The 50 Best Albums of the 2010s

海外編です。



50.Iron & Wine『Ghost on Ghost』

大学4年生で特にやりたいわけでもない仕事に就くことが決まった時にすごく聴いていた記憶があって、やりたくねえ〜やりたくねえ〜と思っていたら2年で辞めることになったという感じです。



49. Iceage『You're Nothing』

大学3年生の最後の方(年明け)に出て、卒業したら労働の奴隷じゃん〜死〜と思って聴いていました。おれには何もない。



48.Titus Andronicus『The Monitor』

大学1年生の年に出て、「出たくない時に授業出なくてもよいの最高〜」と浮かれながら聴いていたら出なかった講義の単位を落とした思い出があります。



47.Forest Swords『Engravings』

なぜか出た時ではなく、最初の仕事辞めて次の仕事どうすっかなーと思いながら無職生活を満喫していた時に聴いていた記憶の方が強い。



46.Andy Stott『Luxury Problems』

出た時が確か大学2年生で、タワーレコードの試聴コーナーに陳列されていたのを手に取って、そのまま買って家で買ったばかりのヘッドフォンで聴きまくっていたような気がする。違うかもしれない。



45.Savages『Silence Yourself』

これからは女性の時代云々みたいな気運や言説が高まっていた時に出た気がする。当時大学3年生のおれはそんなことより早くベーシックインカムを導入してくれと思っていた。



44.Bloc Party『Four』

サイレントアラーム以降聴いてなくて、久し振りに聴いたらこれはこれでええやんけと思っていたら海外メディアから悉く酷評を喰らっており「やはり自分の感覚を信じるしかない」という気持ちになった。



43. Danny Brown『Old』

海外のヒップホップをちゃんと聴けるようになったのが2016年頃だったので、そこに至る基礎を作ってくれたアルバムという感じで思い入れが深い。



42.James Blake『James Blake』

こんな音楽を作れたらもう死んでもいいやとおれは思うんだけど、ジェイムズブレイクは死なずに傑作を次々作っているのですごい。おれはこんな音楽を作っていないのに死にたい。



41.Grizzly Bear『Shields』

前作の方が評論家人気は高かったぽいけどおれはこれが断トツで1番好きです。悲しいのはこのアルバムの良さを語り合える人間がおれの周りにいないという事実。



40.phoenix『Bankrupt!』

ここまでアジア(中華)風のエッセンスをちゃんと自分たちの音楽の中に取り入れられているの凄くないですか?みんな聴きましょう。



39. Justin Timberlake『The 20/20 Experience』

菅田将暉とか桐谷健太とか俳優のやってる音楽活動に一切興味ないし聴かないんだけど、福山雅治は時折聴くんだよな。古畑任三郎のおかげです。この人のアルバムもちゃんと聴いています。



38.Linkin Park『Hunting Party』

もう生で聴くことはできないが、この世にある全ての楽曲はいつかは生で聴くことができなくなる。そういう当たり前のことに気付くのが遅すぎたのだ。



37.The Strokes『Angles』

なんだかんだでおれは毎回リリースされるストロークスのアルバムを楽しみに聴いているし、毎回平均点以上を叩き出してくれるから好いている。



36.Deerhunter『Halcyon Digest』

酒を大量に飲んだ後で聴くことにより真価が発揮される天上の傑作です。意識を天に飛ばしましょう。



35.Foxygen『hang』

これを2017年の年間ベストに選出していないメディアや個人ブログは一切信用しなくても大丈夫です。おれとFoxygenを信じろ。



34.Cloud Nothings『Here & Nowhere Else』

普段口数が少なく大人しい勉強得意スポーツあんまり得意じゃない優等生がブチ切れた感じが本当に好きです。おれたちはもっとブチ切れるべき。



33.SWANS『The Seer』

こういうアルバムが数年に1枚出るとまだアルバムというコンテンツは価値があると思えるんだよな。まじで長いので時間に余裕があって精神が落ち込んでいる時に聴くと沼にハマれるぞ。



32.Real Estate『Atlas』

とにかく全曲良いのだけど特にリードトラックが最高で、これを聴くとしばらくは他のアーティストの曲を聴いてもイマイチに感じるので、聴き時が肝心。



31.Santiago Beis『Univer-Som』

茶店でこれを聴きながらこの10年代総決算の記事を書いています。基本的にどんなメンタルの時も聴けるという、ありそうでないポテンシャルの高さをもっているので様々な場面で聴きましょう。



