きんいろモザイク Episode 8 「今日はなんの日?」

  • 文化祭という一大イベントを1話で終わらせるあたりが日常系作品の贅沢なところ。あらゆるイベントが1話以内で纏まっているのでスムーズに視聴できる。4コマを一旦分解してからアニメ用に再構築しているので原作を読んでいる時とテンポがまるで違うのは当たり前なんだけど、繋がっている話でも強制的に一定の部分で区切られてしまう4コマ漫画よりも話が繋がって一つの線になっているアニメのほうがやっぱり面白く感じる。
  • このアニメ唯一の「大人」として描かれている烏丸先生の性格を子供っぽく見せて忍やカレンたちと等身大のキャラとして確立するのは前クールのゆゆ式とはまたベクトルが違うキャラメイキング。日常系の作品に出てくる先生というのはほぼ100%女性なんだけど、母性溢れる大人キャラにするのか破天荒で子供っぽいキャラにするのかという点で作品の方向性もだいぶ変わってくる。全ての出来事を子供だけで動かすことはできないので、そうなると教師という大人の存在が重要になってくるわけです。
  • 忍とアリスの関係性ってだいたいの人がここまで見たら察せられると思うんだけど、基本的に忍が天然のサディストなのでそれに振り回されるアリスがちょっとだけ不幸になる、というパターンが基本になっている。で、忍がベッドで眠ってアリスがその下に布団を敷いて眠るという忍の寝室にこの微妙な上下関係が現れていて、いくらホームステイ(居候)しているからといって物凄い仲良いはずの二人がこういう位置で寝てるってのはわりと違和感がある。
  • ベッドがそれなりに広いんだから二人で一緒に寝ることも可能だし、そもそも作者が忍の部屋にベッドを置く必要性はない。むしろ二人で一緒に布団に寝るとかのほうが仲の良さが簡単に伝えられる。今回明かされた「アリスは夜トイレに行く時は怖くて忍に付き添ってもらう」という事実やお化け屋敷で異常に怯えているシーンからアリスが夜や暗いところが苦手というのがわかるし。つまり作者は意図的に忍の部屋にベッドを置いて、意図的にアリスをベッドの下の布団で眠らせてるということになる。
  • そんなアリスと忍の関係性とは対照的に、陽子と綾のペアは綾が全面的に受けというモードを選択していることと陽子が基本突っ込み役であることが合致して全く違和感のないカップリングに見える。この二組のうち不安定な忍とアリスのほうをかき回して補強するためにカレンという存在が投入されて忍をアリスと奪い合うような展開を作った、と考えると大体のことに納得がいく。