犬とハサミは使いよう 第四話 「溺れる者は犬をも掴む」

  • 前期だとクライムエッジに近い超下手物級のアニメなので恐らく3話以内で見切りをつけてもう視聴していない人間も大勢いると思うのだけど、自分が未だに見続けてしまうのは謎のメッセージ性を有したOPがあるからなのではという結論に達した。その証拠にOP終わってからの脱力感がすごい。
  • 主人公が本物の犬という時点でまともなラブコメもバトルも出来ないという巨大な制約が課せられたわけだが、制約を逆手に取って型破り作品の仲間入りをしたのは賢い選択だった。設定の時点でシュールギャグだけど内容自体をコメディっぽくするのではなく登場人物をひたすら異常者ばかりにすることで「何が起こっても強引に整合性がとれる」という利点を作り出した。
  • 犬になった主人公の妹(異常者)を持ち出すことで無理矢理忍の恋愛感情を引き出したかったらしいんだけど、これどう考えてもS特有の所有・独占欲なので全くラブコメという雰囲気にもならないし妹も妹でヤンデレ通り越して精神に異常をきたしているし、ここまでくるともうどうしようもない気がする。
  • このアニメ最大の問題点は物語を俯瞰する、あるいは客観視できる常識人の存在が欠如しているというところにある。簡単にいえば突っ込み役なんだけど、唯一の突っ込み役が本に妄執する犬(主人公)なのでバランスが取れなくなってる。まともな人間が1人は出てこないといずれ正視できなくなるかもしれない。