俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 第12話 「マジ天使すぎるあやせたんが 一人暮らしの俺んちに降臨するわけがない」

  • 神は二度訪れる。2話目のオリジナル回が福音ならば今回は神の祝福。俺妹という物語の結末を知ってしまった今となっては全ての過程が虚しく思えてしまうという部分も確かにあるが、それ以上に映像として天使を享受するということは利害関係を度外視し無の状態で我々に幸福と安寧を齎してくれる。理性や感情を超えた人間の本能が喚起される屈指の名作回。選ばれなかったヒロインの物語としては駆け足ながらよく纏めたと思う。
  • 天使というものは実在するのだということをおれたちは(契機となった事物は違えど)既に知っているわけで、その枠組みに当てはめて考えれば新垣あやせという人間は天使たり得る最大公約数を兼ね備えており、俺妹という物語、そして京介の前で最大限に輝きを発揮する申し分無いヒロインだった。「だった」という過去形で表現するのはこの物語の結末を知ってしまっているからで、そうとしか表現出来ないことに圧倒的な悲しさが横たわっている。
  • Aパートの流れは正直まあどうでも良くて、Bパートに入ってからの内容が人ひとりを殺せるくらいの力があって恐らく見てるうちに脳のどこかの部分が弾け飛んだように思う。京介をして「天国」と言わせる空間はまさに天使が存在する天上の理想の世界であり衆生の救いだった。ややダイジェスト的に時間が過ぎていくのは寂しさがあるけれど、それ以上を望むのは贅沢という話かもしれない。
  • Bパート開始からあやせ告白までは良かったんだけどまあ告白以降はアレです。あやせの告白に対する京介の返事からは原作最終巻の内容だったので原作読んでてよかった。アニメ初体験の場合ダメージ大き過ぎて憤死していたかもしれない。伏見つかさには番外編として各ヒロインのifルートを書く義務があるとおれは未だに唱え続けている。