The 50 Best Albums of the 2010s (Japan)

国内編です。




50.TRUSTRICK『TRUST』

この年に仕事辞めて新しい仕事に就こうと決意し、試験とか色々受けていた。結果受かって今の職場なんだけど今年で退職する予定なので我ながらめちゃくちゃな人生だなー。



49.中田裕二『BACK TO MELLOW』

中学3年生の時、椿屋四重奏にこりゃすげえと衝撃を受け、2007年のメジャー1stで打ちのめされたんだけど、あの頃の椿屋四重奏の理想的な進化系という感じのAORが詰め込まれていて最高。ソロでしかできないタイプの曲を作ってるソロ作はいつだって最高。



48.9mm Parabellum Bullet『Revolutionary』

大学に入学する前の2〜3月くらいに出ていて、通学する電車の中で聴いていた記憶がある。当時、Mステで「The Revolutionary」を演ってて、最後に滝のギターの音がおかしくなってた記憶もあるんだけど、おかしいのはおれだったのかもしれない。



47.Choucho『flyleaf』

もう誰も『ましろ色シンフォニー』という神アニメの話してねえ、ふざけんなと思ったらもう9年前のアニメだった。9年前。9年前て。3年前くらいの感覚なんだが。おれ20歳じゃん。嘘だろ。あの頃と何も変わっていないんだけどどうすればいいんだ。あ、もう人生詰んでるからいいのか!ガハハハハハ!!



46. School Food Punishment『amp-reflection』

内村友美という天才ボーカリストが未だに脚光を浴びていないことにおれは疑問を通り越して憤りを感じているのだけど、彼女は初期SFPのようなエレクトロ・ポストロック的な曲を歌った方が良いのか、後期SFPのようなポップス・ロック的な曲を歌った方が良いのか、未だに答えが出ないでいる。おれが好きなのは「How to go」なので、la la larksがそっち路線に行ってくれたことは嬉しい(江口亮がいるからそうなるのは当たり前なんだが)。



45. ONE OK ROCK『Nicheシンドローム

おれは未だに「Around ザ world 少年」を出してくれと思っているワンオクリスナーなんだけど、今となってはもう「Around ザ world 少年」の存在を知っている人間の方が少ないのかな。ネットとかに法を犯しているタイプのフル尺が上がっているのだけど、まじでめちゃくちゃ良い曲なので、ベストアルバム出す時とかにしれっと収録してほしい。



44.つりビット『Blue Ocean Fishing Cruise』

全く存在を知らなかったアイドルのアルバムをふとしたタイミングで聴いてそれが全曲めちゃくちゃ良かった時の感動、つりビット以降味わえていないんだよな。あ、でもりんご娘が去年出したアルバムはそれに近かったか。ももクロのブレイク以降、楽曲に力を入れるアイドルが増えたのだけど、おれがそっちの文化にちゃんと触れることができたのは乃木坂のおかげだったので、もう少し早く知っておきたかったという後悔は未だにある。



43. UNLIMITS『アメジスト

ここまでメジャー作とインディーズ回帰作でクオリティが違うアーティストをおれは知らない。いや、メジャー作も良かったのだけど、とにかくこのアルバムが凄すぎて、(メジャーとは…)という気持ちに当時なったんだよな。しかし「アネモネの夢」とかメジャーを経験したからこそ作れたような曲もあり、一概にメジャーが駄目だったとも言えず、とにかく世のバンドは経験としてメジャーデビューした方がいいのではという結論に達した。



42.アーバンギャルド『昭和九十年』

高2の冬くらいに初めて「セーラー服を脱がないで」のミュージックビデオを見て衝撃を受け、翌日に玉光堂でアルバムを買いました。2010年には「傷だらけのマリア」で一撃ノックアウトされ、はー最高ーと思っているうちにメジャーデビューして、不安があったけどデビュー曲の「スカート革命」で再び一撃ノックアウトされ、そして気付いたら初期メンバーが2人しかいなくなっていた。アーバンギャルドはいつだって中途半端な衝撃を与えない、確実に殺りにくるあたりがサブカル出身の殺し屋という感じで最高。



