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2013年春アニメ総括

2013年春アニメ まとめ

いつもの。

評価方法

・評価ポイントは「ストーリー」「キャラクター」「演出」「作画」「音楽(OP・ED含む)」の5つ。各10点満点
・総合評価(ランク)は「SSS」「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」「Z」とする(各説明は以下参照)

「SSS」〜生涯愛せる、墓場まで持って行きたい作品
「SS」〜アニメの金字塔レベルの作品
「S」〜何度観ても面白いと思える名作
「A」〜傑作
「B」〜秀作
「C」〜良作
「D」〜凡作
「E」〜駄作
「Z」〜黒歴史


断裁分離のクライムエッジ


ストーリー 4
キャラクター 7
演出 5
作画 6
音楽 5
総合得点 27点
総合評価 D

各話がバラバラな方向に進んでいてあまり全体的なバランスは取れていなかったという印象。最終的に切くんと祝ちゃんのどちらを主人公に据えて物語を進めるのかというところがいまいち定められていなかったのだろう。最終話では切くんが暴走してそれを祝ちゃんが止めるという構図であるが故に主人公としての立ち位置を獲得したのは祝ちゃんの方だった(祝ちゃんのモノローグが多用されたのも一因)。
これはある意味ヴァルヴレイヴと同じ問題を抱えていて、つまり「やりたいこと(カット・シークエンス)」だけが確固として存在していて、それをやるためにはストーリーをどうすればいいのかという肝心の肉付けの部分が充分ではなかったという欠陥だ。アニメにおいて真に重要なのはある結果に至るまでの過程だ。その過程が合理的ではない、歪められた話であるからこそわけがわからなくなる。
フィクションであるということは決して逃げの材料にはならない。フィクションがフィクションであるためには時に現実よりも現実的に物事を描かなければいけない。例え最終回で幼女の入浴シーンに5〜6分割かれていても(実に本編の約4分の1!!!)おれはあくまでフラットにこのアニメを批判する。変態アニメになりたかったなら変なところで格好付けずにどこまでも変態でやればよかった。逆に中二病アニメならサービスシーンなどの一切を排するべきだった。二兎を追う者は一兎をも得ず。



RDG レッドデータガール


ストーリー 3
キャラクター 3
演出 7
作画 8
音楽 8
総合得点 29点
総合評価 D

最後まで上手く纏められなかった脚本。横手美智子はやっぱりこのRDGという作品の本筋を読み間違えている気がする。このアニメは極論を言えば宗田三兄弟とか正直別に必要なくて、本筋は「将来世界を滅ぼしてしまうと宿命付けられている(姫神によってその未来は既に2回経験されている)泉水子が成長していき周りの人間たちと協力して世界を滅ぼしてしまう己の未来を変える」というものなんだけど、アニメはここに余計な装飾を施した上に必要な部分を削ってしまってるのでよろしくない。せっかく原作小説は民俗・神話的要素と学園ものを上手く混ぜ合わせた傑作なのに、活字でないとわからない要素をそのままアニメとしてアウトプットしたり宗田三兄弟がさも重要なキャラであるかのようにミスリードしたりと、極めて複雑な話のように見えてしまっている。あと「何が起きてるかわからない」というのは致命的な欠点。
この世界は姫神がループしてる3度目の世界なんだけど、泉水子の力を利用しようとしている学園や山伏はイレギュラーな存在(ループする世界の中で初めて現れた存在)なので凄く紛らわしい。結局は泉水子と深行の物語でありそこを履き違えてはいけなかった。作中要素の取捨選択さえ間違えなければかなりの良作アニメになったであろうだけに残念。P.A.WORKSの安定した作画は際立って良かった。あと高柳(犬ver.)が犬っぽくて良かった。



うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%


ストーリー 7
キャラクター 9
演出 8
作画 7
音楽 9
総合得点 39点
総合評価 B

最後まで真面目なことをやって笑いをとるという自らの王道を突き進んだことで結果的に1期に比肩する勢いを持続出来た。若本は相変わらず何言ってるのか全然わからなかったり男が突然歌い出したり、そういった鉄板ネタは1期から引継ぎつつ、1期の時よりも「スターリッシュというグループとしてどうするべきか」という問題に焦点を当てているからかシリアス成分が減ってより楽に見られるようになった。
最終回の最高の山場であるスターリッシュのライブシーンの前半が完全にEDの使い回しだったのは残念だけど、その後のエヴァやプリキュア顔負けの人類補完強制脱衣はさすがに平常心を保つのが不可能だった。世の中の宗教っぽい要素を全部詰め込んだせいでもうみんな薬物キメてるようにしか見えないというとんでもないシークエンスだった。その後で杉田が「結果なんて見なくてもわかる」と言っておきながらスターリッシュとヘヴンズとの得点は僅差だったり、ヘヴンズ解散騒動の茶番を経てラストでマジLOVE1000%合唱したり、最後までエンタメ精神を忘れない展開だった。熱い展開のはずなのに笑えるという意味のわからなさ。
結果的に享受した幸福指数は1期を上回っている感じがする。ドラマ性は1期の方が上だけどエンタメ性では2期の方が上だった。大抵のアニメは2期でマンネリを避けるために1期と方向性を変えて失敗したり、あるいは方向性を同じくしたもののマンネリになってしまい失敗するというパターンが多いのだけど、このアニメは「テーマだけを変えて同じ方向性でやる」という手法で見事に成功を収めた。ギャグ作品における理想的な続編だと思う。



はたらく魔王さま!


ストーリー 8
キャラクター 9
演出 8
作画 9
音楽 8
総合得点 42点
総合評価 A

詳細は別エントリにて。



やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。


ストーリー 8
キャラクター 9
演出 7
作画 8
音楽 7
総合得点 39点
総合評価 B

壮絶だった文化祭の終わりで幕引きをするのではなく、孤独を謳歌する八幡の視点に寄り添った「文化祭の番外編」でアニメを終了させるというのは原作の意向を汲んでいて、原作とアニメの関係としてはかなり理想的だと思った。ただアニメは監督が女性だからか原作より幾分か空気が柔らかくなっていた。
最初から最後までラブコメの入り込む余地はほとんど無かったのだけど、「間違っている」というのは八幡視点における「自分がラブコメ作品の主人公になれるわけがない」あるいは「自分が女性から好意を向けられるわけがない」という意味での間違っているということであり、普段は受動的な態度にも関わらず女性たちから遠ざかる時だけは能動的になる八幡を端的に表したタイトルだった。
最小限の人数で最大限に物語の幅を広げていたという印象を裏付けるような文化祭、そしてそれらを総括するような番外編、この2つを筆頭に上手く内容が纏まっていたのだけど、やや綺麗に纏まり過ぎていたのが勿体ない。原作にあったにも関わらずアニメでは尺の都合上カットされた平塚先生や戸塚とのデート回みたいな本筋とあまり関係のない話を起爆剤として使えればもっと上に上り詰められたと思う。



フォトカノ


ストーリー 5
キャラクター 8
演出 6
作画 6
音楽 7
総合得点 32点
総合評価 C

最終回を深角ルートではなく妹ルートにしたことでこのアニメはかなり意図的に変態要素を出していたことがわかるし、それに対して完全に開き直ってるので一種の清々しさがある。綺麗に物語を纏めるという目的を完全に捨てにかかっている。前田くんは初期の頃こそかなりの変態キャラとして活躍していたが個別ルートに入ってからは普通の男子主人公として上手く立ち回っている。
個別ルートに関しては各話によって出来不出来の差があったけど概ね中空飛行という感じだった。唯一深角のエピソードだけは起承転結が上手く纏まっていて良い出来だった。妹ルートは「最後に兄妹の血が繋がっていない設定を明かす」という最悪の展開で泣いたんだけど、フォトカノというアニメがカメラを扱う意味を明確にしたので(妹との思い出のアルバム)、その点だけは評価できる。
妹持ちとしては妹ルートに本当に納得がいかなかったのだけど、それ以外のヒロインはダイジェスト気味ながら何とか捌けていたし、共通ルートの方は脚本の頭のおかしさに笑わされたので何かもう全部許せるような気持ちになってしまう。最後まで掴み所の無いアニメだった。



