翠星のガルガンティア 08 「離別」

  • 船団長の死に方がベタ過ぎてちょっと笑った。ここだけこんなギャグっぽくする意味がわからん。せっかく虚淵の闇の部分を見せ付けられる場面だったのに突然目を覚ましリジットに船団を任せるという遺言残して再び目を閉じて息を引き取るとか脚本書いてるのが60歳以上の人間としか思えない。
  • 船団長が死んだことによって内部分裂していく様子は今までの明るい話と対照的になっていて面白い。正直虚淵が関わっていて明るいだけの話になるとは思ってないしむしろ暗い部分がないと駄目じゃんみたいな思いを抱いていたのでここで舵を切ったのは正解だった。やっぱり人が幸せになるだけの物語ではいけないわけですよ。幸せだけが描かれてる話における幸せとはもはや「普通」であって、不幸と幸福がバランス良く共存していないと幸福の判別は付かない。おれが面白いアニメとクソアニメの両方を見ている理由と同じです。
  • 船団に残る側と離れていく側、どちらの言い分も理解出来るのでこの世界に対して固定した視点ではなくやや俯瞰的な視点を取らざるを得ないという問題はあるもののそれは個人差によるだろうし(何か船団に残る側のことが理解できない人が多いらしい)、そもそもこのアニメの主人公はガルガンティア自体関係のないレドなので、そうした問題はレドが動き出すことで自然と解決しそう。
  • レドがヒディアーズを倒す目的がさり気なく「エイミーを悲しませたくない」に変わっているのが今回一番象徴的な部分だった。今までの戦闘目的は「人類のため」「平和のため」という大義名分だったが、ガルガンティアに来て島の人間と触れ合うことでようやく団体ではなく個人としての戦う意味を見出せた。
  • ただ何だかんだあってリジットがガルガンティアの船団長になるというあたりは事前に虚淵から発せられた若者へのメッセージ臭が強く発せられてて「えー結局は出来ないことがあったら人に頼れとかそういうベタなメッセージ発信したいだけなのかー」と萎えてしまったのだけど、レドとエイミーの微妙な距離感が最後まで保たれていたのが良かったので総体的には充分面白かったと判断出来る。