- オタクの創作意欲というものは基本的に並外れて高いというような認識が90年代の頃は周知の事実だったが、ゼロ年代を超えて(肌感覚としては06年頃から)ネットとオタク界隈の親和性が高くなり、その上誰もがクリエイターになれる状況が整備されてきたこともあり、今や消費するオタクと生産するオタクに立場が二分された感じがある。まあ実際のところ生産するオタクというのは他の作品をきっちり消費して自分の血肉としているので、生産と消費をするオタク、消費のみをするオタクの二つに別れている、というほうが正解に近いのか。
- まあ誰もが絵を描いたり文章を書いたりして公に発表し、それに対して一定の評価をもらえる場が形成されたことにより、「生産」という行為も定義の線引きが怪しくなってきた。例えばおれがこうして誰の何の役にも立たないゴミのような文章を書きまくっていることもオタク界隈でいうところの生産に値するのか、という話で。これを掘り下げるとそもそも生産という行為は誰かの役に立ったり価値あるもののみを指すのか、あるいは消費する人間のことを考えない行為は自己満足だが立派な生産ではないのか、などと堂々巡りになる。