41.スキマスイッチスキマスイッチ

スキマスイッチの最高傑作、2013年までは『夕風ブレンド』一択だった。これはスキマスイッチのファンならずアルバムを聴いたことのある人の9割は肯定してくれるのではないかと思う。しかし2014年になってセルフタイトルのアルバムを出して、それが全てシングル曲クラスとなってはもうお手上げです。今は『夕風ブレンド』派と『スキマスイッチ』派に分裂しているとかいないとか。おれは思い出補正がめちゃくちゃかかっているので『夕風ブレンド』なんだけど、純粋に作品として聴き比べたら『スキマスイッチ』の方が好きです。



40.WAR-ED『Garden of Solace』

知名度がないまま解散してしまった。Beingのバンドの短命さ、本当に何とかなりませんか。超好きだったNaifuがライブやらないままひっそりと解散した時のおれの遣り場のない気持ちは何処へ。しかしBeingのバンドは作る曲作る曲全ておれのストライクゾーンを抉ってくるので、おれは未だにBeingのことを嫌いになれないんだ…



39.Ceui『Labyrinthus』

おれと腹を割って話したければ『青い花』を観てくれ。『青い花』は今でもおれのバイブルの1つである。万城目ふみは何があっても高部あいしか演じられないのだ。たかだか大麻、ガタガタぬかすな。たかだかコカ○ン、ガタガタぬかすな。バダサイはいつだって格好良いのである。合法的に飛ぶことが叶わない人間はいつだって蚊帳の外である。言葉行動1つ全員わからせてやる。ちなみに『伝説の勇者の伝説』のCeui担当曲は2つとも最高なので、合わせて聴くと吉。



38.斉藤朱夏『くつひも』

アニメを観なくなった、というより観れなくなった2016年。忙しさ自体は1つ目の労働も2つ目の労働も然程変わらなかったのだけど、とにかくストーリー性があるものが駄目になってしまった。どこかが引っ掛かって嫌な記憶が掘り起こされてつらい気持ちになってしまい、何の脈絡もないバラエティ番組を観るだけの日々が続いた。まじで死にてえと思った2017年、たまたま観た乃木中におれは救われて今に至るのだけど、アニメを観ないからOPED劇中歌をあまり掘れなくなり、だんだん疎くなっていることに少し危機感を覚えている。そんな折、こういう声優っぽいギミックを一切使わず、曲の良さだけで勝負してくる作品に出会うと1発で好きになる。



37.水樹奈々IMPACT EXCITER

こちらも声優っぽいギミックを一切使っていないが、曲ではなく本人の歌唱力一点突破というハイパー力技アルバムなので、全曲通して聴くと疲れるのだけど、4〜5曲ずつ聴いていくととても良い。最近でも未だに歌唱力一点突破(というか最近の方が一点突破に磨きがかかっている)で、でもおれは2008〜2012年の楽曲も単純に良い時代に戻ってほしい気持ちになる。



36.OCEANLANE『URBAN SONNET』

OCEANLANEkamomekamomeも知らない人の方が最早多い。ましてターコイズたるや。でも全部良いんですよ。2010年終わり〜2011年初めに、おれが好きだったバンドが次々と解散してしまった。椿屋四重奏OCEANLANE、GENERAL HEAD MOUNTAIN…みんないなくなってしまった。バンドはいつだって儚い命。だから行ける時にライブは行かないといけないぞ。



35.アルカラ『ドラマ』

コミックバンドとまではいかないものの、ちょっと訳分からない曲を作っていたアルカラが全曲真面目に作った、めちゃくちゃ訳の分かるアルバム。アルバムを全部通して聴くとタイトルはどう考えても『ドラマ』しかないなと腑に落ちる、説得力とか表現力の凄さに磨きかかっていて、この路線であと2枚くらい作ってほしかった。



34.SCOTLAND GIRL『As I am』

本当は5位くらいでも良いです。圧倒的透明感のある女性ボーカルがメロコア歌っているの、おじさんからしたら号泣ものなんだよな。ポップスのメロディラインをもったメロコアという感じで全曲良い。全曲良いアルバム、逆に名盤じゃなくね、みたいな議論が昔あったけど、全曲良いアルバムは名盤に決まってんだろ。



