きんいろモザイク Episode 3 「どんなトモダチできるかな」

  • もはや「2013年の夏といえばきんいろモザイク」というところまで来ているのだけど、一番凄いのは日常系の作品なのに今まで一度も内容が薄いと感じさせないところにある。作画に乱れがないのはキャラがややデフォルメされてるからだろうけど、シナリオに安定感あるのは奇跡に近い。気になって原作出てるところまで買って読んだら、アニメでは原作における描写不足の部分を積極的に補完していて(今回なら綾と陽子の出会いのシークエンスはオリジナル要素入ってる)そこで奥行きを生むという、最近だと『琴浦さん』に近い手法。
  • やっと5人目の主要キャラクタであるカレンが現れてこれで一通りの面子が揃ったのだけど、カレンが出てくるとアリスの外国人としての立ち位置が揺らぎ始めてシノからの好意を受けるカレンに嫉妬してしまうあたり幼さが見える。しかしその後にアリスとカレンが英語で会話するというシノたちにとって「格好良く、大人に見える姿」を描写することでアリス(高校生)の存在のバランス取ってて構成上手いなーと思った。原作には体育の授業とかまだやってない部分があるんだけどそれはカレンを加えた5人の状態で再構成されるのだろう。
  • 1話におけるホームステイの際のオリジナルストーリーでしっかりカレンの性格における伏線張ってたことがわかって感動した。オリジナルストーリーの中に原作の話の伏線張るタイプのアニメとか極めて珍しい。正確には原作の話の中に混ぜられたオリジナルの要素なので完全な「オリジナル→原作」という接続ではないけど、カレンが皆に仲良くしてねと言うくだりは原作そのまんまなのでほぼ原作に直結してると言っていい。
  • デザインとしてはアリスを幼くカレンを年相応に描くことで外見の差別化を図り、性格(能力)はアリスが日本語かなり喋れてカレンが片言という設定にすることで共通項を金髪で留学生という部分にのみ絞り込み、それ以外の要素での重なりを極力排除している。なのでカレンが出て来てもアリスのキャラクタが薄くなるということもない。そもそも作品のタイトルがシノを表していて(2話参照)、話も当然シノが中心となって動かされるのだからどちらかが影になるというのは有り得ない。