Best Album of 2025
取り急ぎ…
【海外】
20.Long Fling『Long Fling』
19.Artificial Go『Musical Chairs』
めっちゃ変なことしてるのに根幹のポップさで聴かせる、ナヨナヨスカスカしているようで実は力尽くのバンド。70年代後半〜80年代のポストパンクぽさがあり、ちょうどそのあたりのレコードを聴いていた自分には刺さりに刺さったのであった。
18.veronicavon『icecream』
17.Wednesday『Bleeds』
16.Deftones『private music』

個人的には『Koi No Yokan』以来のヒットだった。『Gore』も『Ohms』も好きだったんだけど、ベストに選出となるとちょっと外してしまう感じで、それが今作を聴いて、これは間違いないぞと確信できた。
15.Alex G『HEADLIGHTS』
14.Model/Actriz『Pirouette』
13.Geese『Getting Killed』
12.Cass McCombs『Interior Live Oak』
11.Mamalarky『Hex Key』
ロックでもありエレクトロでもありポップでもある、ただそれにしてはあまりに感情が剥き出しであり、エレクトロの冷たい感じもポップの温かい感じもない、でも無機質でもない、どこにも属せない自分やあなたのためのロック・ミュージック。
10.Tame Impara『Deadbeat』
9.Oscar Peterson『Around The World』
8.The Darkness『Dreams on Toast』

よく考えたら2012年の『Hot Cakes』以降のダークネスを聴いていなかったから、13年ぶりに聞いたことになる。
7.Kali Uchi『Sincerely P.S』
6.Self Esteem『A Complicated Woman』
5.Brian D'Addario『Till the Morning』
4.Hayley Williams『Ego Death At A Bachelorette Party』
3.Durand Jones& The Indications『Flowers』
2.晩安莉莉『Goodnight,Lillie.』
1.These New Puritans『Crooked Wing』
![Crooked Wing [解説書付 / 国内流通仕様盤CD] (BRWG553) Crooked Wing [解説書付 / 国内流通仕様盤CD] (BRWG553)](https://m.media-amazon.com/images/I/41PjgiU+TeL._SL500_.jpg)
音楽を比べること自体がそもそもナンセンスだという話なのだが、このアルバムを聴いた後しばらく他の音楽を全く聴くことができなかった。それほど完成度が高く、徹底的に構築されたコンセプトの凄みに圧倒されてしまった。これを聴いていたのが個人的にとてもつらいタイミングだったことも作用してか、これは自分を救済するために存在してくれている音楽だと感じ、都会の町並みを早足で歩きながら繰り返しこのアルバムを聴き続けた。
【国内】
20.草刈愛美『Garden Studies』
19.mei ehara『All About McGuffin』
18.梅井美咲『Asleep Above Creatures』
17.UNCHAIN『RayN』
16.Skaai『Gnarly』
15.酩酊麻痺『すみか』
14.音速ライン『淡々粛々』
13.Half-Life『JINX』
12.幽体コミュニケーションズ『文明の欠伸』
11.アルカラ『ムク』
10.UNLIMITS『シオン』
9.陰陽座『吟澪御前』
8.水樹奈々『CONTEMPORARY EMOTION』
7.北園みなみ『Meridian』
6.ACIDMAN『光学』
5.amazarashi『ゴースト』
4.シンスケ・フジエダ・グループ『福島』
3.Aqua Timez『海いっぱいに降りしきる星』
2.DEEN『ROCK ON!』
1.青葉市子『Luminescent Creatures』
国内のアーティストの楽曲を聴くことが減った1年だった。60〜80年代の海外のレコードで琴線に触れたもの、おれはアナログで聴いてみたいというものをひたすら探し集めた1年だった。そんな中で、この青葉市子の新作は現代的な音像でありながら、Julianna BarwickやGrouperにも共鳴する神聖な雰囲気を湛えていて、無条件に好みど真ん中だった。TNPの新作も根底に似た部分があって、やはり自分はこうした神々しさを感じさせてくれるものに惹かれる傾向があるのだと、改めて気付いた2025年だった。
The Best Tracks of 2024
今年は出来る限り「ベストアルバムの選出したアルバム以外の曲を選ぼう」という謎の縛りを設けて選んでいたが、途中でこれは無理だとなって結局いつも通りよく聴いていたものをそのまま書き連ねた。
【海外】
40.Caribou「Broke My Heart」
39.Dua Lipa「Houdini」
38.Dame Area「Si No Es Hoy Cuando Es」
37.Washed Out「The Hardest Part」
36.Hiatus Cayote「Dreamboat」
35.Nilufer Yanya「Method Actor」
34.Yard Act「The Undertow」
33.Beth Gibbons「Beyond The Sun」
32.GREEN DAY「Suzie Chapstick」
31.Leoniden「A Million Heartbreak Songs」
30.Fucked Up「Another Day」
29.Halestorm, I Prevail「can u see me in the dark?」
28.WHY?「Marigold」
27.St.Vincent「Flea」
26.Bring Me The Horizon「Kool-Aid」
25.Nadine Shah「Topless Mother」
24.The Lemon Twigs「Church Bells」
23.Oso Oso「all of my love」
22.KNEECAP「Sick In The Head」
21.This Is Lorelei「Dancing in the Club」
20.Metz「No Reservation/Love Comes Crashing」
19.Ducks Ltd.「A Girl, Running」
18.Four Tet「Loved」
17.Helado Negro「Best For You and Me」
16.Ekko Astral「stick and stones」
15.Caleb Landry Jones「Pageant Thieves」
14.Fat White Family「Religion for One」
13.FIDLAR「GET OFF MY WAVE」
12.Father John Misty「Being You」
11.Courting「Throw」
10.Porches「Crying At The End」
9.Christoper Owens「I Think About Heaven」
8.Clairo「Add Up My Love」
7.Palaye Royale「Showbiz」
6.SPIRIT OF THE BEEHIVE「THE DISRUPTION」
5.skillet「Unpopular」
4.Geordie Greep「Terra」
3.Falling In Reverse「Prequel」
2.Vampire Weekend「Mary Boone」
1.Combat「Stay Golden」
【国内】
40.Cody Lee「烏托邦」
39.離婚伝説「まるで天使さ」
38.First Love Is Never Returned「バックミラー」
37.saji「月とワルツ」
36.イヤホンズ「タイムカプセル」
35.羊文学「Burning」
34.緑黄色社会「夜祭音頭」
33.fhana「天使たちの歌」
32.androp「Lamplight」
31.KaminariTAKUMI「ドラゴン」
30.(夜と)SAMPO「モンスター」
29.寺尾紗穂「しゅー・しゃいん」
28.LAST ALLIANCE「シオン」
27.中田裕二「限りあるすべて」
26.NOMELON NOLEMON「水光接天」
25.9mm Parabellum Bullet「それは魔法」
24.いきものがかり「ドラマティックおいでよ」
23.Absolute area「グラウンドに吹く風のように」
22.SHISHAMO「最高速度」
21.なにわ男子「夕虹」
20.田中ヤコブ「ぬけがらの海」
19.Chicago Poodle「太陽HUMAN」
18.a flood of circle「虫けらの詩」
17.スキマスイッチ「逆転トリガー」
16.三四少女「ユートピア」
15.E0W「mirror,mirror」
14.Penthouse「Undertaker」
13.夜の本気ダンス「ピラミッドダンス」
12.クリープハイプ「生レバ」
11.家入レオ「雨」
9.back number「新しい恋人達に」
8.離婚伝説「あらわれないで」
7.ヨルシカ「憂、燦々」
6.Penthouse「Identify」
5.Ms.OOJA「Hidamari」
4.ザ50回転ズ「NO FUTURE じゃいられない」
3.D3adStock「Rainy Day」
2.aiko「相思相愛」
1.Aqua Timez「ヒトシズク」
また来年会えるといいですね。お互いギリギリで生きていれば。
The Best Albums of 2024
みんなが2024年中に書いて出しているが、おれは2024年の最後の最後まで聴いて総括したいので毎年このくらいにエントリを上げたいんだ…!
【海外】
30.Les Savy Fav『OUI,LSF』

ベテランが昔のような熱量で、そこに長い年月で培ったスキルをもって演奏するもんだからそりゃ傑作が出来るよなと感じた次第である。ダイナソーJr.のカムバックの時を思い出したり。
29.Nails『Every Bridge Burning』