33.安野希世乃『涙。』

声が良いというだけでどんどん加点されていく。そういう意味で声優のアルバムはおれの中で毎回ちょっとハードルが上がっている。そんなハードルを何もないかのように軽々と飛んでいく、その身のこなしの軽さ、美しさがこのアルバムには備わっている。「ちいさなひとつぶ」の浄化作用の高さたるや、おれのようなゴミ人間にも響く程である。



32.寿美菜子『Tick』

単純に全曲良い。様々なタイプの曲を1人で纏め上げているソツのなさ。田淵提供曲が違和感なく混ざり合っている。ただ寿美菜子の懐の深さに対し、提供される曲がことごとくロック調なのは何でなんだろう。でも「Believe x」が名曲だからいいか。



31.UVERworld『LIFE 6 SENSE』

UVERworldの偶数枚目のアルバムは傑作という法則、おれ以外に気付いている人はいますか。2、4、6、8作目(8作目はちょっと微妙ですが)、良さが半端ないので偶数枚目のアルバムだけでも聴いてください。



30.Large House Satisfaction『Sweet Doxy』

この路線がめっっっっっっちゃ好きだったので、最近原点に戻っているのには寂しさがあるんだけど、元々ガレージロック寄りのバンドだったのでまあ仕方ない。それにしても「眩暈」めちゃくちゃ良くないですか???おれはこの曲で白飯3杯食えますよ。おれの好きな要素が全部詰まっている2010年代トップクラスの名曲、死ぬ前に聴いてくれ。



29.ELISA『Lasei』

ELISAはリリースしている全アルバム素晴らしいのだけど、とりわけこのアルバムは実験要素も全部ポップスに昇華されてるあたりが2010年代の幕開け感があって好きです。「STONE CIRCLE」とか鬼の歌唱力と鬼の楽曲力が融合した有翼幻獣キマイラなので聴いてやられてほしい。2011年、邦楽大豊作の年だったけどその中でも突き抜けていたのがこれ。



28.藍坊主『ミズカネ』

大学入学前、「伝言」のミュージックビデオを見てアルバム買おうと決意し、第一志望校に落ちたけどアルバムは無事購入できた。藍坊主のゼロ年代最高傑作は誰がどう見ても『ハナミドリ』なのだけど、10年代最高傑作は『ミズカネ』『ココーノ』『木造の瞬間』で意見が分かれると思う。おれはどれも好きなんだけど思い出補正ブーストがかかっているのでこのアルバムを推している。



27.Chicago Poodle『3.0』

バケモンみたいなポップソングが12曲並んでいる、たったそれだけの名盤。このレベルの曲を12曲並べるの、おれは死ぬまでかけても出来そうにない。この圧倒的ポップソングの乱れ打ちをノーガードで浴びてくれ。



26.lego big morl『Re:Union』

lego big morlって意図的にポップソングを作らないというイメージがあって、サビのキャッチーさとか展開の分かりやすさとか、そういうのを極力避けて曲作ってる印象なんだけど(赤い糸の挿入歌だった「Ray」とかそんな感じでしょ)、これはレミオロメンのベーシストがプロデュースしたこともあってか、全曲非常に決め所が分かりやすくなっている。そんで分かりやすくなったらめちゃくちゃ良かったという。「雨のタクシー」とか「正常な狂気」とか。



25.ホロ『ホログラム』

ファーストにして最高傑作。2013年というおれの大学生活最後の年に産み落とされた名盤。なんかの切っ掛けがあれば絶対に売れていたはずなんだ。おれもなんかの切っ掛けがあれば絶対にこんなつらい思いをせずに生きていられたのかもしれない。



24.doaFREEDOM×FREEDOM

doa、たまにシングルで良い曲切ってくるくらいの感じだったけど、全曲シングル曲クラスのアルバムにお目にかかったことがなくて、とにかく衝撃だった2016年の頭。無職期間にリリースされたこともありめちゃくちゃ聴いていた。最近また聴き始めて、2度目の無職期間に備えています。



