36.Gilla Band『Most Normal』
気が触れているようなフォーマットのなかを掻き分けていくとほんの少しのポップミュージックがある、このバランス感覚が凄い。個室サウナで聴いててすげーと思ってしまった。
35.death's dynamic shroud『Darklife』
沖縄に向かう飛行機の中でずっと聴いていた。1時間近くあるんだけど展開が派手でずっと飽きさせない工夫があったり、1曲1曲の中にも仕掛けがあって、インテリジェンスを感じさせる。
34.SZA『SOS』
12月滑り込みセーフ。めちゃくちゃ良い。前作を聴いてなかったおれのような人間にもやさしい、いかにSZAがやばいかということが明朗に示された傑作。
33.Florist『Florist』
嫁が当直勤務で不在の際、小樽に行ってしこたまビールを飲んでいた時に聴いていたアルバム。「Duet for Guitar and Rain」「Spring in Hours」が良くて、ああ音楽というのはこうも生活の中に溶け込んでいるのだなあと改めて感じられた傑作。しかしFloristがここまで化けるなんて思わなかったですよね、まさかBig Thiefの系譜に連なるとは…
32.The Smile『A Light for Attracting Attention』
気付いたらレディオヘッドの方が全然新譜出してなくて、トムの別働隊が動き回っていた。びっくり。良いのは良いし、最近のレディオヘッドには無いバンド感があるのは好きなんだけど、いやレディオヘッドは…?という気持ちが、聴いていて頭をよぎるんだよな。
31.OVENS『OVENS』
1曲の中の1番良いところだけをかき集めたようなショートソング集。ハイライトだけが集まっているのでそりゃ良いに決まってる。ただ途中で胸焼けしそうにもなってくる。
30.Titus Andronicus『The Will to Live』
おれはタイタス・アンドロニカスは12年前の『The Monitor』からずっと推しているが、未だに日本での知名度は低い。この国のリスナーはサブスクリプションの発展により能動的な選択をできるようになったが、結局はヒット曲やおすすめのプレイリストを再生するだけ。本当の意味で能動的に音楽を聴きにいっているリスナーがどれほどいるというのだろう。
29.Dehd『Blue Skies』
形容するのが難しいんだけど、普通のインディ・ロックなのにちょっと普通のインディ・ロックぽくないのが良い。あとフロントマンの圧が強い。フロントマンの圧が強いバンドは良い。
28.Dry Cleaning『Stumpwork』
札幌の夜の街を車で走っていた時、妙に自分の気持ちとシンクロしてしまった。未来に対する圧倒的な、漠然とした不安。1人の時には感じなかったそれが、確実に鎌首をもたげてきている。フローレンス・ショウは楽器の隙間を掻い潜り、おれに何かを伝えようとしている。それが何なのか、未だにわからないのだ…
27.Whitney『SPARK』
声質は100%才能の世界なので、良い声質のボーカリストに出会う度に「すげえな」と「何をやっても勝てない)という気持ちで打ちのめされてしまう。ジュリアン・アーリックもまさしくそうした天才なのだけど、声質が綺麗過ぎて、打ちのめされるというより浄化されてしまう。おれが死ぬまで生きてて歌い続けてくれ。
26.Ty Segall『Hello, Hi』
音楽聴いてて楽しかったのは2006〜2013くらいだったなーと思ってしまい、実生活が荒んでいくと音楽を聴く力とか楽しむ力が失われていくんだなーと再確認できた。本当に外界との接点を限界まで絶って山奥で自給自足の生活を送りたいんだが、この日本では難しいらしい。早くベーシックインカム制度を確立させてくれ。もう限界なんだ。無邪気にAnimal Collective、Dirty Projectors、Grizzly Bearが立て続けに傑作をリリースしていて歓喜していた2009年に戻りたい。コロナと悪い人間に生活をめちゃくちゃにされたおれの人生に、Ty Segallの音楽は何をもたらしてくれるのだろう…
このバンドは評価高かった前作があんまりハマらなくて「世間と評価が違う…」と思っていたんだけど、今作はわりと好きになれて「自分のコンディションの問題だったのでは」と思いを新たにした。しかし1曲目が一番好きなのでそこが自分のピークになってしまうのは寂しいところではある。
