ちはやふる2 第二十二首 「めぐりあひて」

  • 挫折と成長と勝利を繰り返す王道中の王道のようなストーリーの中で若宮詩暢は完全なるラスボスとして王座に君臨しているわけで、つまりここでちはやが勝ってしまったら物語が終わってしまうので試合の結末は戦う前から見えてしまっているのが唯一の欠点。見せるべきはどこまでちはやが詩暢に喰らいつけるかという試合内容それのみに集中する。
  • ちはやの試合の結末は「指を怪我していた」という要因に理由を付けることも可能で、元々怪我という実力を出し切れない足枷となる重石を抱えていながら相手の得意札を取ったという実績だけで充分だった。そこをあえて「詩暢がちはやふるの札を取る」という試合の終わり方にしたのはクイーンの方の非情さを優先したのかなと察せられる。
  • 詩暢の友人との過去とちはやとの現在を結び付ける演出は原作よりアニメの演出の方が分かり易かった。ちはやふるという作品の人間関係は基本的に過去からの延長線にあるものがほとんどで、ちはやと新・太一だったり肉まん君と新だったり、腐れ縁みたいな運命が数珠繋ぎになって今に至るという構造なので横の広がりが見えて来ないんだけど、詩暢という明確なラスボスとの接触や一年生組という全くの新しいキャラを入れることで2期では前シリーズより話が広がるようになった。