23.舐達麻『GODBREATH BUDDHACESS』

日本のヒップホップの中で一番好きで一番聴いているアルバムです。近々だと労働が終わって家まで帰る道中の車内で爆音で流しています。労働で死んだ心に「やりたいようやる じゃなきゃ頭狂うのが普通」という言葉がスーッと入ってきて泣きたくなる。前述したがバダサイはいつだって格好良いのである。
最初はあまり良さが分からなかったんだけど、何回か聴いているうちに完全にハマってしまい、1日1回舐達麻の曲を聴かないと何もできない身体になってしまった。リリックが美しいデルタ、フロウが気持ちいいG-PLANTSも最高なんだけど、とにかくバダサイのバースが好き過ぎてバダサイのバースを全部口ずさめるようになった。今のヒップホップのシーンでバダサイに似てるアーティストが一切思い付かないので、誰の何を聴いていても(やっぱバダサイの方が良いな…)と思って結局舐達麻に帰ってくる。バダサイのソロも聴いてみたいがやはり舐達麻の新作をとにかく沢山聴きたいという気持ちなので、とにかく舐達麻は最高。



22.伊藤美来『水彩〜aquaveil』

ここまで完璧なシティポップを作られたらもう肩書きとか関係なく全面降伏するしかないでしょ。シングル曲がおまけに感じられる程のアルバム曲のパンチの強さ。こんなの最初に出したら2枚目以降つらいよなーと思ったら2枚目は微妙にテイストを変えてきていて成程〜と思ったけどおれはこっちの路線の方が好きなんだよ。



21.amazarashi『千年幸福論』

ご存知邦楽大豊作の2011年の頂点に立ったアルバム。コンセプトアルバムはそんな好きじゃないんだけど、これはこの形式をとらなければ成立しなかったなと納得せざるを得ない。リード曲たちの強さはもちろん、オープナー「デスゲーム」、「逃避行」「14歳」「千年幸福論」と名曲揃いである。それにしても『千年幸福論』のラストが「未来づくり」なの、エモが過ぎやしないか???



20.やなぎなぎポリオミノ

ご存知最初と最後の曲を除けば全てが完璧なアルバムです。intro、outroとして1分台で作ってくれていれば10位以内に入れていたなー。そう考えるとアルバム作るのって死ぬほど難しいなー。でもおれがそう思っているだけで、このアルバムの最初と最後の曲が良いんだよと思っている人もいるだろうし、まあやっぱり難しいなー。



19.けやき坂46(日向坂46)『走り出す瞬間』

日向坂46について語ろうとすると佐藤満春ばりに泣いてしまうこと請け合いなので、あまり人前で話したくはない。唯一おれが誇れるのはひらがなけやき時代から追っ掛けていたということくらいか。柿崎芽実さんと井口眞緒さんの卒業はおれに深刻な傷を与えたが、影山優佳さんが復帰してくれたことでその傷も少しずつ癒えてきている。影山優佳さんの良さをもっと世間に知らしめなければいけない。



18.GENERAL HEAD MOUNTAIN『バタフライエフェクト

これが完成して思い残すことはないから解散したという理由が分かりすぎる。おれもこんなアルバム作ったら解散しちまうわ。それくらいもう次の一手が思い浮かばない、ロックバンドの最高到達点という感じです。



17.King Gnu『Sympa』

2018年に「vinyl」を聴いてこいつは凄いと思っていたらあっという間に売れてしまった。正直キングヌーが売れて紅白に出る世界線を全く想像していなかったのでただただ驚いたし、今でもこれは現実なのか疑っている。



16.Machico『SOL』

2017年、圧倒的と思われた乃木坂のトラック・アルバムの猛攻の中、孤軍奮闘していたマチコのアルバム。「摩天楼グッバイ」を聴いて心が動いた人とおれは友達になりたい。「摩天楼グッバイ」を流しながら夜のドライブに出掛けると少しだけ現実のつらさを忘れられるのだ。世に蔓延る偽物シティポップを一撃で蹴散らす最高峰のシティポップ。それ以外の曲もポップソングという枠組みの中でも最高に良くて、なぜこの次のアルバムもこの路線でいけなかったんだという(次作は「アニソン」の枠内で作られたようなアルバムだった)思いに駆られるのである。