24.Sobs『Air Guitar』
妻がSpotify、おれがApple Musicに契約しており、Apple Musicが今年の12月から値上がりするという報を受け、SpotifyのDuo Planにおれが移行する形となった。まあ元々Apple Musicはめっちゃ重かったので別に良い。Spotifyに移行して最初に聴いたのがこのSobsの新譜で、それがめちゃくちゃ良かったのでSpotifyが最高の滑り出しだったという思い出です。そういや海外における「エアギター」とは日本と同じ意味なんだろうか。
23.phoenix『Alpha Zulu』
久々のアルバムでだいぶテンションが上がってしまい、ハードルを上げ過ぎてしまったかもしれないが、それでも良かったのでやっぱりフェニックスは天才。
22.The 1975『Being Funny In A Foreign Language』
おれのような1975をちょっとナメてた人間にこそ聴いてもらいたい。トータルの長さも完璧、1曲1曲の完成度も完璧。世間の大絶賛を受けた3作目とも少し違う路線。逆にこれが駄目ならもう1975は合わないとしか言いようがないくらい受け皿が広い名作。
21.Weird Nightmare『Weird Nightmare 』
METZのボーカリストのソロプロジェクト。本隊の新譜も待ち遠しいが、本隊とはまた違った焦燥感と狂気があって良い。
20.yeule『Glitch Princess』
何を隠そうおれが入籍日の夜に聴いていたのがこのアルバムである。ずっと狂っているのでトータルどこで狂っているかが分からない、ずっと平常に聴こえるという異常すぎるアルバム。人生の大転換期に聴くと正常な気持ちになれるぞ。皆さんも入籍日にはぜひこのアルバムを。
19.Perel『Jesus Was an Alien』
まず胡散臭すぎるジャケットが最高。中身も程良く狂っていて、人間狂っている時に狂った音楽を聴いていると最高なんだなと分かる。まあ、そもそも狂いたくないんだが…
18.Belle and Sebastian『A Bit of Previous』
相変わらず良い。相変わらず良いを達成し続けることの難しさをよく知っているので、もう彼らには足向けて寝られませんわ。
17.Nas『King's Disease Ⅲ』
おれが海外のラッパーで1番好きなの、やっぱりNasだなと再認識させられた。
16.Diamanda Galas『Broken Gargoyles』
こういうのを聴きたくなる日、絶対あるでしょう。え?無い?じゃあ、話すことはないですね。
15.Weyes Blood「And In The Darkness, Hearts Aglow』
個室サウナの中で流して聴いてて落ち着くことができたので良い作品です(?)
音が粒立って聴こえる感覚を与えてくれる曲はたいてい良い曲なんだけど、これを言語として上手く説明することが毎回難しく、もっと適切な表現を誰か生み出してほしい。音楽評論家(?)のみなさん。
14.Bjork『Fossora』
キノコ好きなんで当たりでした。ともかくどんな突飛なテーマの作品でも最高の物に仕上げるあたり、アーティストだなと再確認させられる。
13.Shamir『Heterosexuality』
LGBTとかそういう背景一切関係なく、めちゃくちゃ良い楽曲が揃った名盤である。自分は恵まれた環境の国で生まれ育っているが、これが別の国の別の家庭に生まれていたら、いったいどうなっていたのだろう、という想像力は、常に忘れないようにしたい。
12.White Lung『Premonition』
この化け物クオリティのアルバム出して解散とか、ミュージシャンの理想の解散の仕方だ…と思ってしまった。おれも化け物クオリティの仕事やったあとそのままの仕事を辞めるんだ。
11.Stars『From Capelton Hill』
日本人が入り易いポップソングを作る人たちなので、もっと売れてほしいんだよな。ただメロディが良いだけでなく、各楽器のアンサンブルとかちゃんと練られてるのが良いんだよ。
10.PUP『The Unraveling of PUPTheBand』
