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げんしけん 二代目 11話 「いい最終回だった」

  • この時のために今までげんしけんを見てきたのだと思わされるような説得力のある完成度。アニメの中では4年越しくらいなんだけど、現実世界では約10年越しに斑目が春日部に思いを伝えられたということになる。結果は完全にわかりきっていたけれど、それでもここまで漕ぎ着けて自分を縛り付ける過去にしっかりとけじめをつけたことで斑目げんしけんという場所からようやく解放された。タイトルのようにこれが最終回であってもよかった。
  • コンテと演出がここまでエモーショナルなのは極めて珍しくて思わず鳥肌が立ってしまった。コンテがほとんど人間の視点を意識しているアニメ自体最近あまり見掛けないんだが、部室へ続く細い通路を春日部視点で描いたところからもう既に「ほとんど第三者目線で斑目と春日部の物語を描くことをやめた」というフェーズに移行していたのに気付くのには多少時間がかかった。
  • 15分以下のBパートにげんしけんの全てが詰まっていると言っても過言では無い。オタ的な要素を詰め込んだげんしけんは表層であって、その奥に詰まっているのは不器用な人間たちが不器用にしか表現できない所謂青春のワンシーンであり、大人になった時に本来卒業していくはずのそれに斑目も、そして春日部もようやく向き合い新しく一歩を踏み出せた。
  • 恋愛関連の話で泣けるというのはあんまり無くて、それは男女の別れ=今生の別というわけでもないし、逆に苦難を乗り越えた二人が結ばれてもそれはそこまでの話でむしろ大事なのはその後だろ、という考えがあるからなんだが、このげんしけんにおける斑目の片思いというのは恋愛というよりげんしけんに囚われた自己の解放、本当の意味で子供を卒業して大人になっていくその過程を描いたものなので、おれのように恋愛落涙に懐疑的な人間の心も余すこと無く揺さぶってくる。斑目はヒーローでもヒロインでもなくて、げんしけんという鬱屈した青春の広がる世界が具現化した存在なのだと改めて思った。