15.LAST ALLIANCE『SEVENTH SENSE』

今の仕事をしていると、間違っても子供が欲しいとか思わないんだけど、同僚は結婚するし上司は子供が生まれるし、もう訳が分からない。おれが狂っているのか、おれ以外の全員が狂っているのか、正解のない海の中で溺れ死ぬしかないのである。「システムの中、飼い慣らされた人はぬるま湯につかり 苦しみのワケ分からないまま幸福はき違える」という歌詞を聴いた段階でもうおれはこのアルバムを年間ベストに挙げるしかないと思っていたのかもしれない。全曲素晴らしいのはもちろん、歌詞まで練りこまれており、逆にこれを10年代ベストに挙げないやつは何を聴いていたんだという感じです。



14.LACCO TOWER『心臓文庫』

前職も現職もそうなんだけど勤務時間外に仕事の人間から電話が来るのが本当に本当に本当に嫌で、勤務時間外はほとんど携帯の電源を切っているのだけど、たまに電源をつけている時に限って着信が来たりしてまじで何なんだこの人生、と思う時が何度もある。ハイパー死にたみ。おれの人生を労働如きに奪われることなど許せないので、どんな労働に身を窶しても勤務時間外は1ミリたりとも労働のことを考えないようにしている。現職1年目の時に出たこのアルバムは現職1年目にして「前職から労働環境変えても死にたさは変わらねえ〜労働向いてねえ〜」と実感した時によく聴いていた。奇を衒わないメロディの美しさが、何も考えられなかったあの頃のおれの脳によく響いていたのかもしれない。今のおれは「あと半年で辞められる」「あと半年もあるのかよ」という狭間で押し潰されそうになっている。助けてくれ。



13. 水樹奈々ROCKBOUND NEIGHBORS

寒いのはめちゃくちゃ着込めば対処できるけど暑いのは全裸になっても暑いので、どう考えても暑い方がつらいし夏が好きと言う人間は狂っている。暑苦しい人間もおれに近付かないでほしい。暑いのは音楽だけにしてくれ。暑い音楽はクサいので最高。クサいといえば演歌。演歌とポップスの融合を果たした功労者といえば水樹奈々。世間ではアニソン界のスター的な評価だけど、おれの中では演歌を現代ポップソングに落とし込んだ第一人者という感じです。最近はちょっとよく分からない路線に行ってて、やはりこの人は『GREAT ACTIVITY』〜『ROCKBOUND NEIGHBORS』のあたりが最高だった。「星屑シンフォニー」みたいな直球のポップソングをまた作ってほしい…



12.LUNKHEAD『青に染まる白』

自動車教習所に行くまでの道のりで聴いていた記憶が強い。まじでウンコの掃き溜めみたいな場所だったんだけど結果的に免許取れたし今はドライブしながら爆音で舐達麻聴くのがストレス発散になっているので、トータル有り難かったという感じです。
それはともかく、ランクヘッドを全く聴いたことのない人に「どのアルバムから聴けばいいか」と尋ねられれば、迷わずこれを差し出すくらいにはランクヘッドの良さが余すところなく詰まった大傑作なので、聴いたことのない人は死ぬ前に必ず聴いてほしい。



11. 女王蜂『奇麗』

それまで女王蜂に抱いていたイメージがこのたった1枚のアルバムで完全に塗り替えられてしまった。もっとアングラでもっと訳分からなくてもっと荒々しいロックを演っていたイメージだったのに、突然こんな哀しさと美しさを兼ね備えた完全無欠ポップミュージックを10曲揃えられたらそりゃ誰だって「名盤!!!!!」と言わざるを得ないでしょう。これ以降はダンスミュージックやエレクトロに傾倒していくので、分かるけどなんかちょっと思ってたんと違うなーという感じになる。昔の荒々しさを僅かに残しつつ、ポップミュージックの限界を突き詰めるようなこの一瞬の煌めきは、限界を突き詰めてしまったが故に、これ以降ダンスミュージックになっていったのだと考えれば、納得するしかない。こういう人間の名状し難い感覚を力技でねじ伏せてくるようなアルバムをおれは待っていたのかもしれない。