30.Carly Rae Jepsen『Emotion』

これまで全く聴いていなかったのに「Making The Most Of The Night」一発聴いただけでハマったので、人間どんなタイミングで何にハマるかなんてわからないし、とにかく色々な経験を積んでいくのが大事だと思うわけです。なので今の仕事を辞めて別の仕事に就く予定です。



29. MY CHEMICAL ROMANCE『Danger Days』

ロッキンオンの2010年ベストでなんか凄く高いランクだった覚えがある(アーケイドファイアが1位)。この年のベストつったらLCDじゃないのという気がしたんだけど、思い出したように時折聴くのはこのアルバムだったりする。



28.Monkey House『Left』

前の仕事を辞めて今の仕事に就いた、1年目の試用期間(?)に出勤する車の中で聴いていた。これを聴くと出勤前の焼けるような胃の痛みがスーッと引いていくんだよな…もうすぐ辞めるけど…



27.Anthony and the Johnsons『Cut The World』

2012年、まじで海外の大豊作期という感じで、アニコレもテームインパラもダーティプロジェクターズも良いわ〜というサブカルクソ野郎感を出しながら肩で風を切ってタワーレコードを闊歩していた記憶があるんだけど、それにしてもこのアルバムは良すぎませんか。



26.Julianna Barwick『Nepenthe』

明日が来るのがつらくて眠れない私と皆さんのための音楽です。寝る前、寝る時に聴いてつらいことが分かっている明日に備えましょう。



25.Red Velvet『The Velvet』

この人たちのおかげで韓国のポップミュージックの文化や素晴らしさを少しでも理解できたのでめちゃくちゃ感謝しています。ペ・ヨンジュンで止まっていたおれの韓国のイメージをアップデートしてくれてありがとう…冬のソナタ



24.Wild Nothing『Nocturne』

アルバムのアートワークがめちゃくちゃシャレオツだと音楽がアレでもトータル得した気持ちになりませんか?おれはなりません。アートワークがめちゃくちゃシャレオツで音楽がめちゃくちゃ良い、こういうアルバムがめちゃくちゃ好きです。



23.RADIOHEAD「A Moon Shaped Pool」

レディオヘッドというだけでポイント2倍くらいになるのでおれはおれのことをあまり信用していないのだけど、もともと100点満点中90点くらいなのでそりゃ強いわという感じです(助けて、助けて、助けて…)



22.Bon Iver『Bon Iver』

良い音楽についてあれこれ語ること自体がだせえ、いい音楽に言葉はいらねえ、黙って「良い…」と言えばそれで良いんだという極めて当たり前のことを思い出させてくれる。つまりここまでダラダラ書いているおれの文もだせえということである。死。



21.Nile Rodgers & Chic『It's About Time』

踊っているのではなく踊らされている、音楽も労働も同じです。気をつけて。ただ違うのは、労働に踊らされると死ねやクソという気持ちになるのに対し、音楽に踊らされるとハー最高〜という気持ちになります。ナイルロジャースに踊らされると特にそういう気持ちになれます。



20.Converge『All We Love We Leave Behind』

大学3年生で自動車学校に通ってて、性格最悪の教官に当たった日の帰り道で「法律が許せば1発顔面殴る」と思いながら聴いていました。だいたいの人、法律が許せば顔面殴る!と思う相手、いるんじゃないですか。おれは17人います。



19.Sigur Rós『Kveikur』

シガーロスといえば心の安寧を齎してくれるアーティストという印象だったんだけど、このアルバムはそういう音楽性と対極の位置にあって、こりゃ安寧はないけど冒険はできるなとえらいワクワクしたものだった。



18. Jannabi『LEGEND』

聴くたびに良い曲揃ってるなーと思うんだけど聴いて3日でどんな曲があったかほとんど忘れてしまう。忘れてしまうのでもう一回聴くと良い曲揃ってるなーと思う。その3日後くらいにどんな曲があったかほとんど忘れてしまうので、もう一回聴く。



17.Now And On Earth『Blacked Out』

まじで今何をしてるんだバンド暫定王者。この最高傑作を作ってしまったが故に次作に悩んでいるのか、それともひっそり解散してしまったのか…わからない、おれには何もわからないんだ…



