さくら荘のペットな彼女 #13 「イヴの窓辺とそれぞれの灯り」

  • このアニメは恋愛関係に話を進めると途端に内容が薄くなるという謎の欠陥を抱えていて、1クール目を終えて2クール目に突入した今でもそれは依然として続いたままである。キャラクタが妙に現実離れしていることが起因してるような気もするけど、普通の人代表である空太と七海の関係すらどうにももどかしい。なぜプラスとプラスを掛け合わせるとマイナスになるのか意味がわからん。
  • ましろはさくら荘において様々な未知の感情を習得(?)していくというひとつの目標設定みたいなのがあるんだけど、どうにも「知らない感情を知っていく」という過程の描写を「他者への依存」に一極集中してるのが「恋愛」という相互依存関係にそぐわないような気がするんだよな。その点、互いに依存しているように見える空太と七海は恋愛というカテゴリの範疇にあるように見えるんだけど、このアニメの主人公はましろと空太であり、ましろの変化と空太の成長を描くことが主軸に置かれているせいで空太と七海が結びつくということは恐らくないだろう。最初のプロットにあくまで忠実に突き進んでいる、という印象がこのアニメにはある。
  • 七海の決意を聞いた空太が早足で七海を追いかけるシーンとかにコンテの上手さを感じる(佐山聖子はあれか、ヴァンパイア騎士の監督か)。空太がましろを抱きしめるシーンの間に一瞬七海が遠くから見ているカットを挿入するのは邪悪だなーと思ったけれど。あれは「2人はいつまでそうしてるつもり?」と問い掛けるところからでもいいところなんだが、敢えて合間に挟む事で「七海には勝ち目がない」と印象付けることに特化したカットだ。
  • 空太は普通人代表みたいなことを上述したけどよく考えたら空太も充分変人だった。空太の思考回路はやっぱり常人のそれとは全くもって違うし、それに振り回されるヒロインたちもまたやはり常人の思考回路とはかけ離れているのである。つまりさくら荘の住人は皆変人という結論に落ち着きそう。