とある科学の超電磁砲S #13 「一方通行」

  • ようやく禁書の内容と重なってきたのでここから「美琴視点」ということの意味が重要性を帯びてくる。禁書で描かれたのは上条視点の物語であって、美琴の(行動に現れない)意思はほとんど介在する余地がなかった。内情と現状をより深い角度から、あるいは当事者の目線から理解しているということは物語それ自体もまるで違ったものに見えてくるということでもある。
  • 一方通行の残虐性は被害者側に当たる美琴、御坂妹側の目線から見た方が克明に表現される。実験室における御坂妹との初戦ではまだ一方通行にも僅かながら人間らしさが確認できるが、これを現在の時間軸の間に過去回想として挟むことで「段階を踏む」のではなく「最初はこんな感じだった」のだと、もう戻れない記憶として映像が再生される。
  • 上条と御坂妹とのやり取りは禁書にもあったもので、ここは美琴視点ではなく上条視点に戻っていた。シスターズについて我々は既に美琴視点で情報のほとんどを得ているので、このシークエンスでの御坂妹の説明は完全に上条一人に向けてなされたことになる。禁書では上条と我々視聴者(読者)に向けられた説明だったのでここが明確な違いとなる。
  • コンテ・演出に石川健介というまさかの起用には驚いたけど(考えてみれば御坂妹が大量に上条の前に現れるところとか実験室で倒れた御坂妹が立ち上がるところの演出なんかは石川っぽい)、結果として目論見は成功してるわけだし極めて順調に事が運んでいる。