10.水瀬いのりBLUE COMPASS

皆さんはクソみたいな労働を辞めたときの、何物にも替え難い無敵の爽快感を味わったことはありますか。おれは前職を辞めた時に味わいました。労働がクソであればクソであるほど辞めた時の爽快感は凄いのだけど、問題は労働を続けなければ金を得られないという点なので、クソじゃない労働を見つけて継続しなければ生存できない、この社会のシステムがう◯こでした〜!
というわけで現職3年目の時に聴いて最高の爽快感を与えてくれた今作がベスト10入りです。1stの時のとにかくパワーで攻めてくる感じではなく、色々な面を見せて飽きさせない今作の方が圧倒的に好きです。18年、まだ比較的労働がマシだった時なのだけど、なんだかんだで辛かったので気付いたらこのアルバムばかり聴いていた。



9.BiSH『KiLLER BiSH』

たった1曲で沼に落とされる感覚、近年最後に味わったのが「オーケストラ」だった。現職1年目、毎日が磨り減っていく感覚、体重が半年で6キロ減った12月、それでもこの時はこの曲と周りに助けられて何とかやっていけた。翌年から酒を浴びるように飲み続け、馬鹿になれば労働が少しマシになるかもと思ったがそんなことはなく、毎日毎日早く終わってくれ労働!!!!!と思いながら時計を見続ける人生。労働するにしても多分もう組織の中で労働するのが無理っぽいので、次からは1人で労働するための準備期間のための労働を行う予定です。準備期間とはいえ労働なので、最初のうちはまた「オーケストラ」を聴いて耐え忍ぶしかない。



8.fhana『Outside of Melancholy』

出されるシングル曲シングル曲毎回期待を上回る素晴らしさで、シングル曲出るたび(ファーストアルバムは凄いことになるぞ…)とアルバムへの期待値とハードルが上がっていって、ようやく出たアルバムが上がりきった期待とハードルを更に上回った時の喜び、おれが10年代で味わえたのはfhanaのこのアルバムだけでした。「ケセラセラ」「tiny lamp」「divine intervention」「いつかの、いくつかのきみとのせかい」「星屑のインターリュード」が次々とリリースされた時のおれの興奮、昨年のM-1でミルクボーイが1stラウンドで歴代最高点を叩き出した時に匹敵する。カップリング曲も収録されているのでベストアルバム的な意味合いの強いアルバムなんだけど、リード曲「Outside of Melancholy」や「スウィンギングシティ」「lyrical sentence」などアルバム曲もシングル曲を喰ってくるレベルで、これだけ良けりゃシングル曲多くてもいいわという感じである。



7.GARNET CROW『Terminus』

GARNET CROWは世間的にはコナンのイメージが強いんだろうけど、おれはコナン以外の曲の方が好きだったりする。あとメルヘヴンの主題歌は常にGARNET CROWがやっていてオッBeingのお膝元〜と思っていたら竹井詩織里の「桜色」という今世紀最高峰の傑作が流れてきて(メルヘヴン神〜〜〜)と膝から崩れ落ちたのだった。あの頃のサンデーは良かった。コナン・ガッシュ犬夜叉を筆頭に、うえきの法則メルヘヴンからくりサーカスいでじゅう、焼き立てジャパン、ケンイチ、結界師、ハヤテ、クロザクロブリザードアクセル…おれの青春はあの頃のサンデーと共にあった。この後からレンジマン、アルバトロス、お坊サンバ、金剛番長、境界のリンネ、ギャンブルと続いていき、大学に入る前くらいまでのおよそ8年間、サンデーを購読していた。大学に入ってからは購読しなくなったけど、サンデーに連載されている漫画はちょくちょく単行本を買って読んでいた(國崎出雲、銀の匙、バードマン、サイケは良かった)。
青春の終わりは大学生活が終わる頃だった気がする。ちょうどその頃、GARNET CROWも解散してしまった。あの瞬間はっきりと、ああもう終わったんだなと感じることになった。そこからはもうひたすらにつらく苦しい労働馬車馬生活の始まりである。まだGARNET CROWがいてくれたら、このクソな生活も少しはマシになったのだろうか…と思うたび、この最後のアルバムを聴いて、こんなもん作ったらもう次のアルバムは作れなくなるな…という気持ちになるのである。