猛烈に苛立っている時に聴くことで否応なく首を振り拳を挙げ一緒に叫ぶことの出来る、現代人に1番必要な作品だったのではないだろうか。この閉塞したストレス社会に弩級の風穴を開けてくれる最狂作。
28.English Teacher『This Could Be Texas』

ミュージック・ビデオがめちゃくちゃ格好良いので是非とも見てもらいたい。かなり荒削りながらポイントをしっかり押さえている感があり、聴いていて癖になる楽曲も多い。「Albert Road」が白眉。
27.Henning Schmiedt『Orange』
心を落ち着けたい朝に聴くことが多かった。イージーリスニング的なピアノ・ミュージックでありながら、非常に繊細で美しいメロディを湛えている。
26.Fievel is Glauque『Rong Weickness』

今年はやっぱり未知の音楽にワクワクさせられた年だという感じで、ジャンルとジャンルのクロスオーバーというのはヒップホップ界隈がここ数年上手くやっていた感じだったのだけど、今年になってロックバンドが雑多にジャンルを貪ったような、数秒後には全然知らない場所に飛ばしてくれる作品を上梓している印象。特にこのアーティストの活躍は目覚ましく、来年の元旦にリリースされるボーカルのソロ作(なぜかカセットorデジタルリリースのみ)も明らかに傑作の匂いがするし、脂がのっているとはこういうことかと膝を打つのであった。
25.Los Campesinos!『All Hell』
理屈抜きに無条件に好きな作品というのが年に年に1作出ればいいかと思いながら過ごしているわけだが、今年はベテランの彼らがそんな傑作をリリースしてくれた。圧倒的若々しさ、圧倒的瑞々しさ、圧倒的熱量。名曲揃いの中でも「Holy Smoke(2005)」が特に沁みた。
24.Skee Mask『Resort』
ITLP19 - Resort | Skee Mask | ILIAN TAPE
spotifyで配信されていないことが勿体無い。派手さは無いのに1曲1曲にしっかりとしたフックがあって、飽きさせない作りになっているのは流石。
![Honey (解説・歌詞・対訳付き) [ARTPL-220] Honey (解説・歌詞・対訳付き) [ARTPL-220]](https://m.media-amazon.com/images/I/61pB7m1scML._SL500_.jpg)
全然出勤したくない1日があって、有給とって休んでしまおうかと思いつつ、愛猫のために金を稼がねばいけないのだと自分を奮い立たせて車のエンジンをかけ、カーステレオから流したこのアルバム。自分を半ば無理矢理鼓舞するような形だったが、結果的に1日労働をこなすことができた。「Broke My Heart」「Over Now」はもっと評価されていい。
22.Kim Gordon『The Collective』
![The Collective [Josephin Prideによる寄稿文の翻訳付 / 国内盤CD] (OLE2029CDJP) The Collective [Josephin Prideによる寄稿文の翻訳付 / 国内盤CD] (OLE2029CDJP)](https://m.media-amazon.com/images/I/415YcnSWiEL._SL500_.jpg)
この年齢このキャリアで、今年リリースされたどの作品よりも尖った音楽性なのが凄すぎる。歳を重ねることは感性が衰えていくことではなく、研鑽を積んでいくことで誰も見たことのない境地に辿り着くのだと分かった。
21.Boeckner『Boeckner!』

元Wolf Parade、Handsome Furs、Divine Fitsと自分の琴線に刺さり続けてきたアーティストの最新ソロ作はやはり期待に違わぬ出来だった。メロディの組み立て方、アレンジの洒脱さ、歌詞の刺してくる角度が凡百のアーティストとは違う。それを改めて感じられただけでも良かった。
20.Metz『Up On Gravity Hill』

飾り気のない、格好もつけてない、鍛えているわけでもない、そこら辺にいてもバンドマンだと分からないような中年の男たちが、いざステージに立って楽器を手にすると度肝を抜くような激しいライブパフォーマンスを魅せる。そんな彼らのギャップこそが格好良さであり、10年以上彼らを好きで追い続ける原動力になっている。今年いっぱいで活動休止は寂しいけれど、また戻ってくる日を待っている。
19.Real Estate『Daniel』
![Daniel [解説書・歌詞対訳付 / ボーナストラック追加収録 / 国内盤CD] (BRC752) Daniel [解説書・歌詞対訳付 / ボーナストラック追加収録 / 国内盤CD] (BRC752)](https://m.media-amazon.com/images/I/51bglQgcFWL._SL500_.jpg)
変わり続けることも難しいが、変わり続けないこともまた、同じくらいかそれ以上に難しい。時代が移り変わり、どうしても社会制度や政治やインターネットの発達により、目まぐるしい情報が飛び交い、様々な鎖に繋がれながら生活を送る。リアル・エステイトとはつまり、実体のある、いつの時代も変わらない宝物のことではなかったか。彼らの音楽がまさにそうであるように。
18.Iron & Wine『Light Verse』

フォーク系のソロ・アーティストは中々日本だと人気が出にくい。それは日本歌謡的なaメロbメロサビの構造を有していない(あるいは、一聴してわかりづらい)こと、盛り上がったりシンガロングを促す類の音楽ではないことも理由にあるだろう。しかし、ふとした瞬間に聴きたくなる、生活的音楽としてのフォークソングには、何者も敵わないのだ。アイアン・アンド・ワインはいつだって、穏やかさと切なさの間隙を突く音楽を生み出し続けてきた。
17.Beth Gibbsons『Lives Outgrown』
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完全に違う次元にいる人が見ている世界を具現化した音楽という感じだ。「Oceans」以降の畳み掛けがやばすぎる。最初自分にはあんまり合わないかなと思った人も、Oceans.あたりまで聴くとやばさが分かってくるので、ぜひ時間がある時に通して聴くことをおすすめする。
16.Fucked Up『Someday』

前作にそんなハマらなかったし前作から1年という短期間でのリリースになったので、そこまで期待しないで聴いたらこれがめちゃくちゃ良くて驚いた。2011年の超名作「David comes to life」以降の作品の中では1番好き。昔の作品で感じていた、聴く者を張っ倒すような問答無用のポジティブなエネルギーを感じられたのが嬉しかった。
15.Bring Me The Horizon『POST HUMAN NeX GEn』

これが現時点でのBMTHの最高傑作だと言う人々の気持ちも分かるしきっとそうなのだけど、なんかこう「孤高の存在」になってほしい感じもあって、今だとエモ・スクリーモ・メロデス・デスコア・ニューメタルあたりの域を出ないというか、聴いたことある音楽をめっちゃ極めたみたいな印象なので、もっと聴いたことないような領域まで行ってほしい。
14.Yard Act『Where's My Utopia?』

「The Undertow」は2024年の中でも最も野心的かつ最も美しい曲の1つだろう。アルバム全体通してポップでダンサブルなのに、なぜか尖っていて取っ付きにくさもある。それがまたこの名盤の格を上げている感もあって、いやーすごいとしか。
13.Fat White Family『Forgiveness Is Yours』
![Forgiveness Is Yours [解説書・歌詞対訳付 / ボーナストラック追加収録 / 国内盤CD] (BRC754) Forgiveness Is Yours [解説書・歌詞対訳付 / ボーナストラック追加収録 / 国内盤CD] (BRC754)](https://m.media-amazon.com/images/I/21WjQSh8R3L._SL500_.jpg)
尖に尖った前作の良さを捨てることなく、大衆に寄せることもなく、しかしストリングスなど取り入れることで芸術性と間口の広さの両面を担保した、こうなってくれ…!と前作リリース時に願っていた次作への期待を全部叶えてくれたような夢のアルバム。本当に夢なのでは…?
12.Jessica Pratt『Here in the Pitch』

前々から予兆はあったが、今作で自らの特徴的なボーカルを活かした曲を仕上げてきており、ついに隙が無くなったな、という感じ。優しさ、儚さ、美しさ、強さのいずれをも感じさせるボーカルは唯一無二。
11.Clairo『Charm』

例えば明日死ぬとしたら、最後に聴きたいと思うのは終わりを感じさせず、日常の延長線上にあって、それでいて未来まで続いているような、こんなアルバムなのかもしれない。勝負の3作目はキャリア最高傑作となった。
10.Porches『Shirt』

