2012年秋アニメ総括

ガルパンが途中退場したのでとりあえずガルパンは保留という形で暫定的に評価下したんですが、振り返ってみるとそんな豊作でもなか(ry


まあ今期はなぜか最終回でうまいこと着地できなかったパターンが多くて、数少ない風呂敷を畳めた作品たちが際立つようになってしまい、結果的にどこに基準点を置くのかという部分ですごく迷った。なんだかんだで今年は冬と夏が楽しかった記憶があるな。


↓いつもの。

評価方法

・評価ポイントは「ストーリー」「キャラクター性」「演出」「作画」「音楽(OP・ED含む)」の5つ。各10点満点
・総合評価(ランク)は「SSS」「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」「Z」とする(各説明は以下参照)

「SSS」〜生涯愛せる、墓場まで持って行きたい作品
「SS」〜アニメの金字塔レベルの作品
「S」〜何度観ても面白いと思える名作
「A」〜傑作
「B」〜秀作
「C」〜良作
「D」〜凡作
「E」〜駄作
「Z」〜黒歴史


となりの怪物くん

となりの怪物くん2


ストーリー 6
キャラクター 9
演出 8
作画 7
音楽 9
総合得点 38点
総合評価 B

夏目ちゃんがひたすらにかわいいアニメだった。まさか自分が保護者目線で見てかわいいキャラが現れることになるとは思ってもみなかった(配偶者綾波レイ、姉マミさん、妹ナナリーという妄想トライアングルの中に娘夏目ちゃんを加えて5人家族の完成である)。最終話においても夏目ちゃんが一番可愛かったんでもうこのアニメの主役は完全に夏目ちゃんでしょう。これが人類が生み出せる最大公約数の「可愛さ」を持ったキャラクタであると信じてやまない。キャラクタの魅力って色んなポイントがあって、その中でも「格好良さ」「可愛さ」なんかはかなりレンジの広い、ほとんど万人のコンテキストとして成立しやすい要素なんだけれども、この要素も分解していくと細かい要素がいっぱいあって、「可愛さ」ひとつとってもその中には数多くの要素を内包している。夏目ちゃんはその中の多くの要素を兼ね備えたニュー・スタンダード・キャラクタとして今後も語り継がれていくべき存在になる。なるはず。
本筋ながら個人的にはお前ら早くくっつけよーくらいにしか思ってなかった雫とハルの関係性は最終的に付かず離れずの状況から一歩踏み出して終了という、いやいやそこは明確なゴールをお互いの共通認識としてもっておかなきゃ駄目でしょう…みたいな消化不良気味の幕引きだったんだけど、そこに至るまでの過程で積み上げてきた演出が結構効いていて、まあこの二人は「付き合っていない」という現状がすでに「付き合っている」ことになってるのかな、と思えてきた。そういうのもアリなのかなという。
結局夏目ちゃんの恋の行方が最後まで描かれなかったのがただひとつの気掛かり。気になるなら原作漫画を買えということですかそうですか。買います。



神様はじめました

神様はじめました


ストーリー 7
キャラクター 7
演出 6
作画 8
音楽 5
総合得点 33点
総合評価 C

ラブコメ、というよりも奈々生の成長を描く物語という印象だった。それゆえ最後までコメディを意識した描写が多く、最終回も重くならないように工夫されたエピソードだった。やっぱり頑張る女の子が報われる作品というのは無条件に素晴らしいですね。
このアニメは奈々生が終始テンションの高いキャラなのにそれが鬱陶しさを感じさせないという部分にキャラメイクにおける凄さがある。これはもう誇っていい。やる気が本人の意思に反して空回りしてるキャラってどうにも鋭利さがあって苦手なんだけど、奈々生は見ていて頑張れよーと背中を押したくなるタイプの柔らかいキャラだった。ここらへん少女漫画の良いエッセンスが出てるな。
始まる前まではわりと重い話なのかなーと思っていたんだけど、最終回では今まで出てきたキャラクタが勢揃いするなど、コメディと癒し要素の強い、万人に好かれる土壌が整っているアニメだった。恋愛要素はどっちかというとオマケみたいな感じだったけどそれでも充分、というかむしろそれが功を奏していた。幻想的でありながら現実的な人間の心の機微を包み込んだ良作。



中二病でも恋がしたい!

