たまゆら〜もあぐれっしぶ〜 第2話 「どきどきの新しい一歩、なので」

  • まさかこのアニメがクール単位でのベスト(暫定)に上り詰める日が来ようとは思わなかった。何というかたまゆらはそういった順位みたいな俗世の戯れ事とは無縁の立ち位置というか、ある種の神聖さみたいなものを帯びていて表舞台で華々しく持ち上げられるという類の作品ではないと個人的には思っていたので。しかし夏アニメだいたい見終えた今となっては他のアニメに対してダブルスコアくらいの差を付けてトップの座に君臨している。
  • 「面白い」というのは明確な言い方じゃなくて、実際はコンクリートで固められた地面以上に強く固められた地盤の安定感がもたらす多幸感、と言うのが正しいと思う。ぽっての口癖「なので」とか麻音の口笛とか、一歩間違えればマイナスになりそうな要素を上手く包み込む物語の器の大きさは1期から変わることなく引き継がれている。
  • CV西村ちなみの新キャラが出てきたのでいよいよ無敵感高まってきた。幼少期は母親に「西村ちなみの出てるアニメ全部見たい」と迫って毎週休みにレンタルビデオ店に通い小学校低学年の内にほぼコンプリートしたという痛々しい黒歴史を持っている人間だがそんなことはどうでもいいのである。スマプリのキュアビューティーは近年の西村ちなみのベストアクトだったな。
  • 布施木一喜といえば過去回想や隠喩(暗示)を駆使した演出あるいはそれを効果的に盛り込むためのコンテの切り方が特徴的なんだけど、たまゆらは現在が2期で過去が1期ということで過去のイメージを挿入しやすくなってるので布施木演出が最大限に生かせる状況になっている。1話の佐藤順一による圧倒的な安心感をもたらす伸びやかな絵作りから、今回のぽってのパーソナルな部分やかおるたちとの繋がりなど焦点を絞った2話目への流れが非常に良かった。次回当たり脚本に山田由香が来ることを切に望む。