なんで世界がそんなに騒いでいないのかが理解できない弩級の名盤。もっと評価されていいし、もっと多くの人に聴かれるべき。聴き手を選ばない器の大きさ。心を掴んで離さない、硝子細工のように繊細なボーカルが、時に呟くように、時に激しく歌い上げる。「Crying At The End」の張り裂けそうな歌声。「School」の今にも消えて無くなりそうな歌声。多様な楽曲の良さを何倍にも高めるアーロン・メインの表現力に、ただただ言葉を失うのだ。
9.skillet『Revolution』
定期的に傑作をリリースできる地力が凄まじい。初めて彼らを知った高校生の時からブレない音楽性と迸るエネルギー。彼らがいたからこそ自分は海外のアーティストの音楽を聴くことができた。
8.Falling In Reverse『Popular Monster』

この作品がリリースされるまでに単発で配信された曲が沢山あるので、目新しさがあるわけではないのだが、それでも通して聴くとその破壊力に圧倒される。1曲1曲に漲るエネルギーが凄くて、音楽でリスナーを殺そうとしてるのではとすら感じる。売れに売れた今でも尚、音楽と向き合い続ける天才が生み出した傑作かつ怪作。
7.Combat『Stay Golden』
とにかく表題曲「Stay Golden」である。2024年のみならずここ数年で1番のエモーショナルを感じさせる名曲。どんなにくそったれな1日でも、この曲をカーステレオから爆音で流しながら帰路につくことで、なんだかその日が愛おしく感じるのだ。
6.The Lemon Twigs『A Dream Is All We Know』

聴く前から名盤の雰囲気があり、さながらM-1で連覇する前の令和ロマンのような佇まい。聴いてみてもやっぱりめちゃくちゃ良くて、今年が海外作品の大豊作の年でなければ本当に2年連続マイベストだった可能性がある。
5.FIDLAR『SURVIVING THE DREAM』
![SURVIVING THE DREAM [Explicit] SURVIVING THE DREAM [Explicit]](https://m.media-amazon.com/images/I/51ugih9OP1L._SL500_.jpg)
遂にここまで辿り着いたかという万感の思いである。秋の連休、寿都町から黒松内まで高速で駆け抜ける中でずっと聴いていた思い出に深く刻まれた彼らの名盤。全曲シングルカット候補のベスト盤的な佇まいすらある。
4.Fcukers『Baggy$$』
![Baggy$$ [Explicit] Baggy$$ [Explicit]](https://m.media-amazon.com/images/I/51RgAsOIAGL._SL500_.jpg)
今年レコードプレイヤーをプレゼントしてもらって、そこからアナログ盤を聴き漁る日々を送っているのだけど、基本はフィーリングの合うレコードショップで見つけた昔のイカれたレコードを買って聴いていて、それはそれで楽しいのだが、ふとした瞬間に近代的な音で飛びたい気持ちに襲われる。そこでこのアルバムである。発売した瞬間から即完が続き、LPは高騰に高騰を重ね、定価で手に入らない状況が続く中で、自分はメルカリで比較的安価に購入できた。全曲わずか20分で意識を現実から別世界へ飛ばすことができる、究極の逃避行ダンスポップアバンギャルドミュージック。間違いなく今年を代表する1枚だ。
3.Geordie Greep『The New Sound』
![The New Sound [国内盤CD / 解説書・歌詞対訳付き / ボーナストラック追加収録] (RT0499CDJP) The New Sound [国内盤CD / 解説書・歌詞対訳付き / ボーナストラック追加収録] (RT0499CDJP)](https://m.media-amazon.com/images/I/51lM4RdvwRL._SL500_.jpg)
オープナー「Blues」「Terra」が真反対のような曲なのにどっちも突き抜けて凄すぎる。様々なタイプの曲が収録されているのだけど、そのどれもが限界まで突き詰められている感じ。ジャズ、ソウル、ロック、プログレ…ジャンルごとの最高到達点を更新していて、こりゃバケモンだと思い知らされる。普通ならこれが年ベス1位なんだが、今年は豊作すぎてまだ上がいるんだなあ…
2.Leoniden『Sophisticated Sad Songs』

今まで存在を知らなかったことが悔やまれる程、圧倒的センスのメロディメーカー。日本人のフィーリングにもフィットするのではないだろうか。多彩なアレンジや歌詞のセンチメンタルさも加わり、大御所バンドの風格すら感じさせる。中弛み一切なしの怒涛の大傑作。
1.Vampire Weekend『Only God Was Above Us』

33年も生きていると、中々音楽を聴いてぶっ飛ばされるような感覚は味わえなくなる。似たようなコード進行、似たようなメロディ、似たようなリリック…もはや0から1を生み出すことなど不可能なのかと打ち拉がれていたそんな時、この作品に出会うことができた。就職活動をしていた時に出会った『Modern Vampires of the City』を初めて聴いた時の衝撃を、10年以上経った今、鮮明に思い出させてくれた。音というものの可能性を軽やかに、鮮やかに、それでいて楽しく広げてみせた、2020年代のマスターピース。
【国内】
30.saji「カルト」
phatmans after school時代もunlimited時代も飲み込んで前に進もうとする熱を感じられる力作。「月とワルツ」「感脳性リベレーション」とかあの頃を思い出してセンチメンタルな気分になったり。
29.RYUSENKEI『イリュージョン』
近年活発に活動してくれてありがたい。日本のシティポップが海外に広まって久しいが、彼らは昔からやっていることがブレずにいて信頼できる。もっと知られてもいいと思うんだよな。
28.ZAZEN BOYS『らんど』

ちょっと興奮しちゃったな。向井秀徳にまだこれほどのエネルギーがあった事。12年経ってもリリックもバンドアンサンブルの核も変わっていない事。そしてあの時よりも今の方が、魅力がちゃんと分かる事。
27.ネクライトーキー『TORCH』

ボカロP出身のアーティストの中でもここはずっと変なことをやり続けていて凄い。絶対大衆受けするような曲たちではないのに、多くのリスナーの支持を得ているのは、一昔前に凛として時雨が流行った時の感覚に近いのかもしれない。
26.死神紫郎『独白』

以前と全然音楽性が違っていて最初別人かと思った。フォークソングライターがヒップホップにフルモデルチェンジすること、ある?しかし音楽の形態的に、フォークソングとラップには似ている部分もあり、自分の主張をダイレクトに伝えたいという意思があれば、そうなることもある…のか?しかしこれはこれで良いんだよな。
25.Age Factory 『Songs』

相変わらず生のエネルギーに満ち溢れているバンド。明るさ、ポジティブさとはまた違うんだけど、自分はここで生きているんだという実感が、迸る音からひしひしと伝わってくる。レゾンデートルというにはあまりにも荒削りだが、人生なんて荒削りでなんぼ、洗練なんてつまらないと言わんばかりの、大人たちの青春がここに詰まっている。
24.aiko『残心残暑』
 残心残暑[通常仕様盤(CD only)](特典なし)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Nr4h3TO7L._SL500_.jpg)
近年のaikoの集大成的「相思相愛」を核にしつつ「blue」「鮮やかな街」などミドルテンポの楽曲においても印象的なフレーズやコード進行が散りばめられている。とりわけ「blow」「よるのうみ」は白眉だろう。大衆のイメージするaiko像を壊さずに表現の幅を鮮やかに広げてみせた傑作。
23.Cody Lee『最後の初恋』

ここ数年台頭してきた新世代アーティストの中でもここは頭1つ抜けている印象。リズムの捉え方や楽曲を俯瞰で見る力、様々なジャンルの音楽を咀嚼してひとつの作品に纏める手腕がずば抜けている。そのうえ普遍的なグッドメロディを作る力があるとなればもう、手がつけられないわけです。
22.THE YELLOW MONKEY『Sparkle X』

いやーここでイエモンがこんな尖ったアルバム出すなんて誰も思わなかったでしょう。イエモンにハマったのは小学生の時。あれから月日が経って様々なジャンルの曲を食わず嫌いせず聴けるようになったのは間違いなくイエモンのおかげだと思っている。1曲ごとにがらりとスタイルを変えながらも、芯はぶれていないその重み、その凄まじさたるや。
21.花澤香菜『追憶と指先』
 追憶と指先 [通常盤(CD only)](特典なし)](https://m.media-amazon.com/images/I/51vtT28c3jL._SL500_.jpg)
本人の声質と提供楽曲がマッチして以降は安定して良作をリリースしている印象で、その音楽性も洗練されてきた。個人的には『Blue Avenyue』の時くらいの大味っぽさがあっても良いんだけどなと思いつつ。
20.フジファブリック『PORTRAIT』