中二病


ストーリー 7
キャラクター 8
演出 10
作画 9
音楽 8
総合得点 42点
総合評価 A

詳しくは別エントリにて。


ハヤテのごとく! CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU

ハヤテ


ストーリー 3
キャラクター 5
演出 5
作画 4
音楽 7
総合得点 24点
総合評価 E

畑健二郎のストーリーテリング力の無さが露呈したアニメだった。というか原作読んでも分かる通り、畑氏には昔からストーリー作る力はそんなに無くて、デビュー当時はその飛び抜けたギャグセンス(今は衰えているけど)とキャラ設定で人気を博したので、脚本は作者書き下ろしとなった時点でこうなることは大体予想できていた。
あと散々作画崩壊作画崩壊言われていたけど、これについてはさすがにちょっと可哀想だと思う部分がある。まあ「作画崩壊」言ってる人なんてたいていは作画について何にもわかってないので言及するのも鬱陶しいんだけど、このハヤテ3期に関してはまずキャラデザを1期2期とは完全に変えてきたんだ、という事実を知らないといけない。このキャラデザはアニメではなく原作漫画に近くしようという理想のもと変更されたんだろう。なので「キャラデザがおかしい」と言うならまだしも、「作画崩壊」は完全にお門違いなのである。だからおれはキャラデザおかしいよーって何回も言っているし当然のごとく最後までそのまま直ることはないし。「真に優れた作品は作画が酷かろうが面白く見られる」と某知り合いが言ってましたが、キャラデザ以外のストーリー面においても壊滅的な酷さだったので擁護のしようがないですね。
ちなみにこれ4期あるらしいけど今のところ誰も得しない気がする。



BTOOOM!

BTOOOM.jpg


ストーリー 8
キャラクター 6
演出 6
作画 5
音楽 6
総合得点 31点
総合評価 C

いやーまさか40過ぎの太ったおっさんが真のヒロインだとは思わなかった。おっさんをヒロインにするなんて斬新すぎる。本当に誰が得するんだろう。
しかしストーリーに関してはちょっと驚くくらいよく練られていた。原作もこうなんだろうか。爆弾による頭脳戦って下手すれば三文芝居になりがちな危険性があるんだけど最後までよく頑張った。演出がわりと低予算な雰囲気漂っていたんだけど、そこはストーリーの力でしっかり乗り切っている。陳腐な設定や台詞回しも全部ストーリーの力で強引にねじ伏せてしまう謎のパワー。ボクシングというよりプロレス見させられた感じ。
まあ話が完結しないことは最初から分かり切っていたんだけど、なんか物凄く綺麗に纏められたおかげで「あっこういうのもアリなんだな」と思えた。話が終わってないのにいいなーと思えてしまう妙な説得力がある。最初から最後まで掴みどころのない不思議なアニメだった。毎週特に楽しみに見てたわけでもなく、気付いたら最終回まで進んでいたというタイプのいわゆる空気系アニメと同じカテゴリに属していながらたまに存在感を放って接近してくるという遠い親戚のおじさんのような存在。
個人的には原作を意識したキャラデザがあんまり好きになれなかったんだけど、伊達先生の造形だけはあのキャラデザじゃなきゃ駄目だと思えたので結果的には良かったです。



