とある科学の超電磁砲S #24(最終回) 「Eternal Party」 &総評

1期のオリジナルストーリーも良かったけれど2期もそれに劣らない、むしろ「決戦」という点ではまさしく総力戦といえる2期のほうが迫力をダイレクトに感じられた。最終回では今まで登場したキャラクタがほぼ全て結集したうえに今までの主題歌も大量放出(OP曲で「only my railgun」だけ流さなかったのは1期最終回と被ってしまうのを避けるためだろう)。これで燃えない理由がない。

2クールという長い尺があったからこそ妹編にある程度の余裕が生まれて、じっくりと美琴が絶望の淵から(上条当麻の手を借りて)這い上がって希望へと突き進んでいく様子を克明に描くことができた。その余裕のある時間の使い方から後半のオリジナルストーリーは大丈夫なのかという不安もあったが、少ない話数の中で上手く起承転結整えて纏めてあった。

レールガンの主役は言うまでもなく御坂美琴なんだが、1期では黒子・佐天・初春を含めた4人全員が主人公というような扱いで、見せ場もほとんど均等に与えられていた。それに対してこの2期では美琴を中心として他のキャラクタが動く、というフォーメーションだった。どちらにも違った良さがあるので優劣をつけることは出来ないが、圧倒的カタルシスを得られたのはこの2期の方だった。

全体通して作画や演出が高レベルで安定していたのも評価できる。JCの中でもトップクラスの人材をコンテ演出にまわすことで常に綺麗かつ勢いのあるアニメーションを維持できていた。特に佐山聖子のコンテと高島大輔の演出は突出して良かった(その2人が集まった14話がこの2期の頂点)。23話と24話(最終回)が吉野脚本だったので非常に不安だったのだけど、監督の長井龍雪がしっかり手綱を握っていたおかげで話が大きく逸れることもなかった。総じて1期同様エンタテインメント性溢れる素晴らしい作品だった。時間がかかってもいいのでぜひ3期を同じチームで制作してもらいたい。