ようやく2016年を締める時が来た。今年は評論家がこぞって大豊作収穫祭だと息巻いているが、個人的にはそんな感じではなかった。少なくとも年間1位クラスの作品が15枚近く現れた怪物の時代こと2009年には遠く及ばない。が、年々、労働で擦り減らした肉体と精神にスーッと聴いてくる耳当たりの良い音楽にハマっていくようになり、ああこれが歳を重ねるということなのだと実感している。
しかしこの歳になって新たなジャンル、すなわちヒップホップの分野を開拓できたのは大きかった。おれは歌詞をほとんど聴かない派だったのだけど、日本語ヒップホップを聴くようになって圧倒的に歌詞を意識することが多くなった。ちなみに海外の曲の歌詞は基本的に音の一種として処理しているのでおれは未だに海外のヒップホップを好きになれない(Nasだけは超好き)。
それでも日本語ヒップホップと他の曲とではまだ自分の中での聴き方が違うので、今回はヒップホップだけ別枠で順位をつける(国内ヒップホップ、海外、国内の3つに分ける)ことにした。東京生まれヒップホップ育ちのB-BOYになりたいだけの人生だった。
国内ヒップホップ
38. T.R.E.A.M presents~田中面舞踏会サウンドトラック「LIFE LOVES THE DISTANCE」
35. Ryugo Ishida「EverydayIsFlyday」
34. ヒルクライム「Side By Side」
29. TOKYO HEALTH CLUB「VIBRATION」
28. C.O.S.A × KID FRESINO「Somewhere」
25. Hi'Spec「Zama City Making 35」
23. CHICO CARLITO「Carlito's Way」
22. 校庭カメラガールツヴァイ「Night on Verse」
21. FAKE TYPE.「FAKE WORLD」
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20. 韻シスト「CLASSIX」
18. 般若「グランドスラム」
17. ISSUGI & GRADIS NICE「DAY and NITE」
16. 田中光「ECHO CHAMBER」
15. Moe and ghosts×空間現代「RAP PHENOMENON」
14. 黒さき海斗「日常」
10. ZORN「生活日和」
9. 泉まくら「アイデンティティー」
8. Creepy Nuts「たりないふたり」
7. lyrical school「guidebook」
5. MACKA-CHIN「MARIRIN CAFE BLUE」
4. underslowjams「PHONETIC CODE」
1. p1 a.k.a. 2g×呂布カルマ「A New Misunderstanding」
宗教だっていいじゃない。生きることそれ自体が宗教だもの。みつを
というわけで呂布カルマです。新曲少ししか無かったけどp1が既存曲を新しい解釈で再構築していたのでうひょーっとなりました。2位のMAKKENZは「火葬」のPVが超最高なので見てください。
海外
50. Red Hot Chilli Peppers「The Gateway」
49. The 1975「I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful Yet So Unaware of It」
43. Rhapsody Of Fire「Into the Legend」
42. Suede「Night Thoughts」
36. Joey Purp「iiiDROPS」
mixtapemonkey.com
34. Primal Scream「Chaosmosis」
30. Andy Stott「Too Many Voices」
29. Woods「City Sun Eater In the River of Light」
27. Mild High Club「Skiptracing」
22. Basement「Promise Everything」
21. The Avalanches「Wildflower」
19. Dizzy Mizz Lizzy「Forward in Reverse」
17. UNIVERSAL MIND PROJECT「The Jaguar Priest」
15. Weyes Blood「Front Row Seat To Earth」
13. Kero Kero Bonito「BONITO GENERATION」
12. The Caretakers「Everywhere at the End of Time」
7. Weezer「White Album」
6. RADIOHEAD「A Moon Shaped Pool」