ひだまりスケッチ×ハニカム

ひだまり


ストーリー 7
キャラクター 9
演出 8
作画 9
音楽 7
総合得点 40点
総合評価 A

詳しくは別エントリにて。



武装神姫

武装神姫


ストーリー 5
キャラクター 5
演出 8
作画 5
音楽 5
総合得点 28点
総合評価 D

タコさんウィンナー最高でした。瞬間風速としてはこのアニメのこの回が今期一番だったと思う。
全体通してみれば久々に出会った清々しいくらいの迷作で、恐らく戦闘に特化した構成にすればISの下につけるくらいの人気が出たようなオーラを醸しだしていながらやってることはC級映画以下のエピソードの単純列挙という。なんかイクシオンサーガとかもそうだけど、与えられた素材の原型を残さないくらいにまで煮込むという脚本スタイルが最近流行ってるんですかね。
制作陣がわりとそういった作り方に自覚的で、しかもそれがウケると思ってやってるっぽいので何というかもうどうしようもない雰囲気が漂っている。マスターのキャラデザも完全に「こうしとけばお前らは変態だオッサンと盛り上がってくれるんだろ?」みたいな意図が透けて見えるし(というかあのキャラデザはそうした意図があるとしか思えない)、一個一個のネタも作りこまれた感じがなく、いい意味で言えば頭空っぽにして見れるんだけど、悪く言えば内容がスカスカなわけで、これを長所と取るか短所と取るかでこのアニメの評価は真っ二つに分かれるんだろう。おれはこの手の大人のお遊びみたいなのは決して嫌いじゃないんだけど、どうせなら真面目に馬鹿なことしてほしかった。EVOLみたいに。



K

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ストーリー 1
キャラクター 5
演出 5
作画 4
音楽 4
総合得点 19点
総合評価 Z

惹きつけられたのは最初だけであとは1ミクロも面白くなかった。2012年オリジナルアニメの黒歴史



お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ

おにあい


ストーリー 4
キャラクター 8
演出 7
作画 8
音楽 9
総合得点 36点
総合評価 B

まさか猫の伏線を最終回で回収してくるとは思わなかった。というかこのアニメに伏線という概念が存在することに驚いている。13分という史上最長レベルのアバン(もうアバンじゃなくてAパートとして考えた方がいいかもしれない)とOP曲を超えたその先に待っていたのは結局いつものおにあいで、最終回という印象がまるでなかった。脱ぎネタと兄妹ネタの2本あったんだけど、最終回で脱ぎネタをやる意味が1ミリたりともわからん。やっぱり制作スタッフが頭おかしい。いやもちろん良い意味でですよ。そして兄妹ネタでちょっと良い話みたいに締めようとしてて変な笑いが出た。そういうのこのアニメにはいらんと思う。
で、正直ここで終わっていれば素直に「ああ、昨今のいわゆる『萌えアニメ』に対するカウンターとして作られてるアニメなんだな」と素直に評価を下せたんだけど、最後の最後が衝撃的すぎてどストレートに引いた。わかってたけどそれは言わないのがマナーじゃないのかという所謂タブー的台詞。駄目だろそれを主人公に言わせちゃ…という落胆が胸を締め付ける。
全体的には良くできていたんだけど明らかに最後の主人公のモノローグが蛇足だった。これさえなければもっと清々しい気分で評価できたので残念でならない。ただのハーレムアニメの面を被ったアンチハーレムアニメとしては一級品だと思ったんだけども。



To LOVEるダークネス

To LOVEる


ストーリー 6
キャラクター 8
演出 9
作画 8
音楽 6
総合得点 37点
総合評価 B

ああやっぱりトラブルシリーズなんだなあと思わせられる最終回。ダークネスといういわば番外編的な本筋でありながら、根底にあるTo LOVEるのエッセンスをしっかり意識している。こういうアホみたいなネタでも手を抜かずにやり切るあたりスタッフも本気である。
で、その最終回なんですがものすごく爆笑しましたね。ほぼ画面全部に光規制が入るとか「もうこれ地上波で放送すべきじゃないのでは」という疑問が湧くしこんな下品極まりないネタを最終回でやるというその根性がすごい。もう馬鹿さを極めたようなエピソードだったんだけどある意味評価できますね。したくないけど。
最終回はVMCのネタだけで25分やってたので読み切りというか番外編の番外編という感じなんだけど、このアニメの主題はあくまでダークネスというヤミに焦点を当てた物語なので1期2期とは違って話そのものは重い。しかし重いのに重く感じさせない力量はさすが矢吹というところで、なぜこのTo LOVEるシリーズを描き続けているのか不思議でならない。
全体通して2期よりストーリー性があったので結構観やすかったし、モモやヤミといった1期2期では出番の少なかったキャラがメインなのは新鮮だった。唯や美柑は1期からずっとレギュラー張っているので何というか需要の持続性の強さを感じる。逆に1期ではメインだったララや春菜の出番が目に見えて少なくなっているのが厳しいところ。さすがに大人数のキャラクタを一度に動かすのは群像劇でもない限りつらいか。