DEVIL SURVIVOR2 the ANIMATION


ストーリー 2
キャラクター 6
演出 5
作画 6
音楽 6
総合得点 25点
総合評価 E

「死に顔動画」や「悪魔召喚」という料理次第でいくらでも面白くなりそうな設定を有していながらストーリーがあまりに生き急いでいて、「人が死ぬ」という事実があまりにも軽々と処理されていくことに現実性はおろか物語性すら感じられず最後まであまり好きになれなかった。岸・上江洲コンビでも失敗することはあるんですよ。
最終回で無理矢理友情パワーを振りかざしてライバルに勝つというのも「友人たちが死んでいく」という過程の描写が淡白過ぎたので説得力に欠ける。せっかくの山場が御都合主義展開に見えてしまうのはつらいところ。新しいキャラクタが現れては死んでいく、その繰り返しが物語を無機質にしていく。
設定やキャラクタに関しては中々良かったという印象なんだけどそれが捌ききれてなかったのが勿体ない。全体的に見ても脚本が足を引っ張っていた。



惡の華


ストーリー 9
キャラクター 10
演出 8
作画 8
音楽 8
総合得点 43点
総合評価 A

詳細は別エントリにて。



百花繚乱 サムライブライド


ストーリー 3
キャラクター 5
演出 8
作画 7
音楽 6
総合得点 29点
総合評価 D

いきなり世紀末っぽくなってる最終回はかなりクレイジーだったけど、あれはあれで演出も良かったし百花繚乱シリーズの表と裏の裏に当たる部分として機能していたのかなと思えてきた。1期の時に比べて表と裏を明確に使い分けていたのでそこに関しては好感が持てる。
ストーリーは支離滅裂と言っても過言ではないくらい滅茶苦茶だったんだけど、この筋も論理も投げ捨てて本能だけで書かれたような脚本とそれに振り回されるのではなく高次元で融合しているキャラクタとのバランス感覚が良かった。演出に関しては未だに納得出来ないが今期トップクラス。色処理とかもめっちゃ上手い。
最後は大方の予想通り十兵衛がサムライブライドになって諸々の事情が謎の力によりほとんど済し崩し的に解決するという、まあそこしか落とし所がないよなーと思わされる締め方だったので多少なりとも同情の余地はある。迷走しながらもしっかり元のコースに戻って一応ゴールできたという達成感もあり、全体的には何だかんだでそこまで悪くもなかったと思う。余談だが最終回で流れたED曲のオーケストラバージョンは好きです。



デート・ア・ライブ


ストーリー 7
キャラクター 8
演出 8
作画 9
音楽 9
総合得点 41点
総合評価 A

最近の富士見ファンタジア文庫原作アニメの中では頭2つくらい抜けた完成度で最後まで視聴モチベーションがほとんど下がらなかった。最近だと2年前のISあたりから続いている男一人が中心になってる戦闘とラブコメの混ぜ合わせみたいな王道からほとんど外れることがなかったのも面白さが持続されてた理由のひとつ。
特別何かが優れていたというわけでもないんだが、かと言って特別何かが悪いというわけでもない。=普通なのかと言われるとそうでもない。はっきり言ってしまえば面白い。ただ悔しながらどこらへんに惹きつけられたのかがいまいちよく分かっていない。やっぱりキャラクタなのか。折紙や狂三は確かに近頃見掛けないタイプの(やや古い)キャラクタで懐かしさはあったけど、それが自己評価の最大値に達していたかというとそうでもない。ああでも士堂は昨今の主人公の中では良キャラの部類だった。最終回でそれが確信に変わった。
最終回は今までの総括と言うにはやや弱い(狂三の問題が解決されていない)んだけど、十香の成長や折紙の感情表現、士堂と小鳥との関係性など凡その問題は片付けて綺麗に纏めたのは上手かった。ただ折紙のその後の描写がもう少し欲しかった。重要なのは折紙がこの後士堂たちとどう向き合うかなのに、それが全部無いというのは消化不良。2期でそこら辺の決着をつけてくれると信じている。