キーボード脱退前、そして活動休止前のラストアルバム。これだけのキャリアがあって成功していても尚、どこかで燃え尽きたと感じてしまうことがあるのか、あるいは続けることへの躊躇いが生じたのか、それは定かではないが、こんな傑作がラストアルバムというのは、あまりに出来すぎていやしないか。
19.フレンズ『ユートピアン』

やっぱりキーボードでありメインソングライターが脱退した影響はかなりあって、前作なんかは曲数多いのにどうも薄味に感じてしまった。やっぱ『コン・パーチ』が傑作過ぎて中々超えられないという。前作よりは印象に残る曲も多く、少しずつ手応えが出始めている。
18.First Love Is Never Returned『POP OUT!Ⅱ』
たまたま知ったんだけど今のバンドってこんなアレンジしっかりしてるんだ…という驚きと、1曲の中に3曲ぶんくらいのアイデアが詰まっていてすげー贅沢!と思うなど。「バックミラー」とか特に凄い。どうやって作ったんだこれ。バンドアンサンブルに傾くことなくメロディもしっかり良いから売れるのも時間の問題か。
17.eyden『YELLOW CHEDDAR』
![YELLOW CHEDDAR [Explicit] YELLOW CHEDDAR [Explicit]](https://m.media-amazon.com/images/I/51F8aC-HPML._SL500_.jpg)
近年のラップスタアの中でもイエロウ・バックスと並んでトップクラスの成功者だろう。本人的には曲作りよりライブに軸足を置きたいんだろうけど、こんな傑作を生み出す力があるなら数年に一度新作を出してくれればありがたい。
16.浦上想起『遊泳の音楽』

近頃忘れかけていた、日本の音楽の良い意味での雑食感を思い出すことができた。あらゆるジャンルを貪欲に咀嚼して、自身の表現したいものを生み出す、アーティストとしての強いエネルギーを感じる名盤。
15.リュックと添い寝ごはん『Terminal』
マカロニえんぴつに続く、何でそんなバンド名にしたんだ枠であるが、あそこより音数が少なくシンプルにメロディの良さが伝わってくる。歳取って情報量が多い音楽が聴けなくなってくると、もっと味が出てくるように感じるんだろうな。
14.家入レオ『My name』
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今まで全く通ってこなかったアーティストで、何ならちょっと舐めてたくらいで申し訳なかったのだけど、日本の音楽の良いエッセンスを集めて作られた、まさにJPOPといった感じのアルバムで、聴いていて懐かしさや安心感を抱く。かと思えば「雨」みたいな挑戦的な曲もあったりして、意表の突き方も◎。
13.三四少女『恋してる・コンティニュー』

やっぱ「ユートピア」のMVから入った人が多いんじゃないだろうか。近頃のニューカマーの中で一番ワクワク感があって良い。やっぱ若手には安心感より何してくれるんだという期待感を抱かせてほしい。
12.androp『hooray』

久し振りにアルバム聴いた気がする。めちゃくちゃポップになってて「vidro」とかクサすぎると思ったんだけど、その後の「Lamplight」から最後までの流れとか凄く良いし、これが今の彼らのモードなんだろうなと納得させられてしまった。
11.アーバンギャルド『メトロスペクティブ』
相変わらずここは全然外さなくて凄いなー。毎作テーマを変えているのに毎回このクオリティの高さ。アングラに装っていて実はめちゃくちゃポップでとっつき易い魅力も変わらず。「りぼん曼荼羅」とかだいぶ大衆寄りのポップソングで、ちょっと面食らったけど。
10.LAST ALLIANCE『Bring Back Blue』

EPなんだけどいいですか。大学4年生の時にリリースされた『Seventh Sence』を今でも聴いているおれのような人間にとって、あれから11年ぶりとなる音源はEPであろうが単曲であろうが良いのである。もう諦めかけていたラスアラの新曲を、30代半ばを迎えた今になって聴けるという喜びを味わえただけでも、この2024年の意味があったというものだ。
9.アシガルユース『JANK POP BOX』JANK POP BOX | ashigaru
今年だと思ったら去年リリースだった!すまない!!しかしこの大傑作を取り上げないわけにはいかないのである。長らく地下に潜っていた彼らがそれでも歩みを止めず、メロディセンスを研ぎ澄まし、しかしながら誰しもの日常に溶け込むような魔法のポップ・アルバムを作り上げたこと。音楽がもつ感動と興奮とはつまり、このアルバムを聴けば分かるのである。
8.Ms.OOJA『流しのOOJA3』

カバーアルバムシリーズの中では矢張り1作目が大傑作なのでそれを超えるとまではいかないが、相変わらず自身のボーカリゼーションを理解した選曲とそこにしっかりと合わせてくる編曲の妙で最後までするっと聴けてしまう。
7.a flood of circle『WILD BUNNY BLUES/野うさぎのブルース』

デビュー当時の荒々しさが泥臭さに変わってきて、メンバーも年齢を重ねて言葉に重みも出てきて、切迫感と清々しさが同時に表出されるというあまり他に例を見ない新作が出来上がった。バンド自体メンバーの失踪や脱退を経て今に至るという紆余曲折もあり、初期から聴いてきた者としては感慨もひとしおである。
6.(夜と)SAMPO『モンスター』

アルバムというものの定義が怪しくなってきている昨今ではあるが、彼らのフルアルバムという観点でいえばこれが1stなのではないか。今までの総決算、ベストアルバムのような佇まい。自分たちはこういうバンドだという、まさしく名刺代わりの一枚。
5.クリープハイプ『もしも生まれ変わったならそっとこんな声になって』

近年増えてきたトリビュートアルバムの中でも最高傑作だと思う。各楽曲に最も合ったアーティストや自身がリスペクトするアーティストにカバーを依頼するのがこの手の作品の常だが、このアルバムは「このアーティストがその曲を歌うのか」という意外性もしっかりあって、ここは尾崎世界観のコネクションの広さを感じさせる。「憂、燦々」は特に、原曲がリリースされた時そんなハマらなくて、ヨルシカというアーティストにもそんな惹かれていなかった自分にとって衝撃だった。こういう、足し算じゃなく掛け算になる化学反応が堪能できるのもトリビュート・アルバムとしては最高。売れる前からクリープハイプを推していたユニゾン田渕がアレンジした「イト」もニクい。後あのちゃんが歌う「社会の窓」は背景込みでちょっと泣きそうになっちゃったな。
4.クリープハイプ『こんなところに居たのかやっと見つけたよ』

上記トリビュートアルバムから間髪入れずにリリースされた本隊のこちらもまた傑作だった。ここ数年のクリープハイプはボーカルの多岐に渡る活動が全部良い方向でフィードバックされてて凄いなと圧倒されてしまう。良い意味でまだ歌詞も曲も尖ってるのに、それをポップスとして聴かせてしまうバンドの演奏力と尾崎世界観の表現力。
3.離婚伝説『離婚伝説』

この手の音楽がようやく大衆に受け入れられるようになったというか、時代遅れ感やダサいクサい感がやっとリスナーから取っ払われたことが感慨深い。シティポップを下敷きとしつつ、普遍的な美しいメロディを歌い上げるボーカルの、良い意味でのクセの無さが透明感を生む。アルバムとしての流れも意図しながらも、全曲シングルカットされるようなクオリティの大傑作。