5. Julianna Barwick「Will」
4. The Jack Moves「The Jack Moves」
3. Panic! At the Disco「Death Of A Bachelor」
2. Matmos「Ultimate CareⅡ」
ベストトラック1位に続いてベストアルバムもSkilletが1位です。いや前作も前々作も良かったのだけど、やっぱり今作は突き抜けている。Matmosの新作も「洗濯機の音を延々流す」という一見するとアホみたいなテーマをこちらの想像の100倍の良さで成立させていてひっくり返った。去年1月にリリースされた作品ながら未だに聴いています。
国内
50. Anli Pollicino「STARGAZER vol.2」
49. ナードマグネット「CRAZY, STUPID, LOVE」
48. tacica「HEAD ROOM」
47. 内田彩「Bitter Kiss」
45. 南條愛乃「Nのハコ」
44. 織田かおり「Make It」
43. THE NOVEMBERS「Hallelujah」
42. MAGIC OF LiFE「X-1A」
40. NICO Touches The Walls「勇気も愛もないなんて」
38. コトリンゴ「この世界の片隅に オリジナルサウンドトラック」
37. THE ORAL CIGARETTES「FIXION」
36. 宮脇詩音「SHARE THE HAPPY」
33. 9mm Parabellum Bullet「Waltz on Life Line」
32. Crazy Ken Band「香港的士」
29. MONOBRIGHT「Bright Ground Music」
28. OverTheDogs「WORLD OF SNEEZER」
26. アイカツ「Wonderful Tour」
25. 堀下さゆり「うたかたの日々」
24. amazarashi「世界収束二一一六」
23. Machico「Ambitious*」
22. ストレイテナー「COLD DISC」
21. MONKEY MAJIK「southview」
20. cinema staff「eve」
19. 早見沙織「Live Love Laugh」
17. LUNKHEAD「アリアル」
16. GOING UNDER GROUND「Out Of Blue」
14. 茅原実里「Innocent Age」
13. 陰陽座「迦陵頻伽」
12. The Cheserasera「Time To Go」
11. UNISON SQUARE GARDEN「Dr.lzzy」
10. phatmans after school「アンクロニクル」
9. BiSH「FAKE METAL JACKET」
7.Microstar「She Got The Blues」
6. 水樹奈々「NEOGENE CREATION」
5. 山崎エリイ「全部、君のせいだ。」
4.fhana「What a Wonderful World Line」
ここから同率1位になります。
はい、というわけで3〜1位を決めることが出来ませんでした。1位に選出した3枚にはどれも違う思い入れがあって、doaは10枚目のアルバムで集大成的な最高傑作を完成させたという感動、LACCO TOWERはメジャー2作目でついに誰も到達し得ない高みに上り詰めてしまったという衝撃、そしてBiSHはおれにとっての救済だった。今年のベストトラック1位、ベストPV1位に選んだ「オーケストラ」はもちろん、身体を起こすのすらつらい出勤前に聴く「本当本気」、クソほど怒りまくっている時に聴く「Am I FRENZY?」「My distinction」、そして夜中に誰もいない海岸線を運転しながら車の中で聴く「Stairway to me」「生きててよかったというのなら」…と挙げていけば全曲いけるし、『FAKE METAL JACKET』からも「MONSTER」「beautifulさ」とか出てくるので、今年のベストアーティスト賞はBiSHに与えます。
ついにこの歳にしてアイドルにハマりかけていることが恐ろしいのだけど、おれの手元にはハシヤスメ・アツコさんの単独インタビューが載っている『IDOL AND READ』第9号が置いてある……ハシヤスメ・アツコさんのメインボーカル曲・作詞曲をもっと聴きたい……
とか言いながらアイナ・ジ・エンドとセントチヒロ・チッチのボーカルは聴いていて最高に高まるし、リンリンのシャウトと通常ボーカルのギャップは癖になるし、モモコグミカンパニーの歌詞は確実に心臓を抉り取ってくるし、アユニ・Dは加入間もないのに誰とも違う存在感があるし、結局DDかよと言われるとそうなのだけど、誰か1人選ぶとしたらハシヤスメ・アツコさんなので、とにかくハシヤスメ・アツコさんメインの曲が増えてほしい。