遅れたのではなく、早すぎて遅く見えるのである……
【海外】
19.Weyes Blood『Titanic Rising』
18.Tyler, the Creator『IGOR』
17.Carly Rae Jepsen『Dedicated』
15.HENRYK GORECKI『Symphony Of Sorrowful Songs』
12.Bloodbound『Rise of the Dragon Empire』
11.Lust For Youth『Lust For Youth』
10.Kyle Dion『SUGA』
9.SUNDARA KARMA『Ulfiras' Alphabet』
8.While She Sleeps『So What?』
7.Billie Eilish『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』
6. Fat White Family『Serfs Up!』
2.Vampire Weekend『Father Of The Bride』
こんな化け方するとは思っていなかった人、たくさんいるのではないでしょうか。ドラ6くらいで獲った内野手がトリプルスリー達成したみたいな。育成出身のお化けフォークみたいな。片鱗は前作にあったといえばあったけど、こう大物アーティストみたいな化け方をしてくれると流石に興奮を隠せません。というわけで不動の1位です。強すぎる。
【国内】
20.ZORN『LOVE』
結局愛なんだよな。
19.集団行動『SUPER MUSIC』
「1999」ですよ。みなさん。「1999」を聴きましょう。話はそれからです。
18. 小倉唯『ホップ ステップ アップル』
声優が声優として出す曲は好きなんだけど、声優アイドルがアイドル寄りで出す曲はたいていあまり好きになれなくて、それでもこの人の新作は毎回自分の中のボーダーラインをちゃんと超えてくる。
17.笹川真生『we are friends』
music.apple.comきっとあっという間に売れていってしまうのでおれは早めに目を付けていたぜという謎アピールをしたい。それはともかく最高だった頃の女王蜂っぽさがあって本当に良い。
16.フジファブリック『F』
「手紙」で99点みたいな感じです。「破顔」「LET'S GET IT ON」「恋するパスタ」「東京」とかも良いんだけど。
15.私立恵比寿中学『MUSiC』
明日もきっと70点だけどそれでいいんだよな、おれは90点取ろうと頑張って70〜80点で小さく収まるタイプなのでグサグサと刺さってきてしまった。エビ中といえばそのバックグラウンドにはどうしても哀しみが付き纏ってしまうんだけど、そういうものを払拭しにかかる圧倒的な陽のパワーがあって最高。通勤の時に車で「明日もきっと70点」を流すと大体のことは何とかなる。
14.中田裕二『Sanctuary』
毎年アルバムしっかり出せてコンセプトを少しずつ変えてきてるの、流石としか言いようがないんだけど、どう考えてもこの人の完成形は『Back To Mellow』なのでこの路線で作り続けてほしいんだよな…
13.ドラマストア『DRAMA STORE』
あれこんな良い曲いっぱい作るバンドだったっけ、という嬉しい誤算。この路線でいいぜ。
12.LUNKHEAD『plusequall』
ランクヘッドだからこの位置にしたみたいなところあるからな!!!!!これが新人中堅だったらランク外だぞ!!!!!ずるい!!!!!
11. tipToe.『daydream』
3年で強制的に卒業しなければいけないアイドル、コンセプトはすごい分かるんだけどアイドルに救いを求めるおれのような人間はつらいんですよ。ましてこんな名盤を出した後でそのパフォーマンスをする人達が4人も抜けるというのは大きな損失です。1〜5曲目レベルが最後まで続いていたら本気で今年度1位だったかもしれない。
10.BURNOUT SYNDROMES『明星』
10年前まで住んでいたアパートをふと思い立って見に行ったら、まだアパート自体は存在しているものの、表札には知らない人の名字が記されていて、ここはもう自分の知っている場所ではないのだ、という感覚。ちなみにもう一つの住んでいたアパートは古過ぎて取り壊されて空き地になっていました。気付かないうちに訳の分からない場所に行くタイプのバンドになってた。
9.GRAPEVINE『All The Light』
さらば青春の光はもうキングオブコントに出ないんですかね?M-1でいう笑い飯的なポジションに収まると思っていたのに。面白くなかったことがない芸人なのに優勝できないの、何がダメなんだろうな。おいでやす小田とかおれの中ではもう3回優勝してるよ。和牛は2016年優勝でしょ、人志松本さん…
ずーっと惜しいところまでいっているのに陽の目を浴びないつらさ、ようやく少しだけ分かるようになってきました。というわけで自分の中でずっと陽の目を浴びてこなかったバンドNo. 1のGRAPEVINEがここに来て優勝してしまいました。「すべてのありふれた光」はポップスと芸術性の両立。聴かないで死んでいくのかお前たち。
8.フィロソフィーのダンス『エクセルシオール』
