銀の匙 第一話 「エゾノーへ、ようこそ」

  • おれ原作漫画はそんなに好きじゃなくてどちらかというと苦手な部類なんだけど、それは「人間は本当のところ皆良い奴なんだ」という性善説を地で行くような一切捻じ曲がってないキャラクタ設定と「食糧」という人間の生きる源から命とは何かを学ぶみたいなもう半世紀前から使い古されて手垢まみれになったネタをさもアップデートしているかのような上辺だけのシナリオの新鮮さが噛み合ってなかった、というところが大きい。
  • アニメは伊藤智彦が監督やるということで特別何の期待も抱いてなかったんだけど、わりと原作の臭みが抜かれていたのはこの人の「作品から意図的に何かのメッセージを汲み取って執拗に提示したりしない」という作風が生きているのではないかと思われる。オカルト学院やSAOでいまいち発揮されなかった能力がここにきて開花してるっぽい。
  • 内容は原作そのまんま。ここまで忠実にやるのかというくらいの忠実さ。特別なキャラ紹介をしなくても話が無理なく進められるというのはこの作品の初期の段階における高評価点だと思う。
  • 映像的には地味に八軒が卵を手から落としそうになるシーンとかビニールシート持って飛ばされそうになるシーンとか良かった。まあ動きがそんなにないアニメなので特筆して語ることもあんまりない。
  • 物凄く無難に纏まってる1話なんだけど原作漫画よりも嫌味なく見られたのは映像だからなのか、別の要因が関係してるのか現段階ではわからん。