6.Microstar『She Got The Blues』

おれはコンセプトアルバムよりも1曲1曲が代表曲クラスのパンチ力のあるアルバムが好きなんだけど、その曲もパワー一辺倒ではなくて押し引きを意識したバラエティに富んでいるアルバムが好きなので、自分の好みのど真ん中に来るアルバムというのは年に1枚出れば良い方だったりする。Microstar8年ぶりのアルバム、8年の間に溜まった最高の曲だけで構成されたアルバムという感じで、まさに好みのど真ん中だった。現職1年目、仕事終わって帰る車の中で流していると訳もなく泣きそうになり、なんで人生はこんなにつらいんだという気持ちの中で「おやすみ」だけがおれに優しかった。



5.UNISON SQUARE GARDENCIDER ROAD

奇しくもGARNET CROWと同じ2013年にリリースされ、おれの人生における最後の青春を彩ることになった。とにかく全曲良いのは当たり前として、曲順であったり、歌詞であったり、演奏におけるギミックの使い方であったり、細部まで徹底的にこだわり抜かれていて、聴いた段階で(これもう解散してしまうのでは…???)とすら思ってしまったのだけど、あれから今に至るまでコンスタントにアルバム出してくれているので本当に感謝している。
ニゾンが凄いのは出すシングル曲全部しっかり代表曲クラスに仕上げているところで、必然的にアルバムのクオリティを左右するのはアルバム曲の方だったりするのだけど、このアルバムについてはユニゾンの全アルバムの中で唯一、アルバム曲の方がシングル曲より強いというストロングスタイルで、中でも「きみはともだち」は聴くたびに最高最高と新鮮に感動できる名曲なので、食費を削ってでも聴きましょう。



4.乃木坂46『生まれてから初めて見た夢』

2017年、はっきりとおれは今の労働に向いていない、絶対抜け出してやると誓ったあの年のあの日のどん底で救ってくれたのは間違いなく乃木坂46だった。夜中何気なくテレビを観ていたら放送されていた乃木中のクイズ企画で堀未央奈さんを知り、そこから斎藤ちはるさんという超絶美人が在籍していることを知り、NOGIBINGOの妄想企画の深川麻衣さんで完全に沼にハマったという流れで、今年でハマって4年目になる。まだ一向に抜け出せないのは4期生が全員ポテンシャル高くて、斎藤ちはるさんや深川麻衣さん、橋本奈々未さんや白石麻衣さんが卒業してもまだ追い続けたいと思わせる圧倒的魅力に溢れているからなんだけど、このままだとおれは公式お兄ちゃんの年代から公式お父さんの年代になってしまうなあという不安がある。
乃木坂46が素晴らしいのは背景にある物語、メンバー同士の関係性とか語り尽くすには時間が足りないのだけど、そんな中でも白石麻衣さんと松村沙友理さんの「流星ディスコティック」、伊藤万理華さんと井上小百合さんの「行くあてのない僕たち」、秋元真夏さんと高山一実さんの「忘却と美学」はデュエットソングの最高峰なのでこれだけは日本に生を受けた者たち全てに聴いてもらいたい。特に労働終わりの車の中で「流星ディスコティック」を聴くと景色が少しだけ綺麗に見えるのでおすすめです。



