戦姫絶唱シンフォギアG EPISODE 13(最終回) 「遥か彼方、星が音楽となった…かの日」 &総評

完全に主観なんだろうけど1期よりかなり面白くなっている気がしました。設定は細かく練られているわりに脚本は荒削り丸出しというB級感たっぷりのアニメであることは変わらないけど、クリスが仲間に加わったことでより友情という絆的側面が強化され話にも奥行きが出てきた。最初からラスボスを完璧に定めておくというのもシナリオの安定感を確実なものにしており、一気に3人も歌いながら闘うキャラを投入してもまったくふらつくことはなかった。

クリスが仲間になったことで響が主役だった1期に比べ、響・翼・クリスの全員が均等に主人公であるように見えるし、敵であるはずのマリア・切歌・調もまた視点を変えれば主人公であるように見える。1期で見られなかった繊細さがこの絶妙な匙加減に生きており、最後には共闘して巨悪を倒すという展開に無理なくもっていった。1期の勢いに上手く精巧さを乗せて、近年稀に見る前作越えを果たした。

最終回で司令がウェル博士に言った「お前を殺して英雄や悪魔にはさせない、普通の人間として裁いてやる」という台詞とかが最たる例なのだけど、シンフォギアにはごく稀に皮肉一切なしに物凄く格好良い台詞が存在していて、2期では2話に1回というハイペースでそれが出現していた。これらの台詞が成立する背景には「大人がしっかり大人としての役割を果たしている」ということがある。響側の大人はもちろん、マリア側におけるただ一人の大人、それも母親的役割だった(ウェル博士は最後まで見ればわかるとおり精神年齢が子供に近い)ナスターシャが最後に責務を果たして月の軌道を元に戻した。

最後の最後で1期の劇中歌だった虹色のフリューゲル(全員歌唱バージョン)を流すというのはシンフォギアという物語の総括という感じで素直に良かった。変なバラードとかではなく1期の最初に流れたこの曲を2期の最後にもってきたことで、本当に終わったのだということを強く実感させられる。ネタ的な楽しみ方もできるし真面目にガッツリ楽しむこともできる器の広いアニメだった。