惡の華 第十一回

  • 残り数話で中学生編終わらせられるのかという問題のみが懸念事項だったんだけど、これはもしかしたら原作のシナリオを変えてくるか大幅にカットしてくるかもしれないという推考が今回で現実に近付いた。とにかくひとつの動作にかなりの時間を使っていて、その感覚が現実と繋がりひとつの線になって眼前に浮かび上がる。春日が街を徘徊しているシーンの時間の長さは、春日と仲村が教室を荒らした後の帰り道における時間の長さに似ているが、あの時のような高揚感は無く、唯一存在する絶望感が惡の華のモチーフである黒い塊と眼球をもってして表現される。
  • 春日が街の中を歩いていると景色は次第に現実のものからどこか空想じみた景色へと移行する。空は黒い闇から赤い闇へと変化し、足元はコンクリートから惡の華の表紙絵でもある眼球に埋め尽くされる。その果てで仲村と出会った春日は仲村に別れを告げられる。そこで春日は仲村の孤独に気付き再び作文を書くという一連の流れ。作文を書くということは最終的に社会に適応していた自分を捨てる決意をしたということになる。
  • 結局焦点は上辺だけ周囲の変化に対応出来ていた春日が仲村によって再び自我をもって闇落ちしていく様子とそれにより仲村自身はどう変わるのかという部分に当てられるので佐伯はああなっても仕方ない。原作高校生編では佐伯は完全に本性曝け出してるし、あくまで佐伯は春日を煩悶させるための鍵でしかない。