ゴールデンタイム 第01話 「スプリングタイム」

タイトルがゴールデンタイムだからといって夜の7時〜10時の時間帯にやってるわけでもないのが肉体年齢おっさんには少々つらくもあるわけですが、まあそんなことは関係なく普通に楽しめました。竹宮ゆゆこが未だにとらドラの鎖を断ち切れていないのは残念なところだけど、こうした女性優位の関係性からどのようにして男女対等なところまでもっていくかというその過程にこそ竹宮エッセンスがつぎ込まれるので、上手く軌道に乗るまで見届けておかなければならない。

原作者が同じなので否が応でもとらドラと比較して視聴することになるのだけど、とらドラでは元気いっぱい純情少女だった櫛枝みのりが何かの間違いで別のルートを辿ってしまったら(大河の影響を受けて性格が変わってしまったら)この香子のような人間になってしまうのだろうかと想像したら背筋が凍った。声が両者とも堀江由衣というのはやはり制作側が狙っているのだろうか。主人公のキャラは友人の男と足して2で掛ければ竜二になるんじゃないのという感じだったけどこれは回を重ねれば消えてなくなりそうなファーストインプレッションだな。

ヒロインが最初は別の男に夢中で、そのヒロインに半ば無理矢理に付き合わされる主人公という構図から早めに抜け出してとらドラとの差別化を図ってほしいところ。あとギャグパートの演出が滑ってるのとか声優の演技とか色々改善すべき点はある。しかし大学生という比較的自由度の高い設定なのでとらドラのような泥沼に沈むこともなさそう。キャラデザは男がちょっと幼く見えるけど女の方は絶妙に大学生っぽさを醸し出してて良かった。

全体的にはまだ始まったばかりなので様子見。発展途上の雰囲気はあるけどここからどうやって普通のラブコメから抜け出していくかが最大のポイント。とらドラは本来秘められるべきはずの感情を途中から全て剥き出しにしたことで圧倒的シリアスとカタルシスを手にいれ武器にしたが、この作品は主要キャラクタがある程度成熟した年齢ということもありそういった爆発のさせ方は難しいだろう。あとOP・EDに関してはかなり良かったので2クール目以降も変えずにそのままでいてほしい。