最悪リックのパンを覚悟していたのだけど、どうやらあの悲劇が再び繰り返されることはないらしい。終始穏やか且つどこかファンタジックな空気を帯びて物語は進んでいく。こうした異世界における穏やかな雰囲気は名作ARIAを想起させるが、あれから10年近く経っても未だにARIAと同じジャンルでARIAを超える作品は生まれてきていない。
『エスカ＆ロジーのアトリエ』というタイトルから分かるとおり、このアニメはアトリエシリーズの系譜に連なるのだが、おれはそもそもアトリエシリーズの原作ゲームに触れたことがないし知識もないので同系統の作品と比較して語るということができない。そのため単純にこのアニメを見ただけであらゆることを判断しなければならない。
毒にも薬にもならない作品になる、ということが今の段階で最も恐れる結末。この教育番組で流れていてもおかしくないような作風の中でどれだけ山場を作れるか、盛り上がるところはしっかりと盛り上げてほしいし、かといってリックのパンみたいな後半雑展開にもっていかれても困る。とにかく脚本のバランス感覚が問われるアニメだ。構成が浦畑達彦なのでまあそこまで酷いことにはならないだろうとは思うが監督岩崎の方がミスりそうで怖い。