絶対防衛レヴィアタン


ストーリー 3
キャラクター 6
演出 6
作画 7
音楽 5
総合得点 26点
総合評価 E

11話では原画で後藤雅已が参加して久々に本家に近い板野サーカスを見せてくれたりと、アニメーション的な意味では見所が結構あったのだけど話としては全くもって面白くなかった。放送されている時間帯的に子供向けでもないし、一体何がやりたかったのか最後までわからなかった謎アニメという印象。
物語の筋が一貫していなくて散漫な感じだったんだけど、それが直ることは最後まで無かった。しかし前述のような稀に有る高度な演出やアニメーションのせいで純然たるクソアニメと切って捨てることも出来ないという非常に面倒くさいアニメ。



俺の妹がこんなに可愛いわけがない。


ストーリー 6
キャラクター 9
演出 8
作画 8
音楽 8
総合得点 39点
総合評価 B

名ばかり最終回なので全部終わってから色々言おうと思ったんだけど、幼い頃の高坂兄妹のやり取りが映像として良く出来てたので取り敢えずここを一区切りとすることにした。話自体も高坂兄妹に興味ないおれですら面白いと思ったので何故だと考えてたら「脚本:伏見つかさ」で納得した。原作にあった櫻井の話を丸々カットしたのは少し寂しいけど、幼少期から今に至るまでの話を桐乃視点で1話ぶん描くのは良い判断だった。
話が断片的に見えて実は全部繋がっていて、それがキャラクタの成長として目に見えるようになっていくのがこの作品の特徴なんだけど、最終回でその集大成ではなくメインの高坂兄妹の話に焦点を絞ったのはテレビ放送が最終回という区切りをつけたかったのだと察せる。まあそれが上手くできていたので特に文句は無い。
原作のラストがかなり酷いので、果たしてこれをそのままアニメ化するのか手を加えてくるのかという部分でアニメの方の評価も変わってくる。この評価は13話までの暫定ということで。



よんでますよ、アザゼルさん。Z


ストーリー 7
キャラクター 7
演出 7
作画 8
音楽 5
総合得点 34点
総合評価 C

1期の頃と同様、序盤はそんな勢いが無いんだが中盤で爆発的に加速してそのまま最期まで突き進むというスロースターターだった。話でいえば龍神湖が最強過ぎて他の話が霞んでしまうのだけど、全体的にもう死ぬほど低俗でまさしく深夜アニメという枠に相応しい内容で、これだよこれが見たかったんだよという気持ちになった。
基本的に中学生レベルの下ネタを使いまくるというどうしようもない話ばっかりなんだけど、龍神湖みたいにごく稀に下ネタと純粋なギャグが高次元で融合する意味不明にレベル高い回や、最終話のように無駄に劇場作品並みに全力を尽くした作画でアニメーションの限界に挑戦した回など見逃せない回が3回に1回くらいの頻度で現れるので結局最初から最後まで見てしまう。
何だかんだで最終話でも笑わせてもらったし、ギャグアニメの中では一切格好付けず完全に開き直った面白さがあるのでこちらも変に力まず視聴できるんだけどネタがネタだけに物凄く見る人間を選ぶアニメだと思う。しかし1期の頃と同等の面白さだったので最終的な満足度は高い。



波打際のむろみさん


ストーリー 5
キャラクター 6
演出 7
作画 7
音楽 8
総合得点 33点
総合評価 C

癒し枠とギャグ枠の間を行き交うボーダーレスアニメという感じ。15分という尺も冗長にならず程良い加減だった。この手のアニメだと今のところ瀬戸の花嫁が最強なのてそろそろそれを超える作品が現れても良い頃なんだが未だに王座に居座ったままだ。
ほとんどストーリーを練らずキャラクタの力に全幅の信頼を置いて掛け合いや擬似戦闘なんかでシナリオを形成するという最近流行りのキャラ主導型アニメなんだけど、中野英明がコンテ切った序盤の数話は単純にギャグアニメとして面白かった。
同じ15分枠のアザゼルさんほど突き抜けてはいないものの手堅く楽しめる佳作。



