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凪のあすから 第一話 「海と大地のまんなかに」

一般的なアニメがしっかりしたシナリオの中に少量の違和感を含んでいるというバランスで成立しているのに対して、このアニメはどこまでも違和感だらけでそれがこの世界における普通であり真実であることを無自覚に肯定させられる。例えば設定の時点で無重力の世界を作ってしまえばキャラクタが常に浮いていることは現実世界で考えると違和感しかないが、その世界においてはそれが当たり前に見える。普通も異常も創作者の匙加減でどうにでもなるのだからこれらは結局一番遠いようで実は一番近い要素だし、上手くバランスを取ればどんな類の作品でも生み出せる。

地上とか水中とかそこら辺の初期設定について全く触れられないまま話が進んでいくので、恐らくこの世には水中で生活している人間と地上で生活している人間の二つに種族が分かれていて、両者の間には多かれ少なかれ溝があってそれを埋めていくことが1クール目におけるテーマなのではと推測できる。地上の人間と水中の人間、大枠で見た時に種族的にどちらが劣っているのかという問題は主人公のモノローグで解決してしまった。

まあ元々水中で生活してた人間が頑張って地上に出た結果様々に文明を発達させていった、という話なら地上の人間がエリート・選民意識を持つのもわかるし海の人間を劣等種のように見下すのも然もありという感じなんだが、お船曳き(字がわからん)とかいう儀式があるんなら海の人間に対して畏怖の念のようなものは確かにあるわけで、大人たちは儀式を形式上のものと認識しながらもずっと継続させていて、それに対して光たちが転校してきた学校の生徒たちはそうした感情を抱いていないように見えて、ここに世代のズレとか現実的な話が見え隠れしている。

主要4キャラの関係性が岡田麿里の趣味嗜好丸出しで胃もたれしそうになるのは今後に期待するしかないか。ここに地上の人間である紡を加えることで泥沼化する未来しか見えないのだけど、光の性格が改善されるかまなかが他者の干渉や支えを断ち切って自己主張出来るようになればあるいは。個人的には要が岡田脚本の毒牙にかかって感情を剥き出しにするところを見てみたい。2クール作品の初回なので取り敢えず5〜6話くらいまで見ないと何とも言えない。