新作というのも少し違うかもしれないが、未発表楽曲もあるということで。去年のlampの久しぶりの新作の傑作ぶりに興奮冷めやらぬ中での榊原女史の別働隊がリリース。この流れでmicrostarとかブルーペパーズも新作出して欲しいと切に願うのであった。
1.Penthouse『Laundry』
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今年は邦楽不作の年だなーと思っていたところに颯爽と現れた大名盤。全曲全然違うアプローチの楽曲なのにどれも圧倒的完成度。今年はこことminuano、離婚伝説がずば抜けていた印象。
2024年最大の変化といえば、春先に我が家に猫を迎え入れたことだろう。山奥に捨てられた(と思われる)猫が妙に懐いてきたことで、半ばなし崩し的に迎え入れたわけだが、その愛らしさに心を奪われ、気付けば猫のいない生活など考えられないようになった。人間と違い猫には裏表がない。人間は猫の爪の垢を煎じて飲むべきという危険思想さえ抱いている。自分が今労働を続ける理由は、我が愛しき黒猫が何不自由ない生を謳歌するための、金稼ぎとなったのであった。
また猫を迎え入れてから保護猫の現状を知り、譲渡会に足をよく運び、食事やトイレ砂の寄付を重ね、恐れ多いが自身もその一員になれたような気がしていた。現状人間相手の仕事をしているがそれにももう限界を感じていたこともあり、やはり自分は人間より人間以外の動物に関わる仕事の方に惹かれるのだと改めて自覚した。30代のうちにある程度貯蓄をして、40代から動物保護に関わる仕事に携われるよう、自己研鑽を重ねることを誓った1年であった。
The Best Albums of 2023
現在2024年4月。今更2023年のエントリを上げることに違和感しかないが、労働に精神を引き裂かれたことによりこれほど時間が掛かったという証左でもある。自分の精神が完全に破壊されるまで、備忘録として続けていきたい。
【海外】
1.The Lemon Twigs『Everything Harmony』
圧倒的1位。ここ数年聴いた海外の作品の中でもダントツ1位である。完璧な造形美を誇るメロディ、それでいて情熱や品性のような人間味をも感じさせるバンドサウンドとボーカル。我々の日々の営みの中に、常に寄り添ってくれるような作品。この作品を聴くと、くそったれな1日も最良の1日になり得るのだ。
2.Youth Lagoon『Heaven Is a Junkyard』
8年待った。地獄の淵から這い上がってきたトレヴァー・パワーズの、祈りのような歌声。ハードなバックボーンを感じさせない、繊細で穏やか、それでいて物語性のある彩り豊かなメロディ。人生は相変わらず好転しないが、そんな人生がどうしようもなく続いていくことを思い知らされると同時に、そんな人生だからこそ些細な喜びを大切に抱き締めねばならないことを教えてくれるのだ。
3.Wednesday『Rat Saw God』
ロックンロールというものが形骸化してどれだけ経っても、ロックンロールを内に宿して発信し続ければ、その存在がロックンロール足り得ることを感覚で理解させられる。コロナ禍を経て混沌としたこの時代だからこそ、このようなバンドが天下をとって然るべきなのである。
4.Sigur Ros『ATTA』
アルバムのアートワークで物議を醸したことが記憶に新しいが、アーティストがどのような主義主張思想を抱いていようが、彼/彼女らの生み出す作品が好きであればそれでいい、そんな当たり前のことに気付かされる。
5.Keep of Kalessin『Katharsis』
デスメタル?ハードコア?細かいジャンルの区分なんて知るか、これが音楽だと言わんばかりの圧倒的アティテュード。そうしたアーティストほど紡ぎ出されるメロディが美しいのもまた、その純粋さを映し出しているかのようだ。
6.Speedy Ortiz『Rabbit Rabbit』
Speedy Ortizといえば『Major Arcana』というイメージのリスナーは多いのではないか。2013年。大学4年生の自分は何をしていたのだろう。論文を書き、就活を繰り返し、雨の日に自転車で転び、小さくて汚いライブハウスに足を運んで小さな世界を唄うロックバンドを見ていた。あの日から10年。あの時の自分は今の自分を見て、どう思うのだろう。
7.YONLAPA『Lingering Gloaming』
タイという国について知っていることがどれ程あるだろう。首都はバンコク、微笑みの国、マッサマンカレー、プーケットに立ち並ぶマーケット…その中に息衝く文化を、この作品を聴くことで少しだけ垣間見ることができる。
8. feeble little horse 『Girl with Fish』
羊蹄山を一望できるキャンプ場で、夜に焚き火をしながらずっと聴いていたアルバム。繊細さと荒々しさが丁度いい塩梅で同居していて、これがインディの良さなんだよな、と再認識しながら2023年をそっと終えていくのだった。
9.Hotline TNT『Cartwheel』
話題になってるから聴いたろくらいの感覚だったんだけど、これが思いの外良かった。なんか「これは傑作に違いない!」と思って聴く作品は自分の中でハードルが上がってるから中々思ったような傑作!という感じにならないことが多いのだけど、ラフな気持ちで聴く作品が「あれ?傑作!」となることが多い。気の持ちようは大事。
10.King Krule『Space Heavy』
一見お断りではないけれども、敷居高く感じる店みたいな、そんか雰囲気があって最初はあんま聴く気が起きなかったんだけど、似たような雰囲気のカレー屋に足を踏み入れて聴く気になった。店は狭くて店長はぶっきらぼうな感じなんだけど、一口カレーを食べればその美味さに我を忘れて食べ進め、お会計の時に笑顔を見せる店主のファンになるという…
11. The Drums『Jonny』
相変わらず逃避感の強い音楽なんだけど、作品を重ねるごとに少しずつ現実とリンクしてきて、今回はフロントメンバーの名前を冠するアルバムということで改めて現実と向き合ったような、そんなアルバムである。
12.Veeze『Ganger』
今年のヒップホップ・ミュージックの中でも群を抜いたインパクトとクオリティ。情熱と距離を置いたフロウに、悪趣味が垣間見えるリリック。ビートも異様な雰囲気を醸し出しており、一度聴くと抜け出せないリスナーが多いのも納得の仕上がりだ。
【国内】
1.lamp『一夜のペーソス』
lampはいつも自分の人生の分岐点で最高の音楽を届けてくれる。「ゆめ」は社会人1年目に、「彼女の時計」は転職後1年目に、そしてこの「一夜のペーソス」は転勤後1年目にリリースされた。不安が押し寄せる自分の心を癒し、明日への活力も与えてくれる魔法のような音楽。音楽に救われるということがあるならば、自分は間違いなくlampの音楽に救われてきたのである。2020年度文句無しのトップ。
2.NOMELON NOLEMON『ルール』
lampが新作をリリースしなかったら間違いなく1位だった。そのくらいの完成度。前作から1年足らずでこのクオリティのアルバムを上梓してきたことにただ驚くばかりである。「透明水曜日」が白眉だが、YouTubeに上がっている「SAYONARA MAYBE」のライブバージョンも素晴らしい。ライブを見てみたくなるアーティストだ。
3.きゃない『星を越えて』
「バニラ」「愛の言葉」を筆頭に、全体的にとにかくスピッツからの影響を受け過ぎてる点を差っ引いても良く出来たアルバムだと思う。ボーカルの声質のおかげでシンプルなJPOPがエモーショナルな熱を帯びるのが良い。
4.緑黄色社会『pink blue』
どのように曲を組み立てていけばヒットソングが生まれるかということを肌感覚で分かり始めた感がある。特にベーシスト穴見氏の覚醒は目覚ましい。ここに個々人のスキルが上乗せされていくと、バンドとしてのステージがまたひとつ上がっていくだろう。
5.NICOTINE『St.ROSALIA』
活動30年目。自身の年齢を考えると、それがどれほどの偉業であるか分かるだろう。売れ切ったアーティストの30周年とは訳が違う。泥水をすすり続けてきて、そのクオリティに世間の評価が未だに追いついていないバンドの30年。その重みと凄み、そして良い意味での軽やかさに、圧倒させられるのだ。
6.凛として時雨『last aurorally』
凛として時雨。高校生から聴き続けているバンドが現役感のある作品をリリースしてくれることは、我々のようなヤングエイジにとっては有り難みしかない。
7.とた『oidaki』
全く事前情報を知らず、妻が流すSpotifyのラジオから流れてきたアーティスト。今風の曲調に今風のアレンジ。若干の付いていけなさを感じつつ、これが現代なのだと刷り込んでからはすんなりと受け入れられるようになった。
8.板歯目『遺伝子レベルのNO!!!』