翠星のガルガンティア


ストーリー 10
キャラクター 9
演出 9
作画 7
音楽 9
総合得点 44点
総合評価 A

詳細は別エントリにて。



這いよれ!ニャル子さんW


ストーリー 6
キャラクター 8
演出 8
作画 9
音楽 7
総合得点 38点
総合評価 B

1期の頃より勢いや新鮮さは落ちるものの、テンポ良く進むコメディの中に節操無く取り入れたパロディネタが散りばめられるという基本パターンは1期から変わらないクオリティ。主要キャラの個性がはっきりとしているという利点を生かして最初から休むこと無く突っ走って行き、途中でクー音などの新キャラを投入して新鮮さと安定感を保つ。構成としては手堅かった。
所々、ほんの少しだけシリアスになる部分を1期よりも強調することで差別化を図ろうとしている印象を受けた。しかしどう転んでも重たい展開にならないことは分かりきっているのであんまり意味ない気がするけどクー音のくだりはしっかりしたストーリー性があった。
1期と大きく違うのはニャル子一筋だったクー子が明確に真尋に好意を寄せるようになったという点。正直もうニャル子と真尋どちらの方が好きなのかよくわからんくらいの好感度の振り撒きぶりなんだけど、これはこれで展開としてはアリだと思う。しかしやれること殆どやった気がするんだけどこれ3期とか出来るのかな。



ハヤテのごとく! Cuties


ストーリー 3
キャラクター 7
演出 4
作画 4
音楽 5
総合得点 23点
総合評価 E

はっきりとおれの中で「ハヤテは終わったのだ」と理解できる4期だった。元々ハヤテのごとくという作品にはそんなに興味無くて、ブームが巻き起こっている時もそんなにハマれなかったのだけど、それにしても初期の頃よりネタのクオリティ下がってるだろ。畑健二郎のセンスもついに枯れてしまったか。
ラストで全部のフラグを無理矢理回収しようとしたのはかなり強引な構成だけど(擬似ハーレムっぽい)それなりに盛り上がってて、こういう方向性のネタか西沢さんの時みたいな直球のネタに絞って話作った方が良かった。でもラスト2話は3期の内容を引っ張ってきた時点で萎えてしまった。泥の上塗りみたいな感じ。
最近は映像技術の向上により特筆して欠点が見当たらないアニメが増えてきたけど、このハヤテ4期のように特筆して褒めるべき点が見当たらないアニメというのもやはり細々と生き続けているもので、こういう作品があるからこそ他のアニメは(比較されることで)輝くのだろうと納得した。



アラタカンガタリ 〜革神語〜


ストーリー 4
キャラクター 4
演出 5
作画 5
音楽 7
総合得点 25点
総合評価 E

原作8巻相当の内容までは雑誌で読んでたのだけど、原作自体元々そんなに面白いわけでは無くて、唯一群を抜いていた絵の綺麗さもアニメになって消えてしまったことで完全に良いところが無くなってしまった非常に残念な作品。脚本もアニメに合わせて原作の内容を圧縮したことで肝心な「なぜ門脇が新を殺したいほど憎んでいるのか」すら分かりづらくなっていた。
アニメ自体はまあ原作販促としての目的が第一なんだろうとわかる出来だった。原作が続いているものをアニメ化する場合「どこで区切るか」というのがアニメ全体の出来を左右することになるのだけど、下手にオリジナル要素を入れられない作品だとこんな形になってしまう。
原作はもっとキャラ描写掘り下げてるんだけど(あんまり上手くないけど)、アニメはそれすら削ってるのでアラタもコトハも門脇もカンナギも薄いキャラになっている。主人公の新はそこそこにやってるけどもう一人の主人公であるアラタの存在感が薄過ぎるのはさすがにまずいだろ。