好きっていいなよ。

好きっていいなよ。


ストーリー 9
キャラクター 8
演出 9
作画 8
音楽 8
総合得点 42点
総合評価 A

久し振りに原作の内容を遥かに超えてきたアニメ作品に出会った。これは原作を読んでいる人間の方が楽しめたんじゃないかな。必要なところは強調し、要らないところは極力削って構成を整えているので原作よりも整然としていて本筋もわかりやすく、主題である「どこまで他人に心を開けるか」という部分が明確だった。
最終回でオリジナルストーリーをやるという勇気は素晴らしい。いやオリジナルやってコケたら洒落にならないんだけど、ここの制作陣は完全に「何をすれば原作のエピソードとマッチするか」ということを把握していて、正直なところ原作の話よりも面白かった。2期は完全なアニメオリジナルでやっても良いんじゃないかと思える。
それにしてもまさかオリジナルストーリーの中で駆を救済するのが意外すぎて驚いた。この前の千晴ちゃん登場が伏線になってるとは誰が思っただろう。あまりに鮮やかな伏線回収とエピソード構成に圧倒されている。本当にアニメスタッフ天才なんじゃなかろうか。以前「なぜ駆を救済しなかったのか、千晴ちゃんの存在まで消す必要はあったのか」「凪ちゃんの彼氏はいないことにされたのか」という不満や疑問を一気に解消した最終回、これは文句無いでしょう。
原作改変のレベルが高すぎてもうアニメ観てるだけで満足できそうなくらいの仕上がり。原作のダークな雰囲気をキャラデザの柔らかさやエピソード改変で中和しつつ、しっかりと恋愛の根底にある人間関係と向き合っていて、非常に完成度の高い作品になっている。



CODE:BREAKER

コードブレイカー


ストーリー 5
キャラクター 6
演出 5
作画 5
音楽 5
総合得点 26点
総合評価 D

中途半端。まあ漫画・ラノベ原作もので完結していない作品をアニメ化した場合、たいがいこうなるのは世の常なんだけれど、それでもこういう物語が横に広がっていくタイプの作品というのは最低でも2クールは必要だよなーと思う。各キャラの個性も定まらないままにストーリーだけが走り出している感じがして、ピカレスクアニメとしてもいまいち突き抜けられなかった。
キャラデザがどうも6〜7年前の雰囲気を醸し出していて若干時代錯誤の感じはしたものの、それ以上に気になったのはヒロインの桜の謎の堅苦しい喋り方で、完全に自身の信じる正義の側に立っているということを示したかったのだとしてもこの硬さはおかしい。母親を反面教師にしたとしてもあの喋り方にはならんだろう。
設定自体は王道なのにそれを上手く調理できていなかったことが悔やまれる。もっと物語に力を入れて上手くキャラの掘り下げと同期させてくれればデスノートタイプの作品になったのでは。



てーきゅう

てーきゅう


ストーリー 6
キャラクター 8
演出 8
作画 8
音楽 5
総合得点 35点
総合評価 B

今では当たり前のように溢れている5分以下のショートアニメ、そのショートアニメの中でもあまりに異色であるため見た当初はだいぶ戸惑っていたんだけど、最終回まで見たらめちゃめちゃハマっていた。数あるショートアニメの失敗を踏まえてそれを逆手に取った作り方。昨今の5分以下のアニメって「5分以下のアニメである必要性」が正直全く感じられない、ネタが続かないから短くしたんだろみたいなものが多かったんだけど、これは「2分でなければ成立しない」というアニメだった。これはすごいと思う。ショートアニメの革命と言っていい。全2分なのに1秒に詰め込まれているセリフ量が半端なく多いので情報の密度が果てしなく濃く感じる。2分間にボケが20個以上入ってるとかどう考えても異常事態。
2分しかないので気楽に見れるという意味でも非常に現代社会のニーズともマッチした作品だし、ある意味これが「時代の求めるアニメ」の究極系なのではないかと思ってしまう。これは2期を観たい。ちとせ2クールやるくらいならこっちを2クールやって欲しかったな。