読めないバンド名を象徴するかのように読めない曲展開が魅力のバンド。個々人のスキルを遺憾なく発揮している「SPANKY ALIEN」でノックアウトされた。こんな活きのいいバンドが定期的に出てくる国であってほしい。
9.BUCK-TICK『異空-IZORA-』
人はいつか死ぬ。不死のような佇まいであっても。圧倒的カリスマだったフロントマン櫻井氏の突然の逝去に、呆然とするしかなかった。2023年から新天地で労働することになった自身を奮い立たせてくれたこの作品は、今後の人生の中でふと思い出しては懐かしみ、そして寂しく思うのだろう。
10.藍坊主『月の円盤』
君は藍坊主を知っているか。下北沢界隈で話題になり、『ミズカネ』週間オリコンチャート10位以内にランクインし、「星のすみか」が人気アニメのテーマソングになり…順調な道を歩んでいた彼らが、ドラマー脱退やボーカル不調の危機を経て、辿り着いた原点。回帰とはまた違う、ゲームクリア後2周目のような感覚。学生の頃の自分を奮い立たせてくれた藍坊主はちゃんと、ここにいる。
11.UVERworld『ENIGMASIS』
出自や立ち振る舞いからか、ロックバンドとして軽視されがちな部分も否めない。斯く言う自身もこのバンドはあまりロックバンドとして考えていないのだが、そうしたジャンルで括ること自体が馬鹿らしい、数多のジャンルを軽々と横断していくアクロバティックな感覚に、20年経った今も惹かれ続けているのだ。
12.EOW『HOPE』
近年のアーティストの中で最も上手く海外のフィーリングをバンドサウンドに落とし込んでいると思う。難しくなく、軽くもなく、絶妙な塩梅のポップミュージック。最早大衆に知れ渡るのは時間の問題だろう。
2023年は人生が大きく変わっていることを実感した1年であった。転勤が契機であったことは間違いないが、今までにないようなタイプの人々との関わりや自身の細々とした音楽活動の再開など、とにかく刺激が多かった。そのため身体と精神が疲れ切っている日も多く、自分が今何を考えているか分からないまま仕事に向かう日もあった。
キャンプにも行くようになり、プロレスも観に行くようになった。秘湯めぐりもした。労働がつらいことに変わりはないので、いかに労働以外の部分を充実させるか、という点に心血を注いだ1年でもあったように思う。
どう足掻いても労働はつらく、ただ労働を辞することが出来ない状態にもなったので、身体か精神のいずれかが破壊されない限りは、延々と今の労働を続けていくのだろう。削られた精神は癒えることはあっても元通りの姿にはならず、緩やかに破滅の道を進んでいく。
The Best Albums of 2022(国内)
36.the hatch『shape of raw to come』
風呂入ってる時も飯食ってる時もオナニーしてる時も常に音楽を流している山田みどりは今の日本で信頼できる数少ないアーティストだと思うわけですよ。とにかく好き勝手やってほしいという思いで新作を待ち続けて良かった。ルールとかマナーに縛られず無茶苦茶やってくれ。最高。
35.春ねむり『春火燎原』
これまでにあまり出会ったことのないタイプの音楽で、いわゆる電気が走るタイプの曲たちが並んでおり、アーティスティックな側面を感じさせつつ、ギリギリのところでポップでもあり、バランス感覚えげつないなという感じ。
34.C.O.S.A『Cool Kids』
ラッパーでもあり、詩人でもある。個人的には詩人っぽいラッパーが好きなのでハマるのは必然だった。
33.TEAM SHACHI『TEAM』
相変わらずアイドルの皆様からは活力を頂いている人生である。TEAM SHACHIからは混じり気のないエネルギーを分けてもらえるので、複雑なつらさに直面した時によく聴いていた。
32.さっきの女の子、『混ざると乱れる』
そろそろフルアルバムを出してほしい。相変わらず1曲1曲のクオリティはめちゃくちゃ高い。
31.柴田聡子『ぼちぼち銀河』
歌詞の良さは今年度ぶっちぎりだと思っている。あとは、曲を聴くときに歌詞カードを見ない人間(音だけを頼りにしている人間)を引き摺り込むような曲がほしい。
30.アルカラ『キミボク』
3人体制になってリリースペースが落ち、大丈夫かなと思っていたらちゃんと良いアルバムをリリースしてくれて安心している。
29.ポルカドットスティングレイ『踊る様に』
いけすかない感じは相変わらずあるんだけど、曲の力で捩じ伏せられるのが悔しいやら喜ばしいやら。
28.Syrup16g『Les Mise Blue」
待ってました。相変わらずの暗さと言葉遊びの軽快さ。この暗さを見せつけてくれるバンドが少なくなった今(見せつけるとメジャーには行けなくなった今)、彼らの本領が発揮させる時だ。
27.BBHF『13』
とにかく「バックファイア」が良すぎて、この曲単体で見たら年間ベスト級まである。ガリレオガリレイ復活の喜ばしい報もあり、来年はさらに飛躍の年となることだろう。
26.ハンブレッダーズ『ヤバすぎるスピード』
まじでずっと初期衝動を保ち続けててすごい。こんなロックバンドを見たことがない。変化がないのではなく、曲を変化させながら初期衝動をずっと表現し続けている。すごすぎる。
25.水樹奈々『DELIGHTED REVIVER』
相変わらず曲のクオリティは高いんだけど、昔みたいなワクワク感が無くなってきた。もうちょっと歌謡路線にしていったら良くなると思うんだけど、声優という職業柄求められる音楽がそういったものではないのかな。
24.ELLEGARDEN『The End of Yesterday』
まず復活してくれたこと自体が有難いのに、まさかアルバムを出してくれるとは思わなかった。色々思う人はいるだろうが、自分は復帰作としてはこれ以上ない名盤だと思う。
23.緑黄色社会『Actor』
「Mela」で売れまくった結果アルバムがそっちに引っ張られると思いきや、意外にもそんなことはなく。ただ全体的にメリハリのないアルバムになってしまった印象。「アラモードにワルツ」とかはめっちゃ良いんだけど。
22.山内総一郎『歌者』
単純に良い曲を並べているのでそりゃ良いアルバムになる。ただもっと、クセのある曲というか、この人でないと歌えない曲を入れてほしかったなという残念さがある。
21.水瀬いのり『glow』
声優がリリースするアルバムとしてこの人が1番真っ当なものを出し続けている気がする。様々なタイプの楽曲を揃えつつ、自身の声で統一感を出すという。ややポップス寄りなところも良い。
20.ghost like girlfriend『ERAM』
こんな良かったか?と思い返すくらい良かった。バンドと電子音楽の良いところ取りみたいな。もっと良さが広まっていって爆売れしてほしい。
19.LUNKHEAD『リノセント』
様々な苦難を乗り越えて3年ぶりのアルバムリリース、というのは本当に素晴らしいんだが、もうちょっと凝っても良かった気がするんだよなー、個人的にはランクヘッドは凝ってる曲の方が好きなので…ただ「ふわり」はめちゃくちゃ良い。次作でこの路線を突き詰めて、また『V0X』『青に染まる白』クラスの名盤を作ってほしい。
18.fhana『Cipher』
4年くらいリリース間隔あけるとやっぱ1曲1曲が粒立ってくるなと再認識。考えすぎてる感もあるけど、この人たちは考えすぎてるくらいがちょうどいいと思うんだよな。ただ長すぎるのが難点。12曲くらいに絞ってほしかった。
17.OMSB『ALONE』
ほとんど客演がないあたりがストイック。内容も7年待っただけあって濃密。内省的な作品が結果として大衆に広くリーチしているのを見るとテンション上がりますね。
16.SANDAL TELEPHONE『REFLEX』
気付いたらアーティスト名が英語表記になっていたんだけど、海外志向になったとかそういうことではなく安心した。海外でちゃんと売れてる人らは寄せなくても勝手に売れていくので。「恋の魔法使いにはなれない」が白眉ですかね。
15.ソウルズ『超常現象』
知った時にはもう解散が決まっていた。なんでだ。日本でポップスをやろうと思った時の最適解がこのアルバムだと思う。札幌の夜道を走っている時にリピートして聴いた。
14.ばってん少女隊『九祭』
今年から温泉とサウナにハマった。サウナにハマったのはやっぱり、精神が限界に近付いている証なんだと思う。札幌にあるフミノサウナという個室サウナは最高で、好きな音楽をBluetoothでサウナ内及び休憩場所に流すことができる。その時にこのアルバムをよく流していた。アルバム自体は、前作の方が好きなんだけど、この人たちのファンをいかに楽しませるかというリスナーに目線を合わせた姿勢はとても好きなので。
13.シナリオアート『Blue Smell』
全然印象になかったバンドの曲を何かの拍子で聴いてめっちゃ良かった時の感情、まだ名前が付けられていないらしい。シナリオアートはいつからこんなポストロックにjpop的メロディーを織り交ぜるのが上手くなったんだ…
12.黒子首『ペンシルロケット』