16.Tame Impara『Lonerism』

好きすぎて訳のわからないタイミングで聴き返すことが多々あるんだけど、それが友達の結婚式の前だったり、めっちゃ腹痛い時だったりするので、やはり素晴らしい作品というのは聴くタイミングを選ばないのであるなあ(字余り)



15.Fall Out Boy『Save Rock and Roll』

気付いたら1曲目がM-1敗者復活戦のテーマソングになってておいおいマジかよ見つかっちゃう〜と思ったけど未だに日本で浸透しきってないの、まじで何なんだよ。おれが漫才師になったら入場曲に使おうと思っていたのに。



14. Dirty Loops『Loopified』

海外でこういう各プレーヤーの個性が際立っているけどぶつかり合っていないバンドって中々いない気がするんだけど多分おれが知らないだけだし、Roller Coasterは2014年ナンバーワントラックだし、早く次のアルバムを出して欲しいし…



13. Solar Bears『Supermigration』

このアルバムもそうだし、このアーティストもそうなんだけど、年間ベストアルバムやベストトラックに入っているところを全く見たことがなくて、この世界でおれだけが評価高いのかという疑問がある。それはともかく「Love Is All」だけでも聴いていってほしくて、やっぱり愛なんだなあ〜というマインドにシフトできるので最高です。



12. Christopher Owens『A New Testament』

ガールズ時代の曲がめちゃくちゃ好きで、解散してソロでやるとなった時はめちゃくちゃ不安で、ソロ1発目の『Lysandre』はイマイチで、やっぱこれ駄目なパターンじゃん…と思っていたらその僅か1年後に出されたこのアルバムが死ぬほど傑作でまじで何なんだこいつ…とおれの感情を3年近く弄んだ男の死ぬほど傑作のアルバム、死ぬ前に聴いてくれ。



11.Whitney『Forever Turned Around』

2013年の傑作『Soft Will』をこの世に産み落としたSmith Westernsの解散がおれに与えた衝撃は、2つ目の職に就いてから1年後におれが「この人に付いて行こう…」と思った人たちが全員転勤した時の衝撃と同程度だったという。しかしこのバンドは傑作しか作らないし(ボーカルがまじで最高、海外の男性ボーカリストの中で1番好きかもしれない)、今年出たばっかりのカバーアルバムもカバー元全員喰うという出来だし、星野源も推してるし、早く日本で爆発的に売れてくれという感じですね。



10.St.Vincent『Strange Mercy』

Chloe In The Afternoon」「Cruel」「Cheerleader」のオープニングC三部作でノックアウトされないやつ、この世にいるなら出てきてくれという感じで、しかもそこからずっとこのクオリティの曲が並ぶという訳の分からないアルバム。複雑な展開の曲のくせに必ずどこか目が醒めるくらいポップでキャッチーな瞬間があるのが、天才が天才たる所以だと思い知る瞬間でもあります。



9.C Duncan『Health』

『Architect』『The Midnight Sun』の時にはほとんど感じなかった圧倒的ポップセンスが爆発しており、1人のアーティストが覚醒する場面に立ち会えたことが非常に嬉しかった。オーガニックでもあり、オーケストラでもあり、ポストロックでもあり、ゴスペルでもあり、ダンスミュージックでもある…



8.Fucked Up『David Comes To Life』

とにかくボーカルを見てほしい。ボーカルの存在感があるバンドはそれだけで最高。曲作りの核はギターが担っているのも最高。アートワークも最高(クリスティの『ヒッコリーロードの殺人』ぽい)。コンセプトアルバムなのに1曲1曲がシングルカット出来るレベルで強いのも最高。トータル70分くらいあるのに一切中弛みしないのも最高。



7.Metz『Metz』

とにかく今1番ライブを見たいバンド。というのを8年前からずっと言ってる。来日した時は東京行けねえよクソがという感じの日程だった。しかしこの日常が失われた状況で、どんな日であろうともライブが観たけりゃ仕事バックれてでも東京行ってライブ観に行っておくべきだったと後悔している。あれから3枚くらいアルバム出してるけど、このアルバムが今でも1番最高。常に緊張感が漂う30分間、1度体験するともう元の日常には戻れなくなる。