スパロウズホテル


ストーリー 4
キャラクター 4
演出 4
作画 4
音楽 5
総合得点 21点
総合評価 E

最初からキャラデザをいまざきあきらに任せていれば良かったんだ。



ゆゆ式


ストーリー 7
キャラクター 9
演出 9
作画 9
音楽 9
総合得点 43点
総合評価 A

詳細は別エントリにて。



あいうら


ストーリー 6
キャラクター 7
演出 7
作画 10
音楽 8
総合得点 38点
総合評価 B

キャラデザはもう完璧の一言に尽きる。ショートアニメとはいえ原作絵をこれほど素晴らしい形でアニメ絵に変えてみせるとは思わなかった。これアニメ見てから原作読むのはかなりきついと思う。
ただ唯一、監督が「いわゆるアニメ声で演技するということを避けたかった」みたいなことを言ってるんだけど、それを実践する場としてこのあいうらというアニメは適していないと思う。いかにもなアニメ絵で「アニメっぽくない素の演技をさせる」って完全にねじれ構造でしょ。あいうらは今時のアニメ然としているのだから、演技もそれに合わせるべきだった。そこだけ残念。あ、あとOPは最高でした。



刀語


ストーリー 10
キャラクター 10
演出 9
作画 9
音楽 9
総合得点 47点
総合評価 S

詳細は別エントリにて。



革命機ヴァルヴレイヴ


ストーリー 5
キャラクター 7
演出 8
作画 7
音楽 8
総合得点 35点
総合評価 B

まさか分割1クール目のラストであらゆる問題を完全に放置するとは思わなかった。多少の謎が残るように作られるのは分割2クールの特徴だけど、ほぼ何一つ解決していない状況で3ヶ月近く放置されるのはFate/Zeroより酷い。最初はこの脚本のB級感が堪らないとか言ってたけど段々雑なだけになってしまったのは悲しい。今の時代には珍しい「論理性や整合性を完全に無視して視聴できる作品」としては貴重なんだけど、やはりそのバランスをずっと保ち続けるのは難しかったようだ。
毎回の引きが上手いのは恐らく週刊連載の少年雑誌、それもジャンプあたりを意識してるからだと思われる。「出来はともかく次回が気になるようにする」という理念が明確に現れているのは潔かった。冒頭とラストは毎回トップクラスなんだけど本編にもう少し厚みがほしかった。しかし最終回で引き籠りの女の子が出てくるシークエンスはそれまでの脚本の雑さを払拭する出来栄えだった。これが何故最初から出来なかったんだろう。
続編ありきの1期なのであまり深く言及することも出来ず、このままだと結局愚痴を漏らすことに終始してしまいそうなので続きは2期が終わってから書くことにする。2期で化けてくれることに期待するしかない。



変態王子と笑わない猫。


ストーリー 5
キャラクター 7
演出 7
作画 7
音楽 8
総合得点 34点
総合評価 C

ストーリー的にあまり惹かれる部分や一気に盛り上がる部分は無くて、静かに盛り上がって静かに終わっていくという印象のアニメだった。しかし最終回間近になって「人の死」という人間の物語にとって避けて通れない要素が入ったことにより重さと深さが増していった。このアニメは元々猫神という御都合主義の権化がいるせいでどうも現実と酷く乖離しているように思われがちだが、猫神が叶えるのは結局のところ人間の願いであって、それは人間の根源的な部分を描き出しているということになる。
なんで母ちゃんを病院に連れていかないんだろうという疑問はCLANNADの世界を否定することになってしまうので心の奥に仕舞っておくとして、最後はかなり上手く纏められていると思う。最後の最後で御都合主義の権化が物語の根幹を形成する重要な核になった。演出も鮮やかだったし親子のやり取りもほぼ完璧だった。最終回でこれほど自分の中の評価が上がったアニメは珍しい。
今までただの変態だと思われていた主人公の見方が180度変わるような展開、最後に鋼鉄の王による「家族は四人」という言葉で自らの記憶を譲渡した主人公をも救済、最後に主人公と月子の積み重ねの集大成という理想的な構成。上手く原作を料理している。筒隠姉妹・小豆梓・エミの問題も完全に解決されたし、原作は続いているものの1クールアニメの終わりとしては上出来。これは逆に2期が要らないタイプの作品だ。