傑作だった前作をちゃんと超えてきているのが凄い。新人バンドとは思えないほどの引き出しの多さとメロディラインの多彩さ。特にミディアムテンポの曲でしっかり盛り上げどころを作る技術の高さには舌を巻く。
11.NOMELON NOLEMON『POP』『感覚派』
新世代のポップミュージシャンとしてもっと持て囃されて良いとおれは思っているんだけど、何もかにも信じられない世の中なので別に誰に持て囃されなくともおれが好きであればそれでいいのだと思いを新たにした。
10.ハルカミライ『ニューマニア』『Symbol2』
人生がクソなのは31年生きてきて結婚しても何ら変わりない普遍の真理だと感じている。おれでさえそうなんだから、絶対に皆そうだと思っている。このクソな世界に、早くトドメを刺してくれる存在として、彼らは表舞台に立っているのだ。
9.小林太郎『合法』
このキャリアでここにきて「骨伝導」みたいな曲を作れることが既にやばいんだけど、仮面ライダーの主題歌とかゲームのテーマソングとか提供してきたキャリアがあってこそだろう。「Armour Zone」とかめちゃくちゃ良いんだけど、アルバムには入らないんだろうな。
8.フィルフリーク『STORY STORE』
この人たちが爆売れしてない理由が分からないくらい今の若者に向けた音楽をやっているんだけど、みんなもしかして音楽を能動的に聴いていない…?圧倒的ポップセンスと瑞々しい歌詞が織り成す珠玉の8曲。
7.amazarashi『七号線ロストボーイズ』
弾き語りとバンドサウンドの丁度いいとこどり、1stの頃に近い感触の傑作だったので驚いた。しばらくamazarashiから離れていたけど、まだ「1.0」みたいな曲を作ってくれることも感動したね。
6.パスピエ『ukabubaku』
デビューして3作くらいは好きだったんだけどそこからちょっと自分の好みとズレてきてて、2016年くらいからあんまりちゃんと聴かなくなっていた。12月リリースの作品は傑作が多いというジンクスもあったので久し振りにちゃんと聴いたらめちゃくちゃ傑作だった。やっぱアルバムの締めを「もののけだもの」みたいな曲で締めるのが最高だよ。
5.安野希世乃『A PIECE OF CAKE』
この人は毎回めちゃくちゃ良い曲に恵まれていて、それを毎回軽やかに歌いこなしているので、すごいなあと感心しながら一周目を聴き終わり、もう一度ちゃんと聴かねばと思い、またもう一周するのであった。「世紀の祝祭」「波間に消えた夏」とかもうタイトルからして最高。
4.サカナクション『アダプト』
間違いなくサカナクション最高傑作。厳選された8曲34分という絶妙な再生時間。1曲1曲が代表曲クラスの完成度。ここまでやられたらもう何も言えないという感じ。
3.MINAMI NiNE『SOUTH』
遂に戻ってきた。「群青」リリース以降フルアルバムを聴きたくて仕方なかったが、2年待っても音沙汰なく、こりゃ駄目か…?と思っていたら今年ついにリリース。インディーズに戻って原点回帰した結果、群青とはまた違ったテイストの名曲群が立ち並ぶ傑作に。
2.なにわ男子『1st LOVE』
自分がまさかKinKi Kids以外のジャニーズグループにハマるとは思わなかったんだけど、とにかくなにわ男子は楽曲の打率の高さが凄かった。近頃ダンスミュージックをベースにしたアイドルが男女問わず増えていく中で、なにわ男子は単純に歌の力で勝負しているのがとても良い。アルバム全曲一切外さない名盤。
1.明日の叙景『アイランド』
音楽は精神を救ってくれる数少ない存在だとおれは今でも信じていて、自分の人生においてはありがたいことに限界の鬱になった時に、救いの手を差し伸べてくれる音楽がやってきてくれる。今年は5月以降定期的に死にたいタイミングが訪れており、張り詰めた糸が切れてもう駄目だと思った11月の頭に出会ったのがこの作品だった。自分の代わりに叫んでくれているのかと言わんばかりのボーカル、激しいのに美し過ぎるメロディの虜になり、当直室で夜中に聴いたその時からほとんど毎日といっていいくらい聴き込んだ。これがあれば他に何もいらない、墓場に抱いて持って行くんだと誓ったのである。
海外編でも触れたが何でこんなつらいんだというくらい、今年はつらかった。仕事でもプライベートでも、あまり人と関わるのが得意ではないので両方色々な人と関わらざるを得ない状況はつらかった。心の休まる瞬間がほとんどなく、厳しい日々が続いた。時折訪れる自由な1日でカレーを食べに行ったり、サウナに行くことが数少ない安らぎだった。こんな日々ならいっそ死んだ方がましだと何度も考えた。ただ臆病が故、死にきれなかった。ただもう限界である。早く迎えにきてくれ。
The Best Albums of 2022(海外)
36.Gilla Band『Most Normal』
気が触れているようなフォーマットのなかを掻き分けていくとほんの少しのポップミュージックがある、このバランス感覚が凄い。個室サウナで聴いててすげーと思ってしまった。
35.death's dynamic shroud『Darklife』
沖縄に向かう飛行機の中でずっと聴いていた。1時間近くあるんだけど展開が派手でずっと飽きさせない工夫があったり、1曲1曲の中にも仕掛けがあって、インテリジェンスを感じさせる。
34.SZA『SOS』
12月滑り込みセーフ。めちゃくちゃ良い。前作を聴いてなかったおれのような人間にもやさしい、いかにSZAがやばいかということが明朗に示された傑作。
33.Florist『Florist』
嫁が当直勤務で不在の際、小樽に行ってしこたまビールを飲んでいた時に聴いていたアルバム。「Duet for Guitar and Rain」「Spring in Hours」が良くて、ああ音楽というのはこうも生活の中に溶け込んでいるのだなあと改めて感じられた傑作。しかしFloristがここまで化けるなんて思わなかったですよね、まさかBig Thiefの系譜に連なるとは…
32.The Smile『A Light for Attracting Attention』
気付いたらレディオヘッドの方が全然新譜出してなくて、トムの別働隊が動き回っていた。びっくり。良いのは良いし、最近のレディオヘッドには無いバンド感があるのは好きなんだけど、いやレディオヘッドは…?という気持ちが、聴いていて頭をよぎるんだよな。
31.OVENS『OVENS』
1曲の中の1番良いところだけをかき集めたようなショートソング集。ハイライトだけが集まっているのでそりゃ良いに決まってる。ただ途中で胸焼けしそうにもなってくる。
30.Titus Andronicus『The Will to Live』
おれはタイタス・アンドロニカスは12年前の『The Monitor』からずっと推しているが、未だに日本での知名度は低い。この国のリスナーはサブスクリプションの発展により能動的な選択をできるようになったが、結局はヒット曲やおすすめのプレイリストを再生するだけ。本当の意味で能動的に音楽を聴きにいっているリスナーがどれほどいるというのだろう。
29.Dehd『Blue Skies』
形容するのが難しいんだけど、普通のインディ・ロックなのにちょっと普通のインディ・ロックぽくないのが良い。あとフロントマンの圧が強い。フロントマンの圧が強いバンドは良い。
28.Dry Cleaning『Stumpwork』
札幌の夜の街を車で走っていた時、妙に自分の気持ちとシンクロしてしまった。未来に対する圧倒的な、漠然とした不安。1人の時には感じなかったそれが、確実に鎌首をもたげてきている。フローレンス・ショウは楽器の隙間を掻い潜り、おれに何かを伝えようとしている。それが何なのか、未だにわからないのだ…
27.Whitney『SPARK』
声質は100%才能の世界なので、良い声質のボーカリストに出会う度に「すげえな」と「何をやっても勝てない)という気持ちで打ちのめされてしまう。ジュリアン・アーリックもまさしくそうした天才なのだけど、声質が綺麗過ぎて、打ちのめされるというより浄化されてしまう。おれが死ぬまで生きてて歌い続けてくれ。
26.Ty Segall『Hello, Hi』
音楽聴いてて楽しかったのは2006〜2013くらいだったなーと思ってしまい、実生活が荒んでいくと音楽を聴く力とか楽しむ力が失われていくんだなーと再確認できた。本当に外界との接点を限界まで絶って山奥で自給自足の生活を送りたいんだが、この日本では難しいらしい。早くベーシックインカム制度を確立させてくれ。もう限界なんだ。無邪気にAnimal Collective、Dirty Projectors、Grizzly Bearが立て続けに傑作をリリースしていて歓喜していた2009年に戻りたい。コロナと悪い人間に生活をめちゃくちゃにされたおれの人生に、Ty Segallの音楽は何をもたらしてくれるのだろう…
