有頂天家族 第十話 「夷川早雲の暗躍」

  • 海星と違って下鴨の母ちゃんは容姿が詳細に記述されているので原作読者の中ではあまり齟齬が生じないはずで、アニメでは活字の情報の他に「髪の毛を後ろで縛る」というオプションが追加されてるのが最高に素晴らしいという話を普通の性壁を持つ人間の前でするとあんまり納得してくれない。
  • 今回で馬鹿双子が矢三郎をハメて捕まえるところまでいくと思ったら意外にも夷川に囲まれるところまでだった。このアニメは過去回想にかなり時間を割く傾向があって、まあ確かに物語の起点は総一郎が金曜倶楽部に喰われてしまうよりさらに前のことなので、取り組みとしては間違っていない。
  • 井戸の底に潜って思索を巡らせる、というのは『ねじまき鳥クロニクル』の主人公を髣髴とさせる。あちらは光の差さない完全な闇の中で主人公が思案するものなのでベクトルは違うけれど。
  • 総一郎が囚われて鍋にされて喰われてしまう過去に関しては弁天が夷川早雲と同レベルの悪人のように描かれているのがやや残念だった。弁天というのはあの時点だと普通の人間のように狸を狸という動物としか思っていないので、早雲のようにハメてやろうという気持ちは一切なかった。おれたちがや豚を育てて殺して食べるのと同じ感覚で狸に接していたはず。