ゴッドタンか何かの番組で平成ノブシコブシの徳井が紹介していた記憶があるんだけど幻覚かもしれない。スパイスを馬鹿みたいに使ったカレーばっかり食べているので脳がぶっ飛んでいる。およそアイドルとは思えないグループ名のアイドルほど高品質な音楽を作っている法則、まだ生きてるぞ。自宅でヘッドホンで聴くよりも、夜の車の中で聴いた方が効力を発揮するタイプのアルバム。
7.水瀬いのり『Catch The Rainbow!』
ライブを意識しているアルバムってまじで聴いたら一瞬で分かるんだけど、「ライブで一緒に盛り上がる」のか「ライブで客のテンションを上げる」のか「ライブで自分たちがテンション上がる」のか、どのへんを目的としているかで好みが変わるんだけど、おれはどれもそんな好きじゃないんだよな、ごめん。極論だけどライブ全然意識してない音楽が好き。だからLampはいつだって最高。
6.椎名林檎『三毒史』
高校の文化祭で個人あるいはグループで出し物をする時間があって、みんなカラオケやったりギター弾いたり馬鹿みたいにふざけている中で、1人だけ椎名林檎の「ギプス」をピアノで弾き語った女の子がいて(優勝してました)、今でも折に触れて思い出すんだけど、おれはもしかしたらああいう人間になりたかったのかもしれない。
5. MINAMI NiNE『IMAGINE』
「群青」のミュージックビデオはもう観ましたか?観ていないなら観ましょう。時代は令和になったというのにこんなベタかよというくらいベタなストーリーなんだけど、2サビ終わり間奏からのラストサビ入りがまじで最高なので観ましょう。女子高生×ドラムの尊さな。WANIMAが売れてから一気に興味が無くなったおれに希望を抱かせてくれた彼らが売れたらどうなるんだろう、おれは…
4.神様、僕は気づいてしまった『20XX』
あんまり姿を隠す必要はない感じのバンドだと思うんだけど(明らかに商業ベースに乗せようとしたオオカミとは違って)、あの感じの姿で演奏しているミュージックビデオとか見るとちょっと良いなと思うでしょ。FACT再結成してくれねえかなあ…
3.東京女子流『STARTING OVER!』
ライブアルバムの良さをあんまり分からない人間なんだけど、これに関しては初期からの成長を感じられるという一点において限界突破しているので是非聴きましょう。「キラリ」とかもはや別曲です。上半期はこれ聴きながら2時間のドライブをしてましたね…
2.乃木坂46『今が思い出になるまで』
アイドルにハマる理由、人それぞれだと思うんだけど、おれは乃木坂日向坂に少年漫画の要素と精神安定の要素を感じたからで、どっちかに興味がある人間は『乃木坂って、どこ?』『ひらがな推し・日向坂で会いましょう』を見ると一瞬で沼にハマります。やっていきましょう。
アルバムの方は安定して良曲が並ぶんだけど「泣いたっていいじゃないか」が収録されていないので2位です。何故この名曲を入れなかったのか1mmたりとも理解できないんだけど誰か理由を教えてくれ。
1.King Gnu『Sympa』
ダサいのがとにかく大好きで、歌謡曲っぽいものが好きなのは祖母宅で演歌聴いてたからなんだろうけど、そういうダサさもそうだし、狙ってやっているわけではないダサさがとにかく好き。あとミュージシャンは尖ってたりイキっててほしいんだよな。人間性と音楽には何の相関関係もないので。つまりダサくてイキってる音楽は最高なので、どう転んでもKing Gnuは最高なんだよな。ボーカル井口がラジオでたまにポルノグラフィティとかカバーしてるけどあれもいいよな…
2019年上半期の時点で勝負ありという感じのラインナップでした。国内外ともに上位3つは動かしようがないので、これを超えるものが出てくるかという話なんだけどそんなことがあるんかい、、、と感じているのでアレです。
C DuncanとかFlumeとか東京女子流とか、今までサラッと流していた人びとが化け物みたいな作品をサラッと出してくるので、やはり音楽というのは面白いなと思うわけです。未だに手癖で曲作ってる作家もいるけど、LUNKHEADとかPUPとかはもうそれで良いし、次に何を出してくるか全くわからないKing GnuやVampire Weekendがしっかり売れているのは健全な業界という感じがする。
もう別にCDが売れなかろうが世の中にはストリーミングサービスもクラウドファンディングもあるし、専業ミュージシャンじゃなくても音楽をやれるしそのハードルも下がっている。CDの売り上げというのは無数にあるうちの指標のひとつに過ぎなくて、そこにいつまでも囚われている人びとがアイドルのCDの売り方が下品とか言うわけですが、CDはグッズでありコレクターアイテムでしかないのですよ。おれなんてアップルミュージックの恩恵を受けまくっているぜ。音楽の良さに優劣をつけられるのは個人であって世間一般の評価としての優劣なんてのは音楽が生まれた時から付けられないのである。
おれの好きな曲やアルバムやアーティストはおれ以外の人間に全く理解されなくても問題はないのだ。おれはライブで騒いだり家族友人恋人とのコミュニケーションツールとして音楽を聴いているわけじゃない。おれという個の人生を一時的にドーピングするための存在なのだ。
しかしそんなアーティストたちも金が無かったら活動出来なくなってしまうのでやっぱりめっちゃ売れてほしい。そんな感じです。