有頂天家族 第四話 「大文字納涼船合戦」

  • P.A.WORKSの仕事の中でも最高峰だと疑い無く言える完成度。花火合戦のところはテレビアニメということさえ忘れてしまうほど圧倒的作画力(?)で、制作現場の方もこのくらいの総力戦なんだろうなと考えられる。撃ち合いはもちろんレイアウトやキャラクタの所作、小道具から色彩設計に至るまで全てが計算されていて構築美を極めている。
  • 弁天が浴衣を着ているという描写は確か原作には無かったはずなのでアニメにする際に何者かの意思により浴衣姿になったのだろう。素晴らしい。あと下鴨家の母ちゃんがテンパった時に男役の声から素の声に戻るあたりに心打たれる。
  • 話も原作に忠実でありながらアニメの重要な山場として微妙に再構築してるので最初から最後まで休む間も無く見させる。これほどまでに勢いに拘ってるのも珍しいけど勢いがあるからといって絵作りが荒いというわけでななく、むしろ美しい部類に入ってるのが恐ろしく異常。線画を荒くするとかそういった単純な手法を使わずに、単純にアニメーターの実力で勝負しているのが伝わってきて最高だった。
  • 赤玉先生が他人を見下ろす構図は矢三郎だけではなく他の狸(ここでは下鴨家の狸のみ)にも適用されることを明確にしたので、はっきりと「赤玉先生=(元)一番偉い天狗」だと示せた。過去回想として赤玉先生と総一郎との関係も描けていたのでまさに過不足無く原作の内容を映像化したことになる。
  • 今のところFree3話が作画ベスト回だったんだけど、あれは作画だけが最高に突き抜けてるのに対して物語はいまいちだった。しかし有頂天家族4話は物語と作画の両方が突き抜けていたので暫定的にこれが夏期ベスト回に収まった。