このバンドは評価高かった前作があんまりハマらなくて「世間と評価が違う…」と思っていたんだけど、今作はわりと好きになれて「自分のコンディションの問題だったのでは」と思いを新たにした。しかし1曲目が一番好きなのでそこが自分のピークになってしまうのは寂しいところではある。
24.Sobs『Air Guitar』
妻がSpotify、おれがApple Musicに契約しており、Apple Musicが今年の12月から値上がりするという報を受け、SpotifyのDuo Planにおれが移行する形となった。まあ元々Apple Musicはめっちゃ重かったので別に良い。Spotifyに移行して最初に聴いたのがこのSobsの新譜で、それがめちゃくちゃ良かったのでSpotifyが最高の滑り出しだったという思い出です。そういや海外における「エアギター」とは日本と同じ意味なんだろうか。
23.phoenix『Alpha Zulu』
久々のアルバムでだいぶテンションが上がってしまい、ハードルを上げ過ぎてしまったかもしれないが、それでも良かったのでやっぱりフェニックスは天才。
22.The 1975『Being Funny In A Foreign Language』
おれのような1975をちょっとナメてた人間にこそ聴いてもらいたい。トータルの長さも完璧、1曲1曲の完成度も完璧。世間の大絶賛を受けた3作目とも少し違う路線。逆にこれが駄目ならもう1975は合わないとしか言いようがないくらい受け皿が広い名作。
21.Weird Nightmare『Weird Nightmare 』
METZのボーカリストのソロプロジェクト。本隊の新譜も待ち遠しいが、本隊とはまた違った焦燥感と狂気があって良い。
20.yeule『Glitch Princess』
何を隠そうおれが入籍日の夜に聴いていたのがこのアルバムである。ずっと狂っているのでトータルどこで狂っているかが分からない、ずっと平常に聴こえるという異常すぎるアルバム。人生の大転換期に聴くと正常な気持ちになれるぞ。皆さんも入籍日にはぜひこのアルバムを。
19.Perel『Jesus Was an Alien』
まず胡散臭すぎるジャケットが最高。中身も程良く狂っていて、人間狂っている時に狂った音楽を聴いていると最高なんだなと分かる。まあ、そもそも狂いたくないんだが…
18.Belle and Sebastian『A Bit of Previous』
相変わらず良い。相変わらず良いを達成し続けることの難しさをよく知っているので、もう彼らには足向けて寝られませんわ。
17.Nas『King's Disease Ⅲ』
おれが海外のラッパーで1番好きなの、やっぱりNasだなと再認識させられた。
16.Diamanda Galas『Broken Gargoyles』
こういうのを聴きたくなる日、絶対あるでしょう。え?無い?じゃあ、話すことはないですね。
15.Weyes Blood「And In The Darkness, Hearts Aglow』
個室サウナの中で流して聴いてて落ち着くことができたので良い作品です(?)
音が粒立って聴こえる感覚を与えてくれる曲はたいてい良い曲なんだけど、これを言語として上手く説明することが毎回難しく、もっと適切な表現を誰か生み出してほしい。音楽評論家(?)のみなさん。
14.Bjork『Fossora』
キノコ好きなんで当たりでした。ともかくどんな突飛なテーマの作品でも最高の物に仕上げるあたり、アーティストだなと再確認させられる。
13.Shamir『Heterosexuality』
LGBTとかそういう背景一切関係なく、めちゃくちゃ良い楽曲が揃った名盤である。自分は恵まれた環境の国で生まれ育っているが、これが別の国の別の家庭に生まれていたら、いったいどうなっていたのだろう、という想像力は、常に忘れないようにしたい。
12.White Lung『Premonition』
この化け物クオリティのアルバム出して解散とか、ミュージシャンの理想の解散の仕方だ…と思ってしまった。おれも化け物クオリティの仕事やったあとそのままの仕事を辞めるんだ。
11.Stars『From Capelton Hill』
日本人が入り易いポップソングを作る人たちなので、もっと売れてほしいんだよな。ただメロディが良いだけでなく、各楽器のアンサンブルとかちゃんと練られてるのが良いんだよ。
10.PUP『The Unraveling of PUPTheBand』
ジャケットが酷いことを除けばほぼ満点なのでは。勢い一点突破ではなく、アレンジやメロディの随所に工夫が見られるのが、やっぱセンス良いなと感じさせる。
9.Lambchop『The Bible』
最初に聴いた時はこりゃ今年の各メディアの年間ベストアルバム総なめだ!!!と思ったら意外と出てこなかった。なんでだ。Lambchopはこのキャリアの長さで毎回色んなことに手付けてるのがすごくて、逆にまだやってないのは何なんだ、と考えてしまう。ちなみに今回の路線が1番好き。
8.Melody's Echo Chamber『Emotional Eternal』
全曲良い。泣きそうなくらい良い。この人は2012年のファーストが凄く良くて、次作どうなるんだと思ってたら病気で暫く休止してて最近復帰した苦労の人なので、やっぱ肩入れしてしまう。特に「Personal Message」が良過ぎて、とにかくめっちゃ売れてくれという気持ち。
7.Alex G『God Save The Animals』
各所で絶賛されているので、もう言うことはないんだけど本当にやばい作品なので広く聴かれてほしい。めちゃくちゃ聴きやすいのにずっと歪な感覚があって、ずっとオーバーグラウンドとアンダーグラウンドの境目にいる感じ。
6.Father John Misty『Chloë and the Next 20th Century』
めちゃくちゃ好き。全曲最高。なんだけど評論筋からは絶賛というわけでもなく、やっぱりそういう人たちとは合わんなと思わされた1枚です。この人は毎回良い作品を出すけどおれの好みとは少しだけズレる部分もあって、それが今回はど真ん中直球勝負なので最高だった。「Chroe」「(Everything But) Her Love」「Q4」「Funny Girl」を無限に聴きたい夜があるんだ。
5.MJ Lenderman『Boat Songs』
シンプルにめちゃくちゃ良い曲がずらっと並んでいる、ただそれだけで名盤になり得るのだということを証明したアルバム。色々なアーティストからの参照点を感じさせつつ、この人のギターの力で自分色にしているのは、何気にすごいと思うんだよな。
4.Bloc Party『Alpha Games』
Bloc Partyについてはちょっと思い入れが強過ぎるんだけど、それにしても今作はめちゃくちゃ良くないか?過去の良いところ、最近の良いところを上手い具合に織り交ぜた傑作。批評家連中が推さなくてもおれは推すぞ。
3.Alvvays『Blue Rev』
全曲全く隙がなくて、まさかAlvvaysがこんな風に化けるとは思わなかったこともあり衝撃だった。全ての曲が多少なり切なさの色を孕んでいるのがとても良い。
2.skillet『Dominion』
ここまで毎回毎回名盤を作られると逆にいつ袋小路に入るのか不安になったりもするんだが、まあ常に新作が最高なのは人生の救いになるので、これからも名盤を作り続けてほしい。
1.SAULT『AIR』
ちょっと良過ぎて困るんだよな。これまでSAULTに抱いていたイメージがこれで一気に変わった。荘厳なのに日々の暮らしの中で流せるくらいの軽やかさ。めちゃくちゃ良い音響機器を揃えて聴きたい気持ちもあるので、壊れたサウンドバーを直しに行ってきます。
一般的に入籍した年というのはハッピーだと聞いていたんだがそんなことはなく、結婚生活は楽しいがそれ以外が不幸全振りという感じでトータル2020年並みにつらかった。なんでこんな精神を擦り減らしてまで仕事してるんだという気持ちになり、金もらって苦痛を得ていると考えると仕事が馬鹿馬鹿しくなってきた。こんな思いをするくらいなら別に金はいらねえんだよな。
実の家への逃げ道も絶たれたという点ではまじで近年一番つらかったかもしれない。本当にどうすればいいのかわからなくなり、年末年始もつらいまま過ごすこととなった。
というわけで相変わらず仕事を辞めたい気持ちは変わらないので来年別の仕事の試験を受けて再来年から違う仕事に就きます。宣言しとかないとグダグダになってしまいそうなので。
あと、世の中の結婚した男たちはどうやって嫁の家族とうまくやってるんだ…?おれは1年経ってもまだ全く距離を掴みかねていて、毎回訪れるたび心臓を限界まで痛めながら過ごしているんだが、最適解があれば誰か教えて欲しい…
やっぱあれか、多動と自閉傾向があるやっぱ結婚してはいけないのかな…生きるとは難しい…








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