ヨルムンガンド PERFECT ORDER

ヨルムンガンド


ストーリー 8
キャラクター 8
演出 7
作画 7
音楽 9
総合得点 39点
総合評価 A

これほど綺麗に広げた風呂敷を畳めるとは思わなかった。惹きつけられるほどの圧倒的な力はなくて、わりとコア層向けの手堅い作り方してるなーという印象があったんだけど、そのスタンスを最後まで崩さなかったのが逆に強みになった。ココとヨナの関係性に固執するのではなく、ヨナの視点を主眼において物語を展開することで奥行きが生まれた。「多くを知らない」という目線は視聴者と重ねやすいので、その点でもこのヨナを擬似主人公に吸えるという方針は正解だった。
戦闘の描写よりも頭脳戦の描写を丁寧に織り込んでいくことで「賢さは武器」ということを印象づけ、武器商人としてのココの才覚と「狂ってしまった」ターニングポイントとなる場所を明確に示すことが出来た。ココがヨルムンガンドという計画を思い至る発端となったのはいつ頃か微妙なところだけど、計画を具体的に実行に移そうと考えたのは間違いなくアールが死んだ時だろう。あの時からココはすでに狂ってしまった。ココとその部下たちはある種家族のような密接な関係性であることは1期の頃から描写されていたことであり、だからこそアールの死を単に「部下の死」として捉えることは出来なかった…というのは5話以降を見れば明らか。だから作りとしては結構わかりやすかった。もちろん良い意味で。たぶん1期よりもわかりやすい。
クライマックス近辺ではココとあのルルーシュが重なる部分もあった。そういった意味でもピカレスクストーリーとして充分闘える力を持っていたといえる。かなり原作に忠実(らしい)な作りで、珍しいくらいに真面目な作品だった。



めだかボックス アブノーマル

めだか


ストーリー 6
キャラクター 6
演出 4
作画 5
音楽 6
総合得点 27点
総合評価 D

最終回が一番面白かった。化物語っぽい作り方してることと、脚本が西尾維新であることが大きい。こんなに出来るんならもうアニメオリジナルでめだかボックスのアナザーストーリー作ってしまえばいいじゃんと思ったけど、そうすると西尾維新の負担が凄いことになりそうだ。
総じて原作通りなのに原作より面白く見えないという珍しいタイプのアニメだった。これ何でなのかおれもよく分かっていない。原作読んでた時には「面白い面白い」言いながら読んでたんだよ。アニメになると台詞回しとかが陳腐に見えてくるのは演出のせいなんだろうか。そこのところ誰か分析的に解説してくれないかな。



生徒会の一存 Lv.2

生徒会の一存


ストーリー 5
キャラクター 7
演出 5
作画 5
音楽 7
総合得点 29点
総合評価 D

全9話、明らかな低予算臭、ニコニコ生放送枠という数々の足枷がある中でかなり健闘した方ではないだろうか。ストーリーも今まで出てきたキャラクタたちに平等にスポットを当てようと努力した痕跡が見られる。個人的にはりんごちゃんの立ち位置がどんなものになるのかだいぶ気になっていたんだけど、時の流れと共に無理矢理丸く収めた感じが否めなかった。まあ尺が限られているので仕方ないっちゃ仕方ない。
あとこのアニメというかこういうニコ生先行放送してそのあとでTV放送するというアニメの放送形態は流行ってほしくない。というか止めてほしい。メリットよりデメリットのほうが遥かに大きいし。



ちとせげっちゅ!!