6. La La Land『Original Soundtrack』

ララランドという映画自体は「普通に好き」くらいの感じなんだけど、このサントラ自体は涎出るくらい好きなので、すべての映画は音楽を諦めないでほしい(?)
ミュージカルの曲自体は元々凄く好きで、そこにストーリー性とか色々なものが乗っかった結果、気付いたら10年代のマスターピースになっていました。



5.旺褔『旺情歌』

我當你空氣

我當你空氣

  • 旺褔
  • マンドポップ
  • ¥204
未だにバンド名もアルバム名も読み方が分からないんだけど、良いものは言語関係なく良いので、読み方が分からなくても良いのである。なので今後も自分から読み方を調べることはないし、誰かが教えてくれない限り読み方を知ることはないのだろう。あとミュージックビデオが素晴らしいので皆さん死ぬ前に必ず見るように。



4.Skillet『Unleashed』

2006年のComatoseからおれはスキレットにハマっている。2006年といえば古畑任三郎ファイナルが放送された年ですね。というか14年前かよ。ふざけるんじゃあないよ。14年後のおれがこんなことになっていると、14年前の古畑任三郎をワクワクしながら見ていたおれに伝えても信じてくれねえよ。なんなんだこの人生。今年度で今の仕事を辞めて新しい職に就けば少しはマシになるのか。



3.Natalie Prass『Natalie Prass』

おれのことは嫌いでもいいけど「It Is You」だけは聴いてくれ。全ての不安や怒りや悲しみを一時的に消してくれるぞ。その他の曲ももちろんトップクラスに良いのだけど、このクローザーが10年に1度の傑作クラスの曲なので、最終的な印象が「It Is You」になるのが唯一の欠点っちゃ欠点だけど、まあ「It Is You」が10年に1度の傑作クラスの曲なので、それでもいいですわ…



2.Real Estate『Days』

「It's Real」の素晴らしさを語るのには1日では足りないのである。聴くたびに毎回泣きそうになるし、たぶん精神がぐちゃぐちゃに乱れている時はガチで泣いちゃうので精神が安定している時にしか聴かないと決めている。このアルバムには望まぬまま大人になった者たちの涙腺を緩ませる曲が所狭しと並んでいるので、20代後半から30代の人に聴いてほしい。














1.Vampire Weekend『Modern Vampires of the City』

2013年、大学4年生になって労働人生が目前に迫るも(おれは労働の犬にならねえ)と抵抗し続けたあの頃。周りの同級生は就職のことしか考えていない中で、おれは後どのくらい自由でいられるだろうかと考えていたあの頃。「振り返ったら多分高校の頃が1番楽しい思い出になるんだろうな」と思っていたあの頃(実際10年以上経ったらあの頃が1番楽しかったと思っているよ〜)。雨の日自転車で駅から自宅まで帰ろうとして途中で滑って転んで膝を擦りむいて22歳のくせにおれは何をしているんだと悲しくなったあの頃。久し振りに小学校の同窓会に出たら女子の3分の1が結婚している(する予定がある)ことを知って何とも言えない気持ちになったあの頃。あの頃から今に至るまで、おれは何も変わっていないし、大人になってもいないし、結婚する気もないし、早く死んで解脱したい。そういう気持ちだけで、生きたいとも思わず自動的に生きている状態でここまでやってきた。ピッチフォークがマジでクソだと思っていたこの頃に、このアルバムが2013年ベストになっていて、奇しくもおれと同じだったことが、この年唯一の奇跡だったのかもしれない。




海外の音楽を本当にしっかり聴き始めたのが10年代のような気がする。それまでも聴いてはいたけど深く掘り下げるようになったのは、インターネットが発達して無名のアーティストが見つけられる時代になったのが大きい。海外のバンドのライブとかの映像を手軽に観られるようになったのもありがたい。一時期時代の寵児だったUSTREAMが廃れYouTubeが天下を獲ったけど、2010〜11年にUSTREAMで配信していた海外のバンドのライブ映像を今でも鮮明に思い出せる。
ランキングに入れてないけどHot ChipとかCut Copyみたいなエレクトロバンド勢とか、Amen DunesとかLust For Youthみたいな北欧勢も入れたかった。インディロックの黄金期は2009年と言われているけれど、個人的には2010〜2013年が激アツだったので、良い時代に音楽聴けてるなと思っているよ。