないというスタンスはレドには理解できないものだった。
    • ホタルイカの襲来は結果的にガルガンティア内での人間同士の諍いを引き起こすことになった。それはレドが病室でエイミー達に言った「文明は進歩せず人間は他の種族の脅威に備えず人間同士で争っている」という言葉が現実のものになった瞬間だ。
  • 大学で去年捕鯨関係のレポートを作ってたのでこの話が捕鯨団体と愛護団体の抗争に見えて仕方なかった。捕鯨問題に関してはクジラを保護しようとする側が優勢で、捕鯨側(日本含む)の「種のバランスが乱れないように調整して捕鯨する(捕鯨目的は主に食用)」という要求を完全に突っぱねている近況が記憶に新しいのだけど、このアニメはそのクジラをホタルイカに置き換えたものだと考えれば理解は出来る。ホタルイカを神聖視する人々と生存のためにホタルイカを討伐しようとするレド。客観的に見れば間違いなく正しいのはレドの方だが、幾重にも積み重なった歴史の中に生きているガルガンティアの人々にはその考えが理解できない。ここでまた新たに「言語」以外での相互理解を妨げる要素が現れた。
  • 個人的には内紛とかこういう理解の差から生じる不和とか物語を面白くする要素だと思うのでもっと強めに押し出してもいい。虚淵玄は別にシリアス一辺倒の脚本家ではないわけだがそろそろ闇を見せてくれてもいいはずだ。次回船団長及びガルガンティアから抜け出す人々が生きるか死ぬかによって虚淵玄と村田和也のどちらが主導権を握っているかがはっきりするだろう。