3.UNCHAIN『Eat The Moon』

言わずと知れた超絶怒涛の名盤なのだけど、このアルバムの何が凄いかというと、明確なコンセプトアルバムなのに全曲代表曲を名乗れるレベルというこの点に尽きる。これまで数多くのコンセプトアルバムを聴いてきたけど、未だにこのアルバムを超えるものが出てこない。ランクの『青に染まる白』と同様、自動車教習所に行く道のりで聴いたりとか、寝れない夜とかに聴いたりしていたんだけど、だいたいどんなタイミングで聴いても生活に絶妙にフィットするあたりが名盤なんだろうなと毎回再認識できる。全曲良いので取り上げられないけど、強いてひとつ挙げるとすればやはり「愛の未来」だろうか。タワーレコードでアコースティックライブやってた時に生で聴いたんだけど化け物じみた歌唱力に落涙しそうになった、あの頃からもう7年経っている…
今年、UNCHAINの楽曲の一角を担っていた佐藤将文が脱退したのがとにかく悔やまれて、「Rusty Love」みたいなジャブだけで殺しにくるような名曲を生み出す人でも音楽シーンの中心にいられないとか何なんだよと思うんだけど、それは現状日本も世界もそんなに変わらなくて、Dua Lipaのリミックスに星野源が直接オファー受けて参加したことくらいしか最近の明るいニュースはないしな…



2.LUNKHEAD『V0X』

日本のミニアルバム史上最高傑作です。『AT0M』に入り切らなかった楽曲という、言わば溢れたものたちの寄せ集め的な世間のイメージかもしれないけど、絶対そんなわけないだろというくらい全曲年間ベストNo. 1候補の仕上がりで、本当は『AT0M』ではなく『V0X』がメインだったのではと思うくらいのトータル完成度である。歌詞も最高に振り切れていて「絶望的に晴れ渡った死にたくなる青空」「もしもあなたを抱き締めたら、この身が灰になってしまうというのなら/僕はその時この世界で、いちばんいちばん幸せな灰になるだろう」が同じミニアルバムの中に収まっている具合である。
ランクヘッドといえば最近は恵比寿リキッドルームのソールドアウトで話題になったけど、逆になんでこんな売れねえんだとおれは12年前から思っているし日本の音楽産業はやはりクソなので、クラウドファンディングとかバンバンやってレコーディングの資金や活動費に充ててほしい。大学受験の時におれを救ってくれたのはランクヘッドの『孵化』『AT0M』『V0X』なので、今度はおれが貢献する番なんだよな。頼むからおれが生きているうちはいなくならないでほしいバンドNo. 1です。










1.lamp『ゆめ』

人間が考え得る最も美しいメロディで桃源郷へと誘う「さち子」を筆頭に、美しさを限界まで突き詰めた楽曲が並び、それでも高尚な芸術品にはならず、誰もが手にとって聴きやすい親近感がある。前職1年目で即死にたくなっていた時、毎晩毎晩眠れず(明日よ来ないでくれ)と願っていた日々、このアルバムを枕元で流すことで何とか眠ることができていた日々。現職もつらいので眠れない日にはこのアルバムを流している。全てを許してくれるような包容力は、楽曲もさることながら2人のボーカルの素晴らしさによるところが大きい。榊原香保里・永井祐介のようなボーカリストは他に誰も思い浮かばない。あの圧倒的安心感、母性はもう生まれ持った才なので、今後誰もこの高みには登れないんだろうし、それがlampのフォロワーが未だに現れていない理由だろう。lampの代わりになるアーティストはこの世に存在しない。4年スパンでも構わないので、新作を出し続けてほしい。




2010年代を振り返ったことで、おれがもうあの頃から10歳以上歳をとったことを自覚してしまうことになった。2010年に2000年代を振り返った時は希望もあったのに、2020年に2010年代を振り返ったとき、自分の成長もこの先の希望も何ひとつ感じられないのは本当につらいのだけど、現在の労働とさよならすることで、また別の道が出てくるのかもしれない。そもそも労働を憎んでいる人間なのでこの先希望があるようには思えないのだけど、週2〜3日の労働ならやっていけるかもしれないので、次期総裁に期待するのはフィンランドの首相同様、労働時間の短縮化を進めることです。労働なんかにおれの人生の貴重な時間を奪われていることが憎くて仕方ないのだけど、現状まとまった金が労働でしか得られないので止む無くやっているという感じである。ベーシックインカムが導入された国に生まれたかった。