ジャケットが酷いことを除けばほぼ満点なのでは。勢い一点突破ではなく、アレンジやメロディの随所に工夫が見られるのが、やっぱセンス良いなと感じさせる。
9.Lambchop『The Bible』
最初に聴いた時はこりゃ今年の各メディアの年間ベストアルバム総なめだ!!!と思ったら意外と出てこなかった。なんでだ。Lambchopはこのキャリアの長さで毎回色んなことに手付けてるのがすごくて、逆にまだやってないのは何なんだ、と考えてしまう。ちなみに今回の路線が1番好き。
8.Melody's Echo Chamber『Emotional Eternal』
全曲良い。泣きそうなくらい良い。この人は2012年のファーストが凄く良くて、次作どうなるんだと思ってたら病気で暫く休止してて最近復帰した苦労の人なので、やっぱ肩入れしてしまう。特に「Personal Message」が良過ぎて、とにかくめっちゃ売れてくれという気持ち。
7.Alex G『God Save The Animals』
各所で絶賛されているので、もう言うことはないんだけど本当にやばい作品なので広く聴かれてほしい。めちゃくちゃ聴きやすいのにずっと歪な感覚があって、ずっとオーバーグラウンドとアンダーグラウンドの境目にいる感じ。
6.Father John Misty『Chloë and the Next 20th Century』
めちゃくちゃ好き。全曲最高。なんだけど評論筋からは絶賛というわけでもなく、やっぱりそういう人たちとは合わんなと思わされた1枚です。この人は毎回良い作品を出すけどおれの好みとは少しだけズレる部分もあって、それが今回はど真ん中直球勝負なので最高だった。「Chroe」「(Everything But) Her Love」「Q4」「Funny Girl」を無限に聴きたい夜があるんだ。
5.MJ Lenderman『Boat Songs』
シンプルにめちゃくちゃ良い曲がずらっと並んでいる、ただそれだけで名盤になり得るのだということを証明したアルバム。色々なアーティストからの参照点を感じさせつつ、この人のギターの力で自分色にしているのは、何気にすごいと思うんだよな。
4.Bloc Party『Alpha Games』
Bloc Partyについてはちょっと思い入れが強過ぎるんだけど、それにしても今作はめちゃくちゃ良くないか?過去の良いところ、最近の良いところを上手い具合に織り交ぜた傑作。批評家連中が推さなくてもおれは推すぞ。
3.Alvvays『Blue Rev』
全曲全く隙がなくて、まさかAlvvaysがこんな風に化けるとは思わなかったこともあり衝撃だった。全ての曲が多少なり切なさの色を孕んでいるのがとても良い。
2.skillet『Dominion』
ここまで毎回毎回名盤を作られると逆にいつ袋小路に入るのか不安になったりもするんだが、まあ常に新作が最高なのは人生の救いになるので、これからも名盤を作り続けてほしい。
1.SAULT『AIR』
ちょっと良過ぎて困るんだよな。これまでSAULTに抱いていたイメージがこれで一気に変わった。荘厳なのに日々の暮らしの中で流せるくらいの軽やかさ。めちゃくちゃ良い音響機器を揃えて聴きたい気持ちもあるので、壊れたサウンドバーを直しに行ってきます。
一般的に入籍した年というのはハッピーだと聞いていたんだがそんなことはなく、結婚生活は楽しいがそれ以外が不幸全振りという感じでトータル2020年並みにつらかった。なんでこんな精神を擦り減らしてまで仕事してるんだという気持ちになり、金もらって苦痛を得ていると考えると仕事が馬鹿馬鹿しくなってきた。こんな思いをするくらいなら別に金はいらねえんだよな。
実の家への逃げ道も絶たれたという点ではまじで近年一番つらかったかもしれない。本当にどうすればいいのかわからなくなり、年末年始もつらいまま過ごすこととなった。
というわけで相変わらず仕事を辞めたい気持ちは変わらないので来年別の仕事の試験を受けて再来年から違う仕事に就きます。宣言しとかないとグダグダになってしまいそうなので。
あと、世の中の結婚した男たちはどうやって嫁の家族とうまくやってるんだ…?おれは1年経ってもまだ全く距離を掴みかねていて、毎回訪れるたび心臓を限界まで痛めながら過ごしているんだが、最適解があれば誰か教えて欲しい…
やっぱあれか、多動と自閉傾向があるやっぱ結婚してはいけないのかな…生きるとは難しい…