ちはやふる 2


ストーリー 10
キャラクター 9
演出 9
作画 8
音楽 8
総合得点 42点
総合評価 A

2期になって勢いが落ちるかと思ったらそんなことはなく、名作と名高い1期の良いところをそのまま引き継いだ理想的な2期に仕上がっていた。物語自体はまだまだ続いているんだけど、区切りが1期も2期も絶妙な部分なので上手く原作への導線を引けている。原作漫画ってのは「漫画→アニメ」の方が健全だと思うんだけど、ちはやふるはどちらから入っても楽しめる全方位型作品なので楽しみ方も沢山ある。
2期は1期の内容を踏まえているので各キャラクタの明確な成長が示され、同時に新キャラクタの菫と筑波を短期間でかるた部の一員として成長させるステップをしっかりと作り上げた。最終回ではちはやの作った歌で新への想いを確認させ(約50話近くかけてようやくちはやが新に抱く己の感情を理解し始めた)、一方ではかなちゃんが太一を応援したりとかるた以外の部分を含め全てを総括している。総括した上で新やクイーンなどのライバルに勝つための努力が始まっていく。
強力な毒や理不尽な展開などは無く、恐ろしく綺麗に纏まった話なのになぜこんなにも多くの人間を強く引き付けるのか、やはり友情・努力・勝利というジャンプ的物語の法則をしっかりとした土台の元で成立させているからという理由が一番だろう。最終回という感じが全くしない最終回だったのは3期のための布石だと信じたい。



◆ベストキャラクタ◆

女性

1位 新垣あやせ(俺妹)
2位 とがめ(刀語)
3位 お母さん先生(ゆゆ式)

もうOVAであやせルート作れ。


男性

1位 鑢七花(刀語)
2位 真島太一(ちはやふる2)
3位 真央貞夫(はたらく魔王さま!)

主人公としては完璧だった。


人間以外(特別枠)

1位 シャンタッ君(這いよれ!ニャル子さんW)

1年の時を経て再び王座に返り咲いた。



◆今期ベスト主題歌◆

OP刀語 OP 『拍手喝采歌合 / supercell


EDゆゆ式 ED 『Affection / 情報処理部(大久保瑠美、津田美波、種田梨紗)』

ゆゆ式は音楽まで衆生の救いだった。



◆今期ベストエピソード◆
刀語 第十二話「炎刀・銃」

脚本:上江洲誠  絵コンテ・演出:元永慶太郎  作画監督:池上太郎、又賀大介、板垣敦、中村和久、中田正彦


これは圧倒的だった。元永慶太郎は監督やるより定期的にコンテ切って演出もやってほしい。



◆今期作品ベスト3◆


1位 刀語
2位 翠星のガルガンティア
3位 惡の華 / ゆゆ式



総じて駄作から傑作までバランス良く並んでいた良質なクールだと思う。デビサバ2やRDGは超絶期待ハズレだったんだけど、その代わり今期はラノベ原作アニメがかなり健闘していた。春期最大のダークホース『刀語』を筆頭に『はたらく魔王さま』『デート・ア・ライブ』『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている』あたりは最初から最後まで面白かった。漫画原作ものでは『惡の華』『ゆゆ式』『ちはやふる』のスリートップ。オリジナルアニメは『翠星のガルガンティア』一強だった。
春が中々の豊作ぶりだったのだけど肝心の夏アニメが今のところ『きんいろモザイク』『たまゆら』『有頂天家族』以外今のところ全部面白くないという物凄い不作状態なので右肩上がりに質が向上していくことを願うしか無い。

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