健全ロボダイミダラー 第1話 「揉め!ダイミダラー出撃!」

こういう馬鹿みたいなアニメが1クールに1つは必要だという認識のもと生きているのでこのアニメの存在は非常にありがたい。前期だと生徒会役員共がその役目を担っていたが、このアニメは役員共と違って紳士的要素がそのまんま提示される上にどこまでが本気なのか分からないという、HDDとそらおとを足したような作風で好感が持てる。馬鹿なことをする時には行為者本人も馬鹿にならなければいけない。その意味でやはり吉岡たかをにシリーズ構成を任せたのは正解だった。

最近の潮流の爽やかな主人公とはかけ離れたような濃い顔濃いキャラの主人公。ここは昭和かと疑いたくなるようなベタな展開とベタなギャグでどう考えても2014年にやるようなアニメじゃないんだが、この時代錯誤っぷりが絶妙に効いてくる。どこまでもふざけた敵のデザインとか見てるだけで頭悪くなりそうなのに、全部笑って流せるのは決して我々が大人になって悟りを開いたわけではない。作品がそうさせるのだ。

本当に徹頭徹尾馬鹿なことしかしてないのに気付いたら真面目な展開になってるし、音楽は往年のロボットアニメを彷彿とさせるパワーを誇っている。違和感だらけのこの状況は間違いなく従来のロボットアニメに対するアンチテーゼが生み出したものだろう。従来のロボットアニメに対して特に思い入れのないおれのような人間はむしろこういうロボットを小馬鹿にしたような作品のほうに惹かれる。それが健全化どうかはともかく。

1ミリたりとも脳を使う要素がなくてながら見でも問題ないのに気付いたらずっと見てる、この意味のわからなさに自分でも納得出来ないし、そもそもこんな低俗極まりない作品を本当に自分の限られた時間を削ってまで見るべきなのかという根本的疑問が湧き上がるが、限られた時間だからこそこのどうしようもなく馬鹿みたいな作品を見なければいけないのだろうという気もする。常に何か考えていなければならない時代において「何も考える必要のないアニメ」は無形文化財になり得るのではないかと思います。