とある科学の超電磁砲S #11 「自動販売機」

  • 前回が演出の力が発揮された回ならば今回は脚本とコンテの力が発揮された回と言える。冒頭からラストまでの流れが鮮やかでアニメオリジナル要素も無理なく組み込まれている。今までのシリアスな空気を過度に助長させることもなく、上条さん、美琴、御坂妹、一方通行の四人をメインにして本筋から逸れないように配慮している。
  • 計画を凍結に追い込んだと思っていたことによる希望から絶望への転移は某魔法少女アニメを髣髴とさせる。感情の起伏が激しい美琴にこの絶望的な役割を押し付けたのは宜なるかな、しかし理解は出来ても納得は出来ないのであった。
  • 上記主要四人全員が交わることはまだないものの、それぞれの運命線が交差して物語が動くのだろうという予兆は随所に感じさせる。美琴の「来なさい」というシーンも振り返り手前で止めるコンテにより伏線として機能する。
  • 長井龍雪のコンテは戦闘よりもこういう日常と非日常の間を彷徨うような状況を描写する際において相当の力を発揮するのだと感じるくらいには説得力のあるコンテだった。やや神経質なくらい繊細なコンテは思春期の少年少女をそのまま映し出すことに成功している。