ちとせ


ストーリー 3
キャラクター 3
演出 5
作画 5
音楽 4
総合得点 20点
総合評価 E

駄目なショートアニメの典型例。



マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス

TE.jpg


ストーリー 4
キャラクター 7
演出 7
作画 3
音楽 9
総合得点 30点
総合評価 C

こちらが求めているものと制作側がやりたいことが微妙にズレている感じがした。BETAと人間の戦いを見たかったのに何時の間にか人間同士の争いにBETAさんがちょっかいかけるという意味不明な構図になっていた。あとラブコメ要素多すぎる。吊り橋効果だけでは説明がつかないほどに多い。これならまだ1,2話の頃の路線のほうが良かった。
もうラブコメやるならやるでいっその事振り切れたいちゃラブハーレムみたいなエピソードがほしかったし、戦闘やるならやるで止め絵3Dとか馬鹿なことやってないでしっかり戦闘描写に力を入れて欲しかった。何もかもが中途半端。BETAとの戦いという大前提が完全に形骸化していて、最後は洗脳された嫁候補を救い出すという謎のエンタテインメントを繰り広げている。
このアニメは中原麻衣がめちゃくちゃ頑張っていて、正直この人の頑張りでなんとかクソアニメにならずに踏み止まっている感じがする。ただなー、ストーリーが中原麻衣の持ち味を半分殺してる感じも同時にする。もっと媚びるくらいの姿勢でもよかった(というかそれくらいしないと唯依姫の魅力が伝わらない)。いっそ結婚エンドにするくらいの気概を見せてほしかった。ほんとどうしてこうなったんだろう。「1巻2巻武道館」とかどの面下げて言ってるんだよまったく。



ソードアート・オンライン

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ストーリー 8
キャラクター 9
演出 8
作画 9
音楽 9
総合得点 43点
総合評価 A

詳しくは別エントリにて。



ガールズ&パンツァー

ガルパン


ストーリー 10
キャラクター 10
演出 10
作画 9
音楽 10
総合得点 49点(現時点での評価)
総合評価 SS

現段階での評価に関してはこれで保留。最終話放映後に評価が変わる可能性あり。



◆ベストキャラクタ◆

女性

1位 夏目あさ子(となりの怪物くん)
2位 宮子(ひだまりスケッチハニカム)
3位 秋山優花里(ガールズ&パンツァー)

夏目ちゃんは今期どころか今年1番というレベルの可愛さだった。中の人の仕事増えてほしい。


男性

1位 アール(ヨルムンガンド PERFECT ORDER)
2位 ヨナ(ヨルムンガンド PERFECT ORDER)
3位 レーム(ヨルムンガンド PERFECT ORDER)

むしろヨルムンガンド以外のアニメにまともな男がいなかった今期。


人間以外(特別枠)

1位 コードブレイカーの犬

エヴァQの犬でお馴染み儀武ゆう子枠。



◆今期ベスト主題歌◆

OPソードアート・オンライン OP 『Crossing Field(LiSA)』

王道って素晴らしい。


EDガールズ&パンツァー ED 『Enter Enter MISSION!(あんこうチーム)』

えんたーえんたーみっしょーん中毒者。



◆今期ベストエピソード◆
ガールズ&パンツァー 第9話 「絶体絶命です!」ガルパン09

絵コンテ:水島努  演出:柴田彰久・橋口洋介  作画監督:竹上貴雄・KIM YONG-SIK・KIM SHIN-YOUNG


今期ではこのエピソードが頭5つくらい飛び抜けて良く出来ていた。水島監督自身がコンテ担当してることもあり画面から伝わってくる熱量が尋常じゃなかった。



◆今期アニメベスト3◆



1位 ガールズ&パンツァー
2位 ソードアート・オンライン
3位 中二病でも恋がしたい!
3位 好きっていいなよ。



改めて振り返ると、まあ言いたくないですが不作の季節でした(ガルパンだけが年間ベストに迫るほど飛び抜けた出来だった)。何でだろう。始まる前は期待値高かったんだけど全部見終えるとどれもこれもものすごく消化不良で、まともに良いなと思えた最終回がひだまり4期、好きっていいなよ、SAO、ヨルムンガンドの4つだけという凄まじい恐慌ぶり。まるで世の不景気を反映してるかのようである。
今期は一番楽しめてBDまで買ったガルパンが放送に間に合わなかったという事実が一番つらかった。さすがにそれは業界で一番やっちゃいけないことなので。これが許されるなら高品質なもの作るために放送延期も仕方ないよねという諦念感覚が簡単に罷り通る時代になってしまう。水島監督は覚醒したというよりは頑張りすぎたんだなという感じである。というかおれがBD買う作品は延期とかそういうの多くて呪われてるような気がする。おれのせいだったら申し訳ない。
来年のことを言うと鬼が笑うとは言いますが、来期はなんだかんだで結構期待している。ちはやふる2期とみなみけ4期があるだけでおれは頑張れる。あとはささみさんと京アニが本気だすっぽい『たまこまーけっと』あたりを押さえておけば良い感じか。