ブラック・ブレット #01 「最後の希望」

最近のラノベ原作アニメの酷さは目に余るものがあるのでさほど期待せず視聴することに決めていたためか、そこまで自分の中で落胆のようなものはなくて、ああこんなもんだろうな、というどちらかというと好感に近い手応えがあった。初っ端からハイスピードで物語を展開させるのは非常にリスクの高い行為だが、設定が複雑でない作品ではリスク少なめで効果を発揮できる。

能力バトルのフォーマットにサスペンスものを組み込んでいて、方向性をハードボイルドにすればこれ『サイコパス』になる気が。そういえばサイコパスも今年あたり劇場版が公開されるらしいですね。最近この手のジャンルが静かに盛り上がってる感覚があるが、この『ブラック・ブレット』は微妙にどこのジャンルにも属さないような距離で立ち位置を確保している。様々な要素を突っ込んでいながらバランスが崩れていないのは面白い。

今期は戦闘メインの作品が乱立しているが、その中でも頭一つ抜けた出来だと率直に感じた。タイトルとパンデミックのせいで脳内にブラッディマンデイの影がちらつくが、あれは頭脳戦に比重が置かれているのでこのアニメとはベクトルが違う。イニシエーターである延珠の存在が単純なバトルものに留めず、明確に生命の終わりが設定されていることも時間の重さを感じさせる一因として機能している。

取り敢えず今期の中では案外上位クラスのほうに位置する作品だった。OP・EDともに良かったし6月にはこのアニメがトップということも充分にあり得る。