僕は友達が少ないNEXT 第10話 「残念王と笑えない話」

  • 人の失敗を許すことが出来るか出来ないかでその人間の器が決まってくるというのは当たり前なんだけど、ただ単純に許すのではなく「何かで挽回させる」ように指示できるというのは相当人間的に成熟してると思っていて、つまり星奈というキャラクタは隣人部の中でも相当人間としてできているという結論に達するのだが今回後半でそれを上回る理科の素晴らしい活躍があったので前半の記憶がほとんど上書きされた。
  • 理科は髪型から服装まで毎回変わってて珍しい手法での新鮮さを与えている。元々理科は外見に頼らなくても溢れ出る魅力をもつキャラクタなんだけど、外見を変えてくることによって更なる魅力を上乗せしてきた。まあ今回は理科の「『何だって?』じゃねーよバーカ」が聞けただけで満足みたいなところはある。
  • 理科が言及しなくても隣人部の部員たちの関係はすでに友達であるということに小鷹は気付いていて、いわゆる難聴も自己防衛(好意の回避と現在の関係の存続)だったというネタばらしがされるわけだが、このアニメは実質主人公(男側)が星奈と理科で落とされる(女)側が小鷹みたいな逆転の構図ができてるので、小鷹がチキンなのはあと一歩が踏み出せないヒロインのそれと同等と考えればそこまで反感も違和感もない。
  • 理科は目下小鷹の最大の理解者でありそれに対して自然に改善させようと努力しているので正妻みたいな扱いになってるんだけど、しかしだからこそ理科はヒロインにはなれず、小鷹の中で「良い友達」止まりになってしまうという悲しみがある。恐らく小鷹が今一番女性として見ているキャラクタが星奈であり、それを知ってるからこそ理科は「星奈のことをどう思ってるのか」と小鷹に問い、「もう一歩進んでもいいんじゃないですか」と進言した。
  • 小鷹が聞こえないフリをやめて誰かの思いを正面から受け入れた時点でそれは立派な成長であるし、その時にはもう既に隣人部の部員たちは小鷹の中で「友達」として考えられてるはずなので、この作品の